オハシ、けいはん、夜行、オハシ、けいはん

オハシというのは食堂車の名前ですが、この2日間、土日は大忙しでした。

昨日の日中は食堂車「オハシ」。
そして「けいはん電車」の対応。
終了後一旦帰宅して仮眠後、夜8時に再出勤。
夜行列車のお客様のお世話で午前2時過ぎに帰宅。
再度仮眠して9時過ぎに出勤。
「けいはん電車」の対応をして、食堂車「オハシ」に乗務しました。

というのも、人手不足というのはもちろんなんですが、今日はお友達が3人乗りに来てくれたのもですから、久しぶりにお会いできるのを楽しみにしていたのです。

手に持っているのは地元のお酒です。
私が差し入れさせていただきました。

会社の人に、地元のお酒は何が良いでしょうかと尋ねたところ、このお酒が一番だと言われました。

人呼んで「おんな泣かせ」。

そう、私の友だちにはぴったりのお酒ですよね。(爆)

彼らは全国の観光列車を乗り歩いているスペシャリストですから、観光列車のサービスを見る目は人一倍厳しいので、友達と言えども緊張しましたが、どうやら合格点をいただけたようです。

それにしても今日も列車は混んでいました。

「けいはん電車」の企画は今週で終了となりましたが、「オハシ」には来週末の8・9日も2日間乗務いたします。
まだ数席お席が残っているようですので、ご希望の方は火曜日までにお申し込みください。

さてさて、夜行列車ですが、新金谷と家山駅の間を一晩行ったり来たり。3往復すれば朝になるという列車です。

昨日はテレビの取材クルーが2組も乗車していまして、ご乗車の皆様方のインタビューなどを撮影していましたが、夜行列車というのは行ったり来たりするだけでどこへも行かない列車で、硬い座席に一晩揺られるだけの商品です。
ご乗車代金はお一人19800円。
にもかかわらず5両編成が満席。
トータル130名のお客様にご乗車いただきました。

その取材のクルーの方が言われました。
「お客様を放っておくだけなんですよね。」

そうです。
いわゆる放置プレイではありませんが、夜行列車は食堂車「オハシ」のように私たちが乗り込んでお世話をすることは一切ありません。

1往復走って夜中の新金谷駅に戻ってきた時に「夜鳴き蕎麦タイム」としてカップラーメンをセルフサービスでお召し上がりいただくのですが、私たち職員が対応するのはその時間帯だけ。
あとはお客様が勝手に汽車の中でお楽しみいただくのです。

旧型客車のボックスシートに座って、汽車の汽笛を聞きながら揺れに任せて一晩過ごすという体験型商品なのです。

「どこにも行かない列車。しかも直角の硬い座席に乗ってるののどこが楽しいのでしょうか?」

そういう方も多くいらっしゃると思いますが、一言で申し上げると、「ごめんなさい。」なのであります。

そう、
「ごめんなさい。あなたはうちのお客様にはなれませんね。」
ということ。

これすなわちよく言われる「尖がった商品」ということですが、つまり、お客様ご自身でお価値を見出していただくことができるかどうか。
求められるのはお客様の方なのであります。

でもって、このところ月に1~2回運転してきていますが、とりあえず満席になるわけですから、こういう商品が世に受け入れられる時代であるということは間違いないでしょうね。

思い起こせば上野発の寝台特急がいよいよ廃止になるという時に、私は思ったのです。
どうして高崎か宇都宮まで行って帰ってくる2~3往復するような寝台列車を走らせないのかってね。

だってそうでしょう。
別に青森や札幌に行く用事はないけれど、寝台列車に乗ってみたいという需要はあるはずですから、毎週土曜日に走らせれば需要はあるはずだと私は思いました。

で、JRがやらないので、では私がやりましょうということでキハ2両で夜行列車を始めたのですが、寝台ではなくて座席夜行にもかかわらずこれがまあ大人気商品となりまして、その後、トキめき鉄道でも定番化して、今、大井川鐵道でもやっているわけですが、この間に全国各地で夜行列車企画というのが始まりました。

つまり、パクられたのであります。

でも、私は2つの理由からパクられることは大賛成です。

その1つ目は「行ったり来たりするだけの夜行列車」にチャレンジしていただいた会社の皆様方はお分かりいただけたと思いますが、それだけたくさんのお客様に喜んでいただいているということですから、言葉を変えれば世のため人のためになっているからです。

もう1つの理由は、こういう尖った商品というのは、実は企画が大変難しいものでありまして、よほど戦略と戦術を練らないと継続することが難しいからです。
だから、一時的にパクられたとしても全く問題はないと考えるのです。

こういう尖った商品というのはピンポイントで一本釣りするようにお客様を見つけなければなりません。
ということは、釣りに例えると、まずどこに魚がいるのかということを知らなければなりませんし、その魚をどうやったら釣りあげることができるかということを知らなければなりません。

こういうスキルが必要ですから、私は別にパクられたとしてもあまり気にしないのです。
それよりも、いろいろな鉄道会社が企画として夜行列車をやっていただくことで、若い人たちに汽車旅の面白さが伝わっていきますから、トータルに考えると鉄道の未来につながると考えるからなのであります。

ということで、私としては体はきつかったですが、実に楽しい2日間を過ごさせていただきました。

もうすでに春の観光シーズンは始まっています。

次の夜行列車はいつ頃になるかなあ。

ゴールデンウイーク明けごろにできたら良いでしょうか。

募集するとすぐに満席になりますから、私のブログか大井川鐵道のサイトをフォローして、常に情報収集してください。

さて、来週は百周年。

頑張っていきましょう!