富山へひとっ飛び、富山はひとっ飛び その2

大多喜を午前6時に出て、8時45分に富山空港に降り立った私たちは、公共交通機関だけを使って、いかに効率的に富山の観光地を見て回るかというミッションをスタートさせます。

 

まず最初は富山空港から高岡市内へ向かう乗り合いタクシー。
富山空港から高岡市内へは、以前は加越能バスがありましたが、廃止後は「そらタク」という予約制の乗り合いタクシーが運行されています。

 

富山きときと空港 そらタク のご案内 ←ここをクリック

 

1人3500円で高岡市内まで乗せてくれるのですから、なかなかお安くて便利。

いくら取られるかわからない田舎のタクシーの不安もありません。

時間も節約できて便利です。

 

こういうサービスは、地元では皆さんご存知でしょうけど、旅行者にとっては「知る人ぞ知る」サービスで、だからと言って富山県民ではない旅行者は利用できないわけではありませんので、旅行される地域の空港のホームページなどいろいろ調べてみると面白いかもしれませんよ。私は以前、熊本空港の空港ライナーという乗り合いタクシーを利用したことがあります。

 

 

 

事前予約していると運転士さんが「こちらです。」とプラカードを持って笑顔で待っていてくれました。

 

 

 

向かった先は高岡の瑞龍寺。

富山県は江戸時代は加賀藩でしたが、前田藩2代目の前田利長の菩提寺です。

高岡にはたくさんのお寺がありますが、訪ねておいた方が良いお寺です。

 

 

お寺の前から10:39発のバスに乗って向かったのは新幹線の接続する新高岡駅。

 

 

城端線と北陸新幹線の連絡駅に10:45に到着しました。

大原から電車で来た場合に東京8:12発の「かがやき521号」に乗って富山着10:27ですが、富山で「はくたか」に乗り継いで新高岡10:45着になりますから、ここで新幹線で来た場合と合流する時刻です。

飛行機だとひとつ余計に観光できたことになりますね。

 

 

 

新高岡駅で15分の接続で五箇山行の世界遺産バスに接続。

2500円の五箇山フリーきっぷを使用します。

 

 

でもって、「平日だから空いているだろう。」とタカをくくっていましたが、発車時刻が近づくと観光客が集まってきて、約20名ほど乗車しました。

 

 

外国人も多かったですが、このバスの中で「あっ、社長さんですよね。」と声をかけていただいたご夫婦がいらっしゃいました。

千葉県からいらしたというご夫婦でしたが、お声をおかけいただきましてありがとうございました。

 

 

このバスは高速道路を走って城端駅を経由しますが、驚いたのが、この城端駅から高校生が5~6人と地域のおばさん数人が乗りこんできました。

世界遺産バスというので観光客用かなと思っていた私は驚きました。

しっかり地域の足も兼ねているんですね。

無駄がないというか合理的というか。

 

 

その高校生と地域住民を乗せて6割以上の乗車となったバスは山道に入って五箇山を目指します。

 

 

約20分で相倉口に到着。

城端から意外に近いのに驚きました。

城端までは何度も来ていますが、鉄道がない地域にはなかなか足を運んだことはない私には、五箇山は初体験。

深い山の中と聞いていましたが、意外に近いのに驚きました。

これもトンネルが開通してからのことのようです。

五箇山から城端へ通う高校生がいるのも理解できますね。

 

 

 

さて、五箇山の相倉地区というのは合掌造りで有名なところ。

合掌造りというと岐阜県の白川郷が有名ですが、富山県にもあるんです。

こちらは商店とかが無くて何となく昔のお雰囲気が残っています。

 

そんな合掌造りの中の1件の食堂でお昼ご飯。

食堂になっていたり民宿になっていたり、観光地としての機能もしっかり備えていますから、何の準備もなくても大丈夫です。

 

「まつや」さんというお店でしたが、どこにでもまつやさんはあるものです。(笑)

 

山のごちそう「まつや定食」1650円。

ボリュームたっぷりでおいしかったです。

 

さて、その後、合掌造りの内部などを見学して、再び世界遺産バスに乗車して高岡に戻りました。

 

 

高岡駅は近年区画整備されてどんどんきれいになりましたが、城端線、氷見線に客車列車が走っていた当時を知る私としては、どうもしっくりこないわけですが、辺りを見渡すと、昔ながらの昭和の建物も残っていました。

 

 

再開発で近い将来過去のシーンになるでしょうね。

 

 

 

高岡と言えばこの電車。「万葉線」です。
路線が整備されて駅ビルの中まで乗り入れるようになっていました。

都市交通としてしっかり機能していると思います。

 

 

整備された高岡駅の上に上がると構内が見渡せます。

この光景は昔から変わりませんが、北陸本線が3セク化された今、氷見線と城端線が完全に分断された状態になっています。

新高岡での新幹線接続を考えると、氷見線から城端線への直通運転が当面の課題になるのではないかと思います。

線路は繋がっていますからできないことはないと思いますが、できない理由を探すのが鉄道会社の得意技ですから、ここはひとつ、そういう思考に陥らずに、利用者目線で考えていただきたいと思いますね。

 

 

さて、高岡からはあいの風とやま鉄道で富山へ。

北陸本線時代の長いホームが懐かしいですね。

 

 

でも電車は2両編成。

十分と言えば十分ですが、座ることが前提ではなく、立つことが前提の2両編成ですから、通学時間帯は観光目的での利用は厳しいかもしれません。

座ることができずに富山に到着でした。

 

 

富山駅構内です。

新しくなってきれいですが、ここに驚きの路面電車の駅があります。

 

 

新幹線の改札を出てまっすぐ歩くとそのまま路面電車に乗ることができる構造です。

高岡と言い富山と言い、これは素晴らしいですね。

交通というのはリンクですから、新幹線や在来線から路面電車へのアクセスが整備されているというのは、当たり前のようですが、なかなか難しいことだと思います。それを富山はちゃんとやっているんですね。

 

 

現在は行き止まりとなっていますが、富山駅の高架化が完成すると路面電車網がさらに広がる予定です。

 

 

夕方の富山市内の路面電車です。

渋滞の車を横目に、路面電車はスイスイ走ります。

これができるのは行政はもちろんですが、市民の皆様方の理解も深いのだと思います。

路面電車が地域にとって大事な存在だということが、市民の皆様にもしっかり理解されていると私は見ました。

 

ということで初日が終わりました。

 

 

この後、地元の皆様方に自分では絶対に入らないようなジモティー向けのお店に連れて行っていただき、おいしい富山の魚を食べて日本酒を飲み比べして、ホテルに帰ってバタンキューでした。

 

明日は黒部へまいります。

 

(つづく)