雉が鳴いた朝

都内で会合がありまして、昨日は夜遅くに千葉の自宅に帰りました。

私の家のすぐ横は休耕田で、たぶんいろいろな動物が住んでいると思いますが、今朝は雉が鳴きました。

すると2秒ほど経ってから地震です。
ほとんど体に感じないくらいの地震でしたが、雉にはわかるのでしょう。
立て続けに雉が鳴いて、立て続けに地震が来ました。

あとひと月ほどすると、今度はカエルが大合唱を始めます。
東京の商店街出身の私としては、雉が鳴いたりカエルが鳴いたりするのがとても楽しくて、毎年春が待ち遠しく思います。
カエルの場合はゲコゲコと大合唱をするのですが、最初は数匹から。
「おっ、今年も鳴き始めたな」
と思っていると数日で大合唱。
最初のうちはうるさいほど鳴いているんですが、そのうちに気にならなくなります。

耳が慣れてくるんですね。
鳴いてるんですけど、聞こえなくなるのです。

でも、ある時、鳴いているカエルが一斉に鳴きやみました。
聞こえなかったカエルの鳴き声ですが、鳴きやむと「おや?」って思うものです。

すると、数秒後に地震が来ました。

カエルがピタっと鳴きやんだら地震です。
雉の場合は、鳴いたら地震です。

何だかよくわかりませんが、彼らには人間にはない研ぎ澄まされた感覚があるのでしょう。

千葉県の人間は地震には慣れっこになっていますが、あまり気持ち良いものではありませんね。

地震は怖いけど、それよりも怖いのが津波などの2次災害と、ライフラインの供給ストップです。
田舎の家なら井戸が掘ってあって、プロパンガスですから、あとは発電機でもあればとりあえずライフラインが止まっても大丈夫だなあ。

国吉の吉田さんのことを思い出しながら、カミさんとそんな会話。

さて、出かける準備をするか。

洗面所へ行って電気カミソリのスイッチを入れたら動いた!
実はうちの電気カミソリ調子が悪くて、動かない時が多い。
そろそろ買い替えなければと思いつつも、まあ、今のところ使う頻度も少ないし、上越の家で使ってるのがあるから2つあってもしょうがない。
「おっ、動いた!」
ということで、ひげを剃り始めました。

でもって、ちょうど半分ぐらい剃り終えたところで、ピッと言って電気カミソリが止まってしまったのです。

うんともすんとも言わなくなった。

「困ったなあ、止まってしまった。」

ちょうど左側だけ剃って、右側を剃り残している感じ。

すでにワイシャツを着てネクタイを締めています。
約束の時間があるので、今からシェービングクリームを使ってカミソリで剃るわけにもいかず。

「う~ん、どうしようか」

まぁ、ボウボウに伸びていたわけではなくて、毎朝剃っていますから、半分残っていると言っても大したことはないのですが。

すると、カミさんが寄ってきて、

「左側を見せるようにして歩けばいいんじゃない?」

「えっ? 左側を?」

「そう、フリオイグレシアスみたいにすればいいのよ。」

フリオイグレシアスというのは、40年ぐらい前に大人気になったスペインの歌手。
甘い歌声とハンサムなマスクで、日本の女性を虜にしたおじさんですが、そのフリオは必ず決まった方からしか写真を撮らせないことで有名でした。

確か、右側からしか撮らせないのです。
なぜかは知りませんが。

そのフリオイグレシアスと同じように、ひげ剃った左側だけ見せるようにすればいいのよ、というカミさん。

つーことは、電車に乗るときも歩くときも斜め右を向いて歩けということか。

なんとテキトーな女だなあ。

と、あきれた。

ていうか、いきなりフリオイグレシアスの名前がよく出てきたもんだ。
やっぱりカミさんも老化現象が進んでるらしい。
昔のことがすぐ出てくるのだから。

ということで、私の帰りの新幹線の座席はA席。
右側は窓なので他の乗客から見たら私の左側しか見えないのである。

よし、じゃあ帰ろう。

都内でランチミーティングをしたけど、たぶん気づかれなかったかな。
で、新幹線に乗ってすぐに爆睡。
大宮到着が記憶になく、気づいたら飯山だった。

「やば~」
また糸魚川まで連れていかれるところだった。

千葉では群発地震が発生していますが、私はすでに上越に戻っています。

千葉県の皆様、どうぞお気を付けください。
とはいえ、全国的に地震が続いてますので、気は抜けませんね。
こちらもやばそうだから。

フリオイグレシアスを知らない皆様、
こちらをどうぞ。(音が出ますのでご注意を)

フリオイグレシアス「ビギン・ザ・ビギン」