あの、もし間違っていたらごめんなさい。

今、上越市の大島グループを率いる大島社長さん、岩の原ワインの神田社長さん、ロッテアライリゾートの中谷社長さん、そして私の4社長がご案内するプレミアムツアーというのをやっておりまして、昨日今日と私も同行してご案内させていただいているのですが、そのツアーに地元からご参加いただいた方がいらっしゃいます。

赤倉のホテル金甚さんの金子裕之社長さんです。

金子さんの息子さんが大の鉄道ファンだということと、地元の4社長がツアーを企画するということが面白そうだというので、東京や遠くは岡山からのお客様に混じって地元からご参加いただいているのですが、ふと思い出したことがありまして、ちょっとお話を振ってみたのです。

「あの、もし間違っていたらごめんなさい。」

まるで昭和の時代に女性をナンパする時のような臭いセリフ。
私自身、今までの人生で初めてこういうセリフを口にしてみたのですが、それは金子社長さんが「私は12歳でモンブランをスキーで滑走した最年少記録を持っているんです。」というお話をお聞きして、「あれ? どこかで聞いたことがある話だぞ。」と思ったからです。

「あの、もし間違っていたらごめんなさい。」

その次に私が言った言葉は、「以前、スキーの学生さんたちを連れてヨーロッパでスクールをやっていらっしゃいましたよね。」

すると金子社長さんから「はい、そうですが。」という言葉が返ってきました。

やっぱりそうだ!

「実は私、以前に成田空港のBritish Airwaysに勤めておりまして。」

そこで、金子社長さんも、「あっ、そうですよね、お会いしましたよね。」
となったのです。

スキースクールの生徒さんたちは一人で3本ぐらいスキーを持って行きます。
30人いれば90本にもなりますから、それだけで1トン近くなる。
そのスキーはチェックインカウンターから流せないので、別途手配したカートに載せて飛行機まで運ぶ。そんなことで毎年のようにお世話させていただいていたのです。

「あの時は大変ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございませんでした。」と謝る私。

なぜなら、成田で預かったスキーがロンドンを経由してスイスやオーストリアへ行くときに、ロンドンで載せ換えがうまく行かず、最終目的地まで着かないことが何度もあったからです。

スキースクールの子供たちを連れて行って、スキーの板が着かないというのは一大事です。
でも、スキーのような通常の荷物と違うサイズのものはロンドンに着いてもベルトコンベアーに載せることができず、手作業で運ぶことになりますから当然時間がかかります。
つまり、通常の乗り継ぎ時間では間に合わない。

行きも帰りもそんなことが発生するわけで、それも毎年のように。
その度にお客様からクレームを言われるのですが、そのご迷惑をおかけしたお客様の1人が金子社長さんだったんです。

もう20年近く前の話ですが。

ちなみに金子社長さんからは当時はクレームは言われませんでした。
なぜなら、営業を通じて荷物の重量をおまけするようなお取引をしていたからですが、私としては値引きしてるんだから仕方がないだろう的な仕事の仕方はしませんでしたので、誠心誠意対応させていただいたのですが、まさか妙高の方だったとは。

そして息子さんが大の鉄道ファンで、私のツアーに地元からご参加いただいていたとは、本当に驚きました。

世間は狭いですねえ。

ということでホテル金甚の金子社長さんです。

20年近くの歳月が経過して、私の風体はかなり変化しましたので金子社長さんは言われるまでわからなかったと思いますが、スポーツマンで今でも毎日腹筋を400回やっている金子さんは当時と全くお変わりありませんので、すぐにわかったのであります。

「あの、もし間違っていたらごめんなさい。」などという臭いセリフを吐いてしまいまして申し訳ございませんでした。

それにしても不思議なご縁を感じた本日でございました。

今度、ホテル金甚さんを鉄道ファンが集まるホテルにいたしましょう。
夏の間だけですが。

ホテル金甚

私はスキーをやりませんのでよく知りませんでしたが、ウインタースポーツを志す皆様にとっては神様のような方でございます。