フレームから飛び出そう!

世の中には、いすみ鉄道のバスをいろいろ言っている人たちがいるようで、羽田空港からのバスがゴールデンウィークに本当にキハに接続するのか確認して掲示板に報告している人がいる。
「何時何分、バス到着、乗客何名」ってな具合に。
その掲示板を見て、私に「今書き込んでる人がいるよ。」と教えてくれる人もいる。
私は掲示板には興味がないから知らないけれど、大多喜の駅前でキハの快速を待っている人の中に、こそこそとモバイルをやっている人がいたから、「ああ、あの人だね、○○の住人は。」って、バーチャルの世界が目の前でリアルに展開されているという、とても興味深い体験ができました。
そんなに気になるのであれば、自分で予約して乗ってみればいいのに、そういうことはしないというか、できないというか。
実際に行動力があるのなら、きっと、仕事がバリバリできる人間になれるのにもったいないなあ、というのが私の感想。
ということで、本日は8時29分発の快速からキハに乗って、途中休憩はしたものの、結局最後の急行5号まで乗りました。
私は人間に興味があって、人はどういう習性があるのだろうかということを常に見ているので、例えば、キハの快速や普通列車には乗るけど、300円の急行料金がかかる列車には絶対に乗らない人がいて、逆に、「せっかく来たから指定席」というもいるわけで、この違いはいったい何なのだろうかと考えるのが大好きですから、結局、快速、急行、普通とたくさんのお客様に接しながら、朝から夕方まで乗ってしまうわけです。
私は芸能人ではありませんが、今日も何人かのお客様から、「一緒に写真を撮っていただけますか?」とお声をおかけいただき、写していただけました。
声をかけるというのはとても勇気がいることですから、その勇気を出してくれた人は、できるだけ「勇気を出してよかったな。」と思ってもらいたいというのも私の気持ちですから、皆様方の良い思い出になっていただければと思います。
さて、人間の習性という点で最近面白いなあと感じるのは、沿線で写真を写しているカメラマンの人たちの行動。
多分ずっと列車が来るのをカメラを構えて待っているのでしょうね。
当然アングルも考えて、先頭がここに来たらシャッターを切る、と決めて待っている。
そこへ列車が差し掛かると一斉にシャッターを切るのでしょうが、その次の行動が面白い。
たいてい皆さんはカメラのモニターを手のひらで影を作って反射を避けながら覗き込んで、今撮った画像のチェックをされている。
その横を、列車は通り過ぎていくわけです。
私は列車の中からそのカメラマンたちの姿を見ているわけですが、おそらく半分ぐらいの人がそうやって撮った写真を確認している。
だから、私が乗務員室の窓から手を振っても気付いてくれないのです。
私は、子供のころからの習性で、列車が走り去っていく姿を見えなくなるまで見ているという癖があるので、自分で写真やビデオを写しても、必ず列車が見えなくなるまで見送る。
高校生の頃など、毎日、自分の駅で降りた後、地下鉄を見送っていましたから、今でも走り去る列車というのにとても思い入れがあるし、実際に思い出にも残っている。
蒸気機関車など、向かってくる列車よりも走り去る列車の方が情緒があると思っているわけです。
でも、デジタルカメラが普及した今では、たいていのカメラマンの人たちは、今撮った画像の確認作業が先で、目の前を通り過ぎていく列車を見ていないわけですから、私はなんてもったいないのだろうかと思うわけです。
自分の経験からしても、走り去る列車の方が記憶としては鮮明に残るものだからです。
だから、そういうカメラマンの皆様に声を大にして言いたい。
「フレームの中ばかりにこだわっていると、大事なチャンスを見落とすよ。写真だけじゃないよ。人生もそうだよ。自分の枠だけで物事を考えちゃだめだよ。」って
だって、これは私が自分自身に対していつも問いかけていることなのですから。
そこで、本日の急行5号ではちょっといたずらをしてみました。
走り去る列車の後姿をきちんと見送っていた人だけが気付いた「いたずら」ですが、皆さんはお気づきになられましたでしょうか。
さあ、ゴールデンウィークもあと2日。
今、私の頭の中にあるのは、サービス業に勤務されていて、ゴールデンウィークに休めなかった皆様のためにキハをいつ走らせようか、ということ。
乗務員の手配がつくかどうか微妙ですが、車両オーナー、サポーターの皆様へは5月の平日にキハを走らせるご案内を近日中に行います。
平日ですからヘッドマークなし。
ゴールデンウィークにお仕事頑張った人たちにご褒美の企画です。
オーナー、サポーターの皆様、ご期待ください。

夕方の大多喜駅に到着した特急「夷隅」。


朝から夕方まで、第2五の町にはカメラマンがいました。
あれっ? あのバイク、見覚えが・・・
皆様、明日もよろしくお願いいたします。