サイモンズカード お持ちですか?

ポイント制度というのが世の中にはたくさんあります。
航空会社のマイレージだったり、クレジットカードのポイントだったり、いろいろな利用実績に基づいてポイントが付与され、ある程度まとまるとお買い物などに使えるという制度です。
私は、このポイント制度というのが以前からどうも気になっていました。
それは、自分が得たポイントであっても、ある一定期間利用していない場合などでは、そのポイントが失効してしまうということで、実際に失効したポイントはどこへ行ってしまうのだろうかと考えるからです。
世の中の商取引にはいろいろな割引やおまけがあります。
たいていは、2割引きセールや3割引きセールなど、お買い物をする時点でお客様が利益を得られる制度で、お買い物の時点で値札についている金額よりも低い金額を払いますから、それがその場でお客様が得られる利益ということになります。
ところが、ポイント制度というのは、お客様がお金を払う時点での値引きではなくて、その分の金額をある程度まとめておいて、後日別の機会に使用しましょうという制度で、そのポイントは、カード会社の方で管理しているのが通常です。
これは一種のお客様囲い込み制度で、例えば航空会社のマイレージを例にとると、1万マイル貯めて初めて特典航空券に交換できるとするような制度が主流ですから、お客様は頑張って目標のマイレージ(ポイント)を貯めるためにその会社を利用するようになります。
航空会社のマイレージの場合、例えば東京から札幌まで利用すると約500マイルが手に入ります。
同じ区間の特典航空券を得るためには1万マイル必要だとすれば、1万マイルに対する500マイルですから、5%割引を得たことになります。
ところが、この5%割引というのは、20回乗って初めて使用できる割引ですから、私は一生懸命貯めて無料航空券を手に入れようなどということにはあまり興味がないんです。
なぜならば、お金を払う段階で5%割り引いてくれる商品など世の中にたくさん存在するわけで、そのお店で20回買って初めて1個もらえるような商取引は、それほどお得なものではないからで、だったら2割引きや3割引きで購入できるものを探した方が、将来もらえるかどうかわからないものに向けて頑張るよりもはるかに現実的だからです。
でも、日本人は勤勉で貯金性向が高い民族だからでしょうか。こういうマイレージやポイントとなると、一生懸命貯める人が実に多く、私は感心することしきりなわけです。
さて、ここで当初の疑問ですが、このせっかく貯めたポイントが、ある一定期間そのお店を利用しなかったりすると消えてしまうということについて考えて見たいのですが、もともとお客様の囲い込みのために設けられた制度ですから、お客様がそのお店を利用しなければ消えてしまっても仕方ないとは思いますが、では、その消えたポイントというのはどこへ行くのか。と考えるとどうも釈然としないのです。
ショッピングに出かけて、カードでお買い物をしてポイントを手に入れるとします。
そうすると、手に入れたポイントは自分のものではありますが、カード発行側の手にあって、カード発行会社に管理されています。
そのポイントが失効した場合、本来の所有者であるお客様は、最初に決められたルールにあるように、ある一定の期間利用しないわけですから、そのポイントの権利を失うということは理解できます。でも、実際はそれだけではなく、その権利を失ったポイントが、実はカード発行側の手中にあって、カード会社がお客様に還元すべき利益を自分たちのものにしてしまっている。ということになるのです。
本来であれば、カード会社は発行したポイントに見合う金額をどこかにプールしておくか、第三者に管理しておいてもらって、お客様が使用する権利を失効したからといって、カード会社がその金額を払わなくても良いというものではないと考えるのですが、実際問題として、発行ポイントを引当金として積み立てているカード会社があるという話はほとんど耳にしたことがありません。
まさか、カード会社が倒産するということは無いとは思いますが、お客様が失効させたポイントが、自分たちの物になるというのは、私は変だなあと考えるわけです。
さて、そこでいすみ鉄道が会員の皆様に向けて発行しているサイモンズカードのお話です。
実はサイモンズカードの社長さんは日本航空出身の方で、そのご縁でいすみ鉄道がサイモンズカードを発行することになったのですが、それには深いわけがあります。
このサイモンズカードは、発行したポイントが失効すると、お客様が使用する権利を失ったポイントが、いすみ鉄道に入る仕組みなんです。
どういうことかというと、いすみ鉄道のサイモンズカードを利用していろいろなお店でポイントを貯めるとします。
その貯めたポイントはもちろん加盟店で使用することができます。
ところが、使用しないまま失効したポイントが発生すると、いすみ鉄道のサイモンズカードでためたポイントですから、その失効分がサイモンズからいすみ鉄道へ振り込まれてくるのです。
このサイモンズというところを「ほかのカード発行会社」に置き換えて考えていただくとよくご理解いただけると思いますが、サイモンズは集められたポイントを預かっているだけで、失効したことをいいことにネコババしてしまうのではなく、ちゃんとカードの会社(この場合はいすみ鉄道)に還元してくれるのです。
東京から西の地方にお住いの皆様方には、サイモンズカードと言ってもほとんど知名度はないと思いますが、日本の北の方、特に北海道地方では数年前からかなりメジャーになっていて、例えば 「オオカミの桃」というトマトジュースで有名な鷹栖町 では、「たかすカード」というサイモンズカードを発行していて、その町の人たちだけでなく札幌や東京に出てきている鷹栖町出身の方々が、このカードでお買い物をして、一生懸命ポイントを貯めて、貯まったポイントを失効させる(使用しない)ことで、鷹栖町に還元されて、市の財源として使用されていますし、東京農大でもサイモンズカード利用者からのポイント還元で学校の研究費が助かっているのです。
サイモンズカード利用事例はこちらをご覧ください。
ということで、サイモンズカードをお持ちのいすみ鉄道会員の皆様へ。
お持ちのサイモンズカードは、このように高い理想を掲げたカードですから、他のポイントカードと全く違います。
一生懸命お買い物でポイントを貯めていただき、どうぞ安心して失効させてください。
そうすれば、その失効したポイントがいすみ鉄道に払い戻されて、いすみ鉄道に貢献したことになるのです。
これが、お買い物をするだけでいすみ鉄道に貢献できる偉大なるサイモンズカードということなのでございます。

ちなみにいすみ鉄道で発行するサイモンズカードにはクレジットカード機能は付いておりません。
ご希望の方へはどなたでも発行することができます。
ただし、ご利用は現金でのお支払いに限ります。
クレジットカードでのお支払いの場合は、ポイントの重複を避けるため、サイモンズのポイントは付与できません。
また、乗車券類は対象になりませんのでご了承ください。
いすみ鉄道の車両オーナー、サポーターになるとサイモンズカードが発行され、それがイベントなどでの会員証としても使うことができますので、いすみ鉄道ファンの皆様方には必携のカードということなのです。