岩国に到着した米軍の新型輸送機「オスプレイ」は、様々な議論を巻き起こしていますね。
運航上の安全性が確保されていないとか、日本政府の米国に対する姿勢はけしからんとか、いろいろ言われていますが、私はそういうことには興味がなくて、オスプレイという飛行機について感慨深いものがあります。
私が飛行機の訓練生だったころ、もう30年も前の話ですが、当時、VTOL機というのが開発されているということでわくわくしたものでした。
VTOL機とは VERTICAL TAKE OFF and LANDING 機で、垂直離着陸できる飛行機のこと。
垂直離着陸できる飛行機といえばヘリコプターですが、ヘリコプターでは航続距離が短く速度も出ません。
そこで考えられたのが、離着陸時だけヘリコプターになって、空に上がったら飛行機として高速で遠くまで飛べるVTOL機。
「そんなのができたらすごいなあ。操縦してみたいなあ」と思ったものです。
当時はイギリスのハリアーという戦闘機が試作段階で、オスプレイも試験中だったような記憶がありますが、このオスプレイの場合、プロペラのように見えるのがヘリコプターの回転翼で、これを回転させることで推力ではなく揚力を得て離陸し、上空で徐々に角度を変えて前進する推力に移行していくのだと思います。
つまり、操縦でいえばヘリモードと飛行機モードがあって、ヘリモードで上昇して速度が上がってきたら飛行機モードに変えるのだと思いますが、翼の大きさを見ると機体に比べてかなり小さめで、滑空性能は悪そうですし、モードの切り替えやローターの大きさからして、緊急時にヘリコプターの得意技であるオートローテーションが使えそうにありませんから、そこらへんが操縦が難しいと言われるところだと思います。
いずれにしても、私が若いころ、夢の飛行機と言われたVTOL機が実現したというのに、このような評価しか受けないのは非常に残念なことです。
まあ、何も今、普天間にこれを持ってくる必要もないと思いますが、こうやって1つ1つ突いてみて、日本人がどのような反応をし、日本政府がどうのような対応をするのかを、世界が観察しているということに、早く気が付いた方が良いと思います。
国民としては、とにかく声を出して言い続けることが大事です。
いくら土用の丑の日にウナギが高騰してるといっても、ドジョウのかば焼きは喰いたくないし、喰えないと言い続けなければ、気づいたら「さあ召し上がれ。」と目の前に出されていることになるのです。
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