思いを持ち続けること

いすみ鉄道では総元―上総中野駅間が不通になっており、バスによる代行輸送を行っていますが、おかげさまで今日もたくさんのお客様にいらしていただき、また、無事に1日が終わりました。
ご協力いただきましてありがとうございました。
線路の工事は休み明けに開始される予定でいます。
部品などの調達の問題もありますが、仕事始めの後に部品在庫などが確認でき、すべてが順調に進めば来週半ばに開通できればよいと考えています。
まだコミットメントできる状況にはありませんが、スケジュール的な段取りはそのようになっています。
さて、本日いらしていただいたお客様から、
「いすみ鉄道ではキハ52を走らせてくれていますが、いろいろ困難なことがあったと思います。どうすればそういう困難な問題を乗り越えることができるのでしょうか。」
と質問されました。
私は、ただ一言、
「思いを持ち続けることですよ。」
と答えました。
確かに、キハ52を走らせるためには様々な困難がありました。
この社長ブログの2010年1月ごろからずっとお読みいただければ、旧型ディーゼルカーを導入するための下準備から初めて、少しずつ前進してきた経緯がそれとなく書いてありますから、私が歩んできた道がお解りいただけると思いますが、大切なことはただ一つ。
「思いを持ち続けること。」です。
逆説的に言うと、「あきらめたらその時点で終わり。」ということ。
キハ52を譲渡していただく交渉から始めて資金手当て、導入のための準備など、並行してやっていきながら一つ一つ乗り越えて解決していくためにやって来たことは、今でこそ、キハを走らせてこれだけ人気になってたくさんのお客様にいらしていただけるようになりましたが、当時は未知数でしたから、誰も信じてくれませんでしたし、私の周りにいる人たちに味方は一人もいない状態でしたので、精神的にもなかなか厳しいものがありました。
そんな中で、モチベーションを維持してきたのは、自分がやっていることは世のため人のためになるんだ。間違っていないんだという信念と、最後まであきらめないということ。
その原点は、前に本にも書きましたが、中学3年生の時、昭和50年に当時日本で最後に活躍していた室蘭本線の蒸気機関車に会うために、日帰りで北海道へ行ったこと。
今から40年近く前のことですが、不可能と思っていたことを何とか可能にするということをこの瞬間に学習したんだと思います。
だから、私はいすみ鉄道に来てくれる中学生、高校生など若い人たちにも、自分で道を切り開くという生き方を学んでほしいと思いますし、達成するまであきらめないでほしいと思うわけです。
なぜなら、あきらめてしまえば、しょせんその人の気持ちはその程度だったんだということになるわけで、自分に対して言い訳をする人生になってしまう怖さがそこにあるからなんですね。
解決しなければならない問題はいろいろあるとは思いますが、自分の思いを持ち続けることができれば、例えば、お金だとか、技術だとかということは必ず解決の道はあるんだと、今日のお客様にお会いして、自分自身に対して再確認したしだいです。
お正月にお会いするご縁のある人から今日もいろいろなことを教わることができた1日でした。