今日の観光列車

昨日のブログは鹿児島のホテルで書きましたが、今日は鹿児島中央駅から「はやとの風」に乗車しました。
新幹線に接続する観光列車として鹿児島中央駅からは指宿枕崎線の「指宿のたまて箱」という列車と、肥薩線の山越えの序章である「はやとの風」という列車が出ていますが、「いぶ玉」の方は2月の平日だというのに満席で席が取れませんでしたので、「はやとの風」に乗りました。
こちらはもう10年前から走っている列車ですので、いぶ玉人気の影響なのかお客様は少なめでしたが、それでも2両編成に15~20名ぐらい乗っていたでしょうか。
真冬の平日にしては上出来だと思います。

真っ黒い車体の「はやとの風」。もともと昭和55年に作られた各駅停車用のディーゼルカーですが、改造されて特急になりました。


車体には上から下までガラス張りの部分があり、眺めは最高ですね。
車内も木をふんだんに使ったデザイン。
車齢30年を超える車体ですが、これだけみごとに改造されていて立派です。
お金かかっているんだろうなあ。

鹿児島を出るとすぐに錦江湾に沿って走ります。目の前には桜島が見えました。
素晴らしい景色ですので、もう少しゆっくり走ってもらいたいなあと思いますが、それにしても観光列車にふさわしい景色ですね。
新幹線や飛行機に乗ってやってくるお客様には、このぐらいの景色をお見せしないとね。


ここが有名な嘉例川(かれいがわ)駅。
特急列車だけど5分ほど停まります。
JRのCMに登場したことから有名になった駅です。
今日は駅弁の販売もなく静かでしたが、駅舎内では「ひな祭り」の飾りつけがされていました。

次の霧島温泉駅でも4分間停車。
地元の皆さんがホームで売店と無料のお茶のサービスです。
まるでいすみ鉄道の国吉駅と同じですね。
それもそのはず。
優等列車なのに途中駅で停車して地元の人々とふれあいができるのは、いすみ鉄道が九州からパクったんです。

その次の大隅横川でも数分間停車。
駅の柱には第2次大戦中に米軍機の機関銃が撃ち込まれた穴が残っています。
そんなものも観光資源なんですね。
いすみ鉄道の始発駅である外房線の大原駅にも、電化前までは米軍機の機関銃に打たれて腕木に穴が開いた腕木信号機が使われていたそうですが、もったいないことをしましたね。


この駅でも地元の人たちのイベントが行われるようです。
今日は平日のためひっそりとしていましたが、ここでもひな祭りの飾りつけがされていました。

終点の吉松駅です。
ここで、「はやとの風」からもう一つの観光列車「いさぶろう・しんぺい」へ乗り継ぐことができます。

吉松駅は機関区があった駅で、駅構内は広く当時をしのばせますが、機関車の車庫や線路はすべて撤去され、広い構内が残るのみです。
駅前にC55が美しく保存されているのがうれしいですが、今日のお目当ては駅から2分ほど歩いたところにあるこのお店です。


このお店の名物は「汽笛饅頭」
機関区があった町らしいと思いませんか?
いすみ鉄道のけむり饅頭といい勝負かも。
お店に入ると、店内には蒸気機関車の写真や模型がたくさん飾られていて、ご主人のおじいさんが20分かけて説明してくれます。
テレビの珍百景にも出たそうですが、明治時代のクラウスから始まって、初の国産機9600、8620。そして峠越え専用のE10など、端から端まで私が機関車の名前を全部言ってしまいましたから、おじいさんは「お客さんはよく知ってるねえ。」と、少しさみしそうでした。
お話を聞くのに20分も費やす時間がなかったもので、ごめんなさい。

さて、駅に戻ると峠を越える人吉行の観光列車「いさぶろう」が発車する時間です。
私はこの列車には乗りませんでしたが、今日は団体が2つ入っているとのことで、2両編成の列車は満席でした。
もちろん、吉松までは観光バスでいらしたようですが、それにしても2月の平日ですよ。
凄いですよね。

吉松駅での私の2つめのお目当ては駅弁。
ここではおじいさんが立ち売りをしています。
SL時代から立ち売りはあったのですが、急行列車がなくなって一旦はやめてしまったものの、観光列車でにぎわい始めてからまたやり始めた駅弁は630円。
懐かしい昭和の駅弁は、ふたが閉まらないほどおかずがたくさん入っていて、これで630円ですから驚きです。


箸を付けてから慌てて写真を撮りました。

そして完食。
嫌いなしいたけも梅干しも里芋も、ちゃんときれいに食べました。

私は、このガラガラのキハ40の普通列車に乗って、先ほどの嘉例川に戻り、そこから1日5本しかない超ローカルな路線バスに乗って鹿児島空港に向かいました。
100年の駅舎が現役の嘉例川駅は鹿児島空港の最寄駅なんです。
鹿児島空港の滑走路34から離陸した飛行機の窓から、先ほどまでいた嘉例川駅が箱庭のように良く見えました。
でも、マニア度の低い一般の皆様方には、鹿児島空港へのアクセスルートとしてはお勧めいたしませんのであしからずご了承ください。
ということで、JR九州の観光列車を定期巡回して勉強してきましたが、私は、いすみ鉄道が勝負できるポイントを今日も確認することができました。
そのお話はまた次回。
来週は東北エモーションでも乗ろうかしらん。
さて、明日はいよいよいすみ200型3両編成による急行列車の運転です。
影山主任運転士の仕掛けが・・・
どうぞお楽しみに。