富山へひとっ跳び。富山はひとっ跳び。

先日、富山へ行ってきました。

富山はいろいろ楽しい交通機関の宝庫で、マニア的には外せないところですが、食べ物もおいしくてお酒もおいしくて、私はYS11の時代から何度も訪問させていただいております。

 

ということで、今回もファーストチョイスはもちろん飛行機。

新幹線にするか、それとも飛行機にするか。昨今では3時間の壁とか4時間の壁などと言われているようですが、それはあくまでも評論家の先生方が言っているだけのことであって、その根拠は、東京からの「よーい、ドン!」であるわけですが、私たちは何も東京から「よーい、ドン!」ではなくて、自宅から「よーい、ドン!」するわけですから、東京駅や羽田空港までのアクセスがどう確保されているかとか、乗り継ぎ時間がどうだとか、あるいは空港や駅まで座って行かれるかどうかなど、新幹線にするか、飛行機にするかを選択する場合には、個人個人の置かれた立場と言いますか、要因というものがあって、3時間とか4時間と言った時間的メジャーだけで決めつけることは、私はするべきではないと考えています。

 

ということで、千葉県の房総半島を起点とした場合はどうしても羽田空港へのアクセスが良いわけですから、私は「いつものように」車で羽田空港へ向かいました。

 

 

早朝6:05、大多喜駅出発。

 

 

実はこの時間帯は6:15発の大多喜から羽田空港経由で品川へ行くバスが出ているのですが、このバスは羽田空港T2到着が7:25。飛行機の出発時刻が7:55でちょっとリスキーで、帰りのこともあるので自家用車で出発です。

 

 

アクアラインをスイスイ走って・・・もちろんスピードは控えめですよ。

 

 

羽田空港に車を停めてターミナルビルに入ったところで7:05でした。

 

 

荷物を預けて、検査場へ向かいます。

 

 

この時点で7:14.

夏休みなのに検査場はスイスイで5分で抜けて、

 

 

一番遠くの71番ゲートでしたが、7:30には到着しました。

 

 

 

 

羽田空港第2ターミナルのゲート前の風景です。

飛行機を選択する理由の一つがこのターミナル設備ですね。

ゆったりとコーヒーを飲んでくつろぐこともできれば、食事をとることもできます。

お店のお客さんにならなくても、搭乗口の前にたくさんの椅子がありますから、20~30分の待ち時間など苦になりません。

トイレの数もたくさんありますしね。

 

新幹線だとこうは行きません。

東京駅は構内はごった返していて、この時期ホームは炎天下。ガラス張りの待合室は申し訳程度で何人も座れません。

ホームに列車は止まっているものの、折り返し車内整備のために車内に入れるのは発車の3分とか5分前。

車内に入ってやれやれと座席に腰かけたところで、列車によっては「車内販売はありません。あらかじめご了承ください。」と車掌さんのアナウンス。

じゃあ、と何か仕入れにホームへ出ようと思っても時すでに遅し。すでに発車のベルが鳴っています。

 

これは新幹線と飛行機の大きな違い。

つまり、旅立ちの雰囲気が、今の新幹線にはないのです。

 

そして、比較と言えば忘れてはならないのが運賃ですね。

 

 

 

ちなみに、今回私が使用した航空券は「旅割28」。

これは1か月後の8月31日の航空運賃表ですが、7:55発の313便の旅割28は、つまり28日前までに買えば11490円であります。

新幹線の場合は、東京から富山まで「かがやき」の普通車指定席で13930円。

北陸新幹線の場合は、オペレーション会社が2社になりますから、同距離の東北新幹線や東海道新幹線よりも特急料金が割高で、株主優待などもあまり意味がありませんから、お値段的には飛行機も十分に対抗できる金額でしょう。

 

 

さて、この日の313便は定刻の7:55きっかりにゲート71番をプッシュバック。

滑走路34Rから離陸です。

 

羽田空港はいろいろ運航上の制約があると思いますが、国内線の航空機は新幹線と時間の競争をしている区間があるわけで、そういう路線の便は出発ゲートから一番近い滑走路から離陸させるべきだと私は考えています。

だから、大阪行きの便がSID(出発経路)の関係で一番遠いD滑走路の05にアサインされて、ゲートを離れて25分も地上滑走させられていたりすると「何やってんの? 管制は縦割り行政じゃなくて、もっと利用者のことを考えろ。」と思ったりするのですが、この313便はゲートから一番近い34Rからの離陸でしたので、「よし、よし」です。

 

 

8:04 羽田空港離陸。

ゲートを離れてから9分で離陸しました。

 

 

ベルト着用サインが消えて飲み物のサービスが始まります。

無料のドリンクというのも新幹線にはありませんね。

いつも飛行機に乗ってる身としては、新幹線の車内でドリンクを求めるのにお金を支払うのにも違和感があったりして。

 

そうこうしているうちに、エンジンの音が絞られて高度が下がり始めました。

窓の下を見るとすでに富山市の上空です。

 

 

ここまで羽田空港を離陸してから25分です。

 

 

飛行機ですからね。まっすぐ飛んできているから速いわけですよ。

でも、なぜ窓から下の景色を見て富山市だってわかるかって?

そりゃあ、その昔、航法を勉強していますからね。

下の景色を見て自分が今どこを飛んでいるかを知るのを地文航法というのです。

プロッティングしてみると、

 

下の矢印がJR富山駅。

真ん中に縦に流れるのが神通川。

そして上の矢印が神通川の河原にある富山空港の滑走路です。

このぐらいの下調べをしておくと、飛行機ってすごく楽しくなるのです。

 

さて、羽田を離陸してから25分で富山市の上空までやって来たものの、眼下に見える富山空港へ降りるためには富山湾の上空で大きく右旋回しながらぐるっと回って降下していきます。

 

 

七尾市の方まで見えて、これがけっこう楽しいのです。

 

 

 

岩瀬浜から入ってきて、先ほどはるか上空から見えた富山駅の上を通って富山空港に着陸です。

 

 

8:44 滑走路20に着陸。

飛行時間はわずか40分でした。

着陸するとフルブレーキでグググッと停止。

1500メートルでピタッと止まって誘導路からターミナルビルへ入りますから、着陸から1分もあればスポットへ入ります。

8:45 富山空港到着です。

新幹線と競争している路線は機長さんたちも時間にシビアなのがわかりますね。

 

定刻よりも10分早く到着しました。

 

 

さて、手荷物受取場へ進むと、回転台の上にこんなオブジェが。

 

 

富山湾の新鮮なお魚のお寿司が有名な富山空港らしい巨大なお寿司のオブジェです。

最近はこういうのが結構あって、高松空港は讃岐うどんだし、青森空港は大間のマグロだったりと楽しいです。

でも、これって荷物が流れる前から出してちゃダメですよね。

奥にしまっておいて、ターンテーブルが動き出したら最初に出てくるところに醍醐味があると思うのですが。

 

さてさて、なぜ私が手荷物を預けたかというと、実はちょっと興味があったことが2つありまして、その1つは手荷物が到着から何分で出てくるかということ。空港にもよりますが標準では15分以内なら合格と言ったところですが、この日の便の場合は8分で出てきました。

気になることのもう一つは、どういう手荷物が出てくるかということ。

搭乗率6~7割程度でしたから手荷物を待っているお客様も30数名といったところでしたが、出て来た手荷物のうち約3割が国際線からの乗り継ぎ荷物でした。

どうしてわかるかって?

そりゃあ荷物に取り付けられているタグを見ればわかりますよ。

朝7:55羽田発の便ですから、国内線からの乗り継ぎはありません。

乗り継ぎ荷物はすべて国際線からの乗り継ぎ。

ということは、100名ちょっとのお客様のうち、10名位ぐらいが国際線接続客ということになりますね。

 

つまり、地方都市にとって外国人観光客を呼び込もうと思ったら、羽田からの航空便は必須アイテムだということなのです。

新幹線ではそのお役目はできないんです。

 

さて、この後私は富山県内をすべて公共交通機関で回って旅をしましたが、そのお話はまた次回。

 

本日は、やっぱり飛行機が良いなあ、というところまででございます。

 

ちなみに、鉄道で富山へ行く場合は、

 

大原 6:09発

上総一ノ宮 乗り換え 6:32発 快速

東京着 7:52

東京発 8:12 「かがやき」

富山着 10:27

 

私ならたぶん上総一ノ宮からの快速はグリーン車に乗るでしょうが、ラッシュアワーの東京駅で人の波に揉まれてヘロヘロになりながら、富山に到着するのはこの313便の1時間40分後、というコースになります。

 

富山空港は市内から近いですから、富山駅へ向かうとしても、空港バスで20分程度。

新幹線より1時間は早く到着できるのであります。