遠足電車

東京育ちの私は、小学校の遠足というと、秩父や飯能などへ出かけました。
東上線に乗って小川町や寄居まで行くと八高線にはまだC58やD51が真っ黒い煙を吐いて走っていました。
カメラを持ったのは小学校4年生の時で、その時から遠足には必ずカメラを持って行くようになりました。
といっても写すのはバスや電車ばかり。
景色の良いところへ行っても、フィルムがもったいないので、シャッターは切りませんでした。


この写真は、長瀞へ行った時に秩父鉄道の線路のそばを歩いていたら、向こうから貨物列車がやってきて写した1枚。
それと、駅で帰りの電車を写した1枚です。
ガキの癖に生意気な縦アングルです。
板橋区の小学生は、東上線で寄居まで行って、そこから秩父鉄道に乗りかえて、長瀞の宝登山(ほとざん)とか、秩父の橋立鍾乳洞などへ出かけるのが定番コースでした。
秩父のシンボルだった武甲山を見ながら、先生が、「この山は、君たちが大人になるころには形が変わって、もしかしたらなくなってしまうかもしれないんだよ。」と言われましたので、電車以外に1枚シャッターを切った記憶がありますが、その写真はどこへいったのやら。
セメントを採りすぎて、今はどんな山になっているのでしょう。
あとは、宝登山のロープウエイぐらいしか記憶にないんですね。
東上線の寄居行の急行電車が、私たち遠足の小学生が団体で乗車するために、ふだんは停まらない下板橋駅に停車するのが、私にとって一番の楽しみで、あとは、はっきり言ってどうでも良かったのが、私の遠足なんです。
でも、今から40数年前の小学生の時こういう写真を撮っておいてよかったなあと思います。
皆さんもそう思いませんか?
こんな列車が今走っていたら、皆撮影に集まるでしょうね。
恐るべき小学生だったんです。