Netで映画、新幹線大爆破を見ました。
おもしろかった!
マニアックな人たちは「あれは違う」とか「あそこは間違ってる」などと得意になってあら捜しをするネタになるんでしょうけど、私は素直に面白かったと思います。
娯楽作品ですから、それでいいと思うのですが、なぜ私がおもしろかったのかというと、実は50年前に同じタイトルで「新幹線大爆破」という映画があって、その映画の内容と関係があるからなんです。
つまり、50年前の「新幹線大爆破」を見ているから、今回の「新幹線大爆破」がより面白くなるわけで、これから今回の「新幹線大爆破」を見ようと思っている人は、その前にまず50年前の「新幹線大爆破」を見た方が、絶対におもしろいと思うのです。
お話の内容はほぼほぼ同じ構成で、言ってみれば人質を取って身代金を要求するタイプものなのですが、今回と前回では2つ大きな違いがあります。
まず1つ目は鉄道会社が撮影に協力をしているということです。
50年前の新幹線大爆破では、「そんな映画に協力することは出来すはずないじゃないか」ということで、当時の国鉄は協力しませんでした。
だから、新幹線の走行シーンや車内のシーンなどはほとんどが模型であったり、車内を模したセットの中で行われたようですが、今回は一部鉄道施設内で撮影されているようです。
国鉄が拒否したものをJRがなぜOKしたのかは不明ですが、今まではJRでも新幹線を使ったアクションものの撮影は基本的にはNGで、同形式の台湾新幹線で撮影したりしていましたが、今回は方針転換したのでしょうか。
その分、リアリティがありますから、マニアックな人も、そうでない人も楽しめると思います。
2つめは、人質を取った事件に対する取り組みの違いです。
50年前の作品では「人命最優先」ということで、犯人の要求を呑んででも、人質の命を助けるんだと言ってましたが、今回の作品では「テロリストには屈しない」という考え方が主眼になっています。
これは大きな時代の変化と言いますか、この50年でいろいろなことがあって、人々の考え方も変わってきているのでしょう。
もっとも、人質を取って立てこもる事件の典型的な例として、ハイジャックがありますが、1970年に発生した日本航空の「よど号事件」は日本初のハイジャック事件で、身代金の要求は無かったものの、犯人グループが当初の目的を達成できたことから、その後世界各地で同様の事件が発生していますが、そういうことが繰り返される中で、テロリストに対する考え方が変わってきたのかもしれませんね。
話の内容的には50年前の映画の方が濃くて、人間模様がおもしろかったと思いますが、今回の方がCGを使っているので、模型よりもリアリティがあって、昭和の時代のゴジラから現代のシンゴジラまで見てきている人間としては、どうしたって今回の作品の方がリアルで面白いとは思います。
これ以上言ってしまうとネタバラシになりますので、この辺にしておきましょうかね。
これから見る人は、ぜひ、50年前の「新幹線大爆破」を先にご覧になることをお勧めします。同じNetチャンネルで両方やってますから。
50年前当時、私は板橋に住んでいて、撮影は私のテリトリーで行われたのも、親しみを感じる理由かもしれませんが、ご覧になる方は素直な気持ちで画面に向かうことをお勧めいたします。
ていうか、50年前の映画の内容をしっかり覚えているって、60歳以上の人間でしょうけど、すでに少数派。
今回はそういう人間にとって久しぶりに楽しめた現代映画でした。
それにしても、高倉健が手に入れた身代金。
あれ、どうなっちゃんたんだろう。
そういう余韻を残すのが、いい映画なんだと私は思います。

断食月が明けたら東北新幹線に乗りに行こうかな。
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