少し前にテレビで24時間パンの販売をしているパン工場の直売所の話をやっていたそうです。
カミさんも私の妹もそのテレビ番組を見ていたらしく、「食べてみたい。」「今度買ってきて。」というのもですから、道路も空いていることだし、ちょっと出かけてみたんです。都内まで。
私は都内でも城東地区、墨田区とか江東区、葛飾区なら地図無しでも運転できますから、勝手知ったるあたりとだいたいの勘で行って見たら場所はすぐに分かりまして、工場もやっているのですが、なんとなんと、「本日の販売は終了いたしました。」
24時間やっているパン屋さんだったはずなのに。
すでに暗くなっていた時間帯でしたが、他にも何人ものお客様が買いに来ていて、がっかりしながら帰って行きました。
工場の方は、「テレビで放映されてから、たくさんのお客様が行列を作ってしまいまして、近隣にもご迷惑をおかけするし、お待ちいただいても何時にというお約束ができないのです。」と平謝り。
もともとパン工場の直売所ということで、工場としてだけ営業するようなことでした。
なんだかもったいないですね。
せっかくのチャンスなのに活かすことができませんから。
表示を見ると、「警察・保健所からの指導もあり」という部分が気になりますが、どうせ、近隣の迷惑になるとか言っていちゃもんをつけられているのでしょう。これが一種の「規制」ということで、闊達な商取引や経済活動を妨げている行為がここにも見られるということなのでしょう。まあ、本日のところはそこのところは置いといて、でも、それにしてももったいない。
私だったら、「○○へ行けば買えます。」とか、「ご予約承ります。でき次第お送りします。」などと表示を出したいところです。
でも、意外とこういうもったいないと思われることはあると思います。
お客様を取りこぼしているような商売が。
いすみ鉄道の駅でもそうですね。
これだけたくさんのお客様がいらしているというのに、商工会の建物がもう2年も空き家のままで、せっかくいらしてるお客様を商売の相手にできていないですから。
空き家になった「商工会」の建物がその調子ですから、どういう「商売人」が住んでいるか、田舎の商売は推して知るべしなもので、だとしたら、そういう商売人が住んでいる商店街は発展はしないでしょうね。
市役所の方は気づいていて、それだけたくさんお客様がいらっしゃるのですからということで、ただいま国吉駅に観光客向けのきれいなトイレを建ててくれていますので、今度の春にはご不便をおかけすることなくご利用いただけると思いますが、飲食という点では駅前の喫茶店ががんばってくれているのみで、せっかくいらしていただいているお客様をおもてなしするような気持ちは、ここの商店会からは感じないのが残念ですね。
テレビで取り上げられて、せっかくのチャンスなのに、いらしていただいたお客様を自分たちのお客様にすることができない。
「自分たちが食べて行かれればそれでよい。」という考えが、日本の地方のじり貧状態を招いているということに気づいていないとすれば、商売人とはいえないでしょう。
パン屋さんのように、工場として他に出荷先があって商売が順調なら別ですが、どんどん衰退して店が閉じている地域ですからね。
自分たちでチャレンジして具体的な行動を起こすことなく、節分の晩にいくら「福は内!」と叫んでみても、そういうところには福はやってこないと私は思います。
都内や千葉市内からの外部の事業者さんに入っていただくことを考えないと、せっかくいらしていただくお客様に申し訳ありません。
そろそろタイムリミットですね。
房総半島には無限の可能性がある。
私はそう考えますが、それは地域の産物や地形などに対する可能性ということです。
今そこに住んでいる人たちに可能性があるということではありません。
今そこに住んでいる人たちに可能性があるかどうかは、今、そこに住んでいる人たちが自分でどういう行動をするかにかかっているのですから。
カケス団長も私も、人生の残り時間が少ないという点では共通ですから、そろそろ次のステージへ進まなければならないということを、せっかく出かけて行ったパン屋さんにフラれて、あらためて気づいた「福は内!」の夜であります。
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