半分っこの人生

今日は大正生まれ、92歳の先生のお話を聞きました。

 

私の育った時代がそうだったのか、それとも育った環境がそうだったのか、昭和30年代生まれだとぎりぎり実感できる話かもしれません。

 

友達と二人で遊んでいる時、おやつの時間になりました。ところがお菓子の缶の中におせんべいが1枚しかありません。

さて、どうするか。

おせんべいを独り占めする人もいるかもしれません。

でも、それだと友達がいなくなります。

おせんべいを半分にすればいいんです。

そうして2人で半分っこして食べる。

 

でも、おせんべいはきっちり半分にはなりませんね。

かならず大きい方と小さい方に分かれます。

さて、どうするか。

大きな方を友達にあげられれば良いのですが、人間はなかなか大きな方を相手に上げることはできません。

自分が大きい方を取りたくなる。

 

困ったもんですね。

 

では、どうしたらよいか。

一生懸命働いておせんべいを2枚でも3枚でも手に入れる努力をすればよいのです。

そういう苦労をした人であれば、手に入れたおせんべいを少しでも多く分け与えることができるでしょう。

 

今日はロータリークラブの千葉県全体の地区大会でしたが、ロータリークラブのメンバーはそういう風に考えて、一生懸命稼ぎなさい。そして稼いだものを分け与えなさい。

そういうお話です。

 

災害や戦争が発生すると、善意の救援物資が集まります。

でも、世界中、救援物資を配ると必ず暴動や略奪が起きる。

善意の救援物資が必要としている人たちに届かないで、その多くは略奪されたり闇市場に流れたりする。

ところが世界で唯一そういうことが起きない地域がある。

それはどこかというと日本だそうです。

 

戦後、米軍が救援物資を日本に届けたとき、日本では暴動も略奪も起きなかったそうで、米軍としてはこの国はいったいどういう国なんだと驚いたらしい。「ララ物資」というその善意の救援物資は学校給食の元になったらしいけど、みんな飢えていてみんな貧しかった時代に略奪されずに学校給食になったのが日本という国らしい。

 

米山梅吉という人が三井信託の社長をしていた時代、新入社員に社長自身のポケットマネーで名刺入れを配っていた。

その名刺入れにはひと言書いてあった。

「Keep your name clean」

 

と、ここまでが阿部志郎先生のお話。

 

「己の名をけがすな。」という意味になりますかね。

 

きちんとした社是のある会社、企業理念のある会社。

昔の日本人は皆さん当たり前のように職業を通じて社会に奉仕する、社会貢献するということを考えていたのでしょう。

今は儲かれば何をやってもよいという会社が多すぎますね。

データ改ざんしたりしてね。

 

私たち日本人は世界的にも稀有な清き民族であるはずなのに。

少なくとも私たちの親の世代まではそうだったはずなのに。

 

1枚のおせんべいを全部自分で食べてしまいたい人たちばかりになったのでしょうか。

 

92歳の大先生から見たら、すべての日本人は青二才なんでしょう。

 

本件については、まだ消化しきれていない部分がありますので、もう少しいろいろな本を読んで考えてみたいと思った地区大会でした。

 

皆様、2日間お疲れ様でございました。

 

92歳の阿部志郎先生。

 

生かされていらっしゃるんでしょうね。

 

本日はありがとうございました。