北国は大荒れですね。

数日前から天気予報で大寒波が予想されると言っていましたが、北国はその予報通りに大荒れのようですね。

 

私も昨年のちょうど今頃、千歳空港の閉鎖にはまって難儀をしましたが、この時期の北海道の方々は本当に大変だと思います。

皆さん、災害には十分注意してください。

 

そんな中、千葉県は今日はあたたかな一日で、気温も10度を超えてポカポカ陽気のクリスマスデーでした。

なんだか本当に申し訳ないなあと思います。

 

でも、思うんです。

「雪か。いいなあ。」って。

本当に大雪や吹雪になったら大変だってことは、こちらだって雪が降ったら難儀しますからよく理解しているのですが、でも、申し訳ないけど、「今日あたりは吹雪いてるだろうなあ。」って思うと、東京の人間は、もちろん千葉県も神奈川県の人も、ロマンチックな思いを感じてしまう人が多いでしょうし、ましてクリスマスともなると、「ああ、ホワイトクリスマスだ。」なんて勝手なことを思ってしまうのです。

だから、SNSの投稿を見ていると、「雨は夜更け過ぎに・・・」なんて昔のCM動画をUPしているのは関東や関西の人ばかりで、決して雪国の人たちはそんな歌や動画をUPするなんてことはしませんから、まあ、そうなんだろうなあと思うのであります。

 

つまりどういうことかというと、これが「北への旅の誘(いざな)い」であり、北国に対するあこがれなのであります。

でもって、そういうところに需要が埋もれていると私は考えるのです。

 

数日前になりますが、北海道新聞の記事です。

 

 

北海道新聞のWEBページは こちら。

 

札沼線の沿線4自治体の町長さんたちが、何とか鉄道を活用して地域を元気にできないかということで、いすみ鉄道に視察にいらっしゃると書かれています。

 

「第三セクターの成功例として知られる千葉県のいすみ鉄道を視察し、観光振興への寄与などについて話を聞くことも決めた。」

 

いやいや、決して成功しているとは思わないのですが、全国的に見ると、いすみ鉄道はそういうことなのでしょう。

 

ではなぜ北海道新聞のニュースを私が知っているかというと、北海道の友人たちが、「出てたよ。」って教えてくれたからで、会社で自分のスケジュールを確認すると、確かに1月下旬にいらっしゃることになっていました。

 

ところで皆さん、札沼線って知ってますか?

いや、それ以前に、読めますか?

 

札沼(さっしょう)線と読むのですが、札幌と留萌本線の石狩沼田というところをつないでいた路線で、札と沼で札沼線。その石狩沼田への路線はすでに廃止されて、今は新十津川というところが終点なんですが、新十津川という終着駅は、実は列車が1日に1本しか来ない駅なんです。

 

つまり、JRもやる気がなければ地域もやる気がない。

でもって、このままで行ったら廃止になっちゃうわけですよ。石狩平野を走る非電化の歴史ある路線が。

私から見たらあまりにももったいない。

だって、今頃は吹雪いているんですよ。

そんな終着駅は都会人にとって見たら、あこがれであり、心のよりどころじゃないですか。

 

1日に1本しか列車が来ないって聞いて、ふつうの人なら「そんな鉄道は交通機関としては終わってる。」って思うでしょう。

でも、私は、「だから使える。」って思うわけで、なぜなら、1日に1本って、今日、降りたってしまったら、もう今日中には帰れないんですよ。だから、泊まっていくしかない。今の時代、そんなところは日本には他にはないじゃないですか。

もちろん、道路がありますから車だってバスだってある。「帰れないわけないだろう。」ってみなさんおっしゃるでしょうけど、今から1日1往復の列車のために線路を敷くことはできないんですから、何とか価値を見つけ出して、それを売り出して、話題になって、お客さんが来るとか特産品が売れるとか、少なくとも新十津川というところが全国に知れ渡るような、そういうきっかけに利用するべきだと私は思います。

 

1日に1本しか列車が来ない駅って聞いて、私は思い出したことがあるんです。

それは学生時代によく旅をした離島です。

離島って船が都会から人や物を運んでくるのですけど、当時は1日に1本の船なんていうのが結構あって、演歌でも「三日遅れの便りを乗せて」なんてのがあるように、そんな船で離島に渡ったら、一度降りてしまったら今日はもう帰れないんです。

だから覚悟を決めて、腰据えて、その島に滞在するしかない。

でもって、島の人たちや旅行者は何をやるかと言えば、出航していく船に向かって手を振ったり、テープを投げたり、音楽を演奏したりして大騒ぎしている。岸壁を離れた船が見えなくなるまで手を振っている。

そういう光景を学生時代に見てきた私としては、1日1本の列車が都会に向かって発車していくときに、みんなで手を振って、テープを投げて、音楽をかけて、見えなくなるまで手を振ってみるようなことは、大してお金もかけずにできるのだから、やってみる価値はあると思うのです。

若い人たちは知らないかもしれませんが、昔は地方の駅へ行くとテープに録音された「ホタルノヒカリ」があって、ホームで別れを惜しんでいる人や、集団就職で都会へ出て行く人がいるのを見かけると、駅員さんが気を利かせて「ホタルノヒカリ」を放送で流してくれたんですよ。

だったら、なんか、そんなことでもやってみたら、たったそれだけのことでも全国からたくさんの人が来るようになるのではないかと思うのです。

 

 

11月15日の北海道新聞のコラムです。

私が取材を受けて、「1日1本しか列車が来ない駅は使えますよ。」というようなことを書いたのですが、札沼線沿線の町長さんたちは、この記事に刺激されて、いすみ鉄道をいろいろお調べになったと思うのです。そして、いらっしゃることになったのですが、最近は北海道各地はもちろん、いろいろな所から議員さんや自治体の皆様方がいすみ鉄道に視察にいらっしゃいます。わざわざいらしていただいて、見ていただくような内容ではないのですが、そういう時に、私はいつも申し上げることにしているのは、「みなさんたちも鉄道を支えなければダメですよ。」ということ。いすみ鉄道沿線は、いすみ市も大多喜町も勝浦市も御宿町も、もちろん千葉県も、一生懸命税金を使っていすみ鉄道を支えて来ていただいているのです。それも30年にわたって。だから、本当だったら国鉄と一緒にサヨナラしていた鉄道だったはずなのに、今でもいすみ鉄道が走っているわけで、私は、その責任者として、どうやったら地域を有名にして、地域に人が来て、経済が生まれて、特産品が売れるようになって、ということを考えているのです。

なぜなら、こういうローカル線はそれだけで黒字になるなんてことはなかなか難しい。だから、お互いに支え合って、お互いに良くなっていかれるような方法を探していて、それが私が導き出したローカル線の一つの在り方なのです。

 

鉄道って、明治時代からその地域の発展に大きな貢献をしてきました。

かつては駅が町の玄関口で、人も文化もみな鉄道に乗ってやってきました。

でも、今は時代が変わって、道路が主流です。

だから、こんなもの要らないと、鉄道を簡単に捨てたり、鉄道を守る活動をしないというのは、地域が発展したことに対する感謝の気持ちがないですよね。
鉄道会社も、地域の人たちが長年愛着を持って接してくれて、国鉄の大きな赤字まで国民が負担してくれて今があるのに、「儲からないからやめます。」「乗らないんだから廃止にします。」では、やはり感謝の気持ちがないと思います。

 

お互いに支え合って、お互いに尊重し合って行く道を探れば、私は必ず良い方向に行くことができるという希望を持っています。

 

東京のデパートで大人気の催事は皆さんご存知ですよね。

「駅弁祭り」と「北海道物産展」です。

札沼線をはじめとする北海道のローカル線には、その2つが両方あるんですから、成功しないはずないんです。

あとは、やり方だけですから。

 

そんなことを、北国は大荒れのニュースを聞いて、今夜は思いました。

 

北の大地を走る小さな列車。

サンタクロースはどこかできっと見ていますよ。

誰にプレゼントを届けようかってね。

 

なんだかワクワクしませんか?

 

 

メリー クリスマス !