昔、誰かのギャグで、「よっ! 大統領!」というのがありました。
得意になっている人をはやし立てる意味でつかわれていたのだと思いますが、この、「よっ! 大統領!」というフレーズが、まさしくその通りと感じられるのが韓国だと思います。
毎年、終戦の日の前後になると、新聞やニュースで「日韓関係」とか「日中関係」などという言葉が盛んに使われるようになります。
その度に私は、「またか」と思うとともに、「よっ! 大統領!」の言葉を思い出すのです。
韓国人のものの考え方や政治の進め方など、日本と同じ尺度では判断できない点がたくさんあるにもかかわらず、日本のマスコミは「過去の歴史において日本が悪者である。」という前提に立った報道ばかりで、「では、いつになったら戦後は解決するんだ。」という論点がありません。本当は何度も謝罪して、賠償を済ませていることについても、今さらのように言ってくる韓国や中国の真意を伝えていないと思います。
私は長年国際線で働いていましたし、韓国人や中国人にもたくさん友達がいますから、彼らがどう考えているか、私なりに経験したことを述べさせていただきたいと思います。
まず、韓国社会は、偉い人が威張っている社会です。
身分の低い人は、とにかく偉い人を敬って、立てなければいけない。
偉い人は、大声で怒鳴って、「俺は偉いんだ!」と主張し続ける。
私の知っている韓国は、20年以上前の韓国ですが、基本的には今も変わらないと思います。
会社に電話をかけて、「社長さんいらっしゃいますか?」とたずねると、韓国人は、
「私どもの社長様は今いらっしゃいません。」とか、「社長様は外出されていらっしゃいまして、本日はお戻りになられません。」と答えます。
日本でしたら、相手との会話の中で自分の会社の社長を「社長様」と呼ぶことはありませんから、「申し訳ございませんが、社長はただいま外出しております。」となりますが、韓国では、たとえ相手が別の会社の人や、お客様であったとしても、会話をしている本人よりも社長の方が上であれば、相手に対しても「社長様」と通すわけです。
日本語ではお客様の前で社長の話をするときには敬語で呼ぶことはありませんが、韓国では自分の身内の偉い人は、お客様の前であっても敬語を使います。
この点から見れば韓国では謙遜という文化があまり存在しないのです。
日本では、「実るほど、首を垂れる稲穂かな。」という句があるように、偉くなればなるほど、大人物になればなるほど、柔和で穏やかになるという文化がありますが、これとは正反対で、そっくり返った偉い人を周囲が一斉に持ち上げているのが韓国社会です。
だから、日本人から見ると韓国人はすぐ怒る感情激昂型が多いように見えますが、あれは「自分はお前より偉いんだ。」と主張している姿なのです。
次に、韓国では、そういう社会ですから、偉い人は世の中を好きなようにする傾向があります。
過去何代を見ても、韓国の大統領は、個人的な不正蓄財をしたり、自分やファミリーの富を増やしたりすることに熱心になっています。
全斗煥(チョンデュファン)氏や盧泰愚(ノテウ)氏など、歴代大統領経験者が退任後に逮捕され、死刑判決を受けたり投獄されたりするような、日本から見たら考えられない国です。(後に恩赦で罪が減免されています。)
その後にも大統領経験者が警察から追及されて自ら自分の命を絶ったりするなど、日本から見ると、とても不思議に見える国です。
そして、そういう国の代表者や政治のリーダーたちが、自分の政策がうまくいかなくなると必ず日本を引き合いに出してくるのです。
教科書問題や従軍慰安婦問題、領土問題など、何年かごとに、忘れたころに繰り返されるのはこのためで、事実、今回も李明博(イミョンバク)大統領は、自国内の政治政策が行き詰り、大して成果を上げていないことと、身内や取り巻きの中から不正に関係して逮捕者が出ているという八方ふさがりの中で、日本に対して「竹島は自分の国の領土だ。」と言ってみたり、「従軍慰安婦問題で天皇陛下は謝罪しろ。」と言ってみたりしているわけで、そうすることによって、韓国国民の世論は一斉に日本バッシングに向くわけで、日本を悪者に仕立て上げることで、政治の求心力というか、日本でいうところの内閣支持率が急上昇するわけです。
私の友達は皆そうですが、韓国人の中にもよくわかっている人たちがいて、自国の政府が都合が悪くなると日本問題を出してくる。それに国民や世論が毎度毎度乗っかって大騒ぎをして、実は大切なことから目を背かされているんだ、ということがわからないことを嘆いている人たちもいるわけですし、日本人の中にも、私のように、比較的よく韓国社会や文化を知っている人たちがいて、「あ~あ、またやっている。」と思っているのですが、そういう親日的な韓国人と親韓的な日本人の意見が全然出てこないのは、不思議だとしか言いようがないのです。
ちなみに北朝鮮では今回の大統領の竹島訪問を、「三文役者の茶番劇」と笑っているのです。
いずれにしても、ロシア大統領の北方領土上陸、韓国との竹島問題、中国が尖閣に出てくるなど、このところ相次いで日本の隣国たちが、日本に対してこういう態度に出てくるところを見ると、どう客観的に見ても日本は甘く見られている、バカにされていることは明白で、その原因は私たち国民の側にあるということは間違いないことなのですから、私たち国民はそこのところをよ~く考えなければいけないと思うのです。
(つづく)
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