先日ご紹介いたしました小田急の古い電車のクラウドファンディングをやっている松葉さんという私の友人は、年齢が私の一つ上です。
▲国吉駅の松葉さん すっかり国鉄職員
北海道の日本旅行を勤め上げ、今でもローカル鉄道の活性化に取り組んで大学で教鞭をとっている永山さんも私より一つ上。
▲北海道庁で会議を終えた後 一番左が永山さん、隣が大熊さん、そして私のお隣があの有名な矢野直美さん。(ちょうど4年前の2019年3月13日)
私は1つ年上のこの2人をずっとうらやましいと思ってきました。
なぜなら、彼らは昭和50年(1975年)に高校1年生で、私は同じ時に中学3年生だったからです。
この違いは実はとても大きいのです。
何が大きいかと言うと、昭和50年というのは国鉄の路線から蒸気機関車が消えた年でありまして、その時受験が終わって晴れて高校1年生になった彼らは、春休み、夏休みと青函連絡船で北海道に渡って、あるいは九州へ行って最後の蒸気機関車の写真を撮ったり乗ったりすることができたのですが、1年遅れの私は悲しい受験生ということで、とてもじゃないけど汽車旅なんてしている時間はなく、汽車に乗りに行きたいなどとは親に対して口に出すこともできませんでした。
まして松葉さんも永山さんも早生まれですからね。
私は6月生まれ。
わずか数か月しか違わないわけで、今、会って話をすると、「あぁ、この人たちは最後の年の蒸気機関車を思う存分楽しむことができた人たちなんだ。」と、50年近く前の自分が置かれていた立場を思い出して悔しさがこみあげてくるのです。
そして、高校受験が終わり、昭和51年の春を迎えたときには蒸気機関車は国鉄線上にはすでになく、放心状態だったのであります。
つまり、蒸機ロスというヤツですね。
諸行無常ということをわずか15歳でいやというほど思い知ったのです。
で、私はどうしたのかと言うと、蒸気機関車の後ろに連結されて走っていた旧型客車に目を向けたのです。
次に無くなるのはこれだ!
今のうちにやっておかなければならないことはこれなんだ、とね。
当時はまだ上野からも東京からも新宿からも旧型客車の列車が走っていて、そういう列車に片っ端から乗りに行きました。
そして、田舎の駅で跨線橋が煤けているのを見つけては、「去年までここに蒸気機関車が走っていたんだ。」などと当時に思いを馳せる懐古趣味的青春時代を送る根暗な高校生になっていたのであります。
函館本線山線の普通列車で旅をする私(左)と同級生の木村君 1977年
勇払原野を走る室蘭本線の普通列車。
1~2年前まではC57が引いていた225列車。
函館駅に進入する急行「ニセコ」。
とまあ、こうしてくすぶり続けたのですが、今思えば旧型客車の旅というのはこの時代じゃなければできなかったわけだし、高校時代から25~6歳ごろまで10年間ぐらいさんざん乗って、いろいろな思い出を作ることができたのも私なりの青春だったのではないかと思うのであります。
そして、そういう私の所にいただいたお話がオヤ31なのですから、これは有り難いお話しで、私としては涙が出るほどうれしいのであります。
だって、こんなシーンを皆様方にご覧いただくことができるのですから。
ということで、レールパークは18日開園です。
おいらん車の内部見学は準備の関係で4月1・2日を予定しています。
その他にもオンラインサロンの読者の皆様へは次に到着する保存車両のご案内をしておりますが、この春は楽しくなりますよ。
でも、私、思うんですよ。
歴史に「もしも」は禁物ですが、もし私が1年早く生まれているか、または国鉄線上から蒸気機関車が消えるのが1年遅かったとしたら、私の青春はくすぶることなく完全燃焼していて、そうしたら私の性格を考えると、きっと吹っ切れていただろうし、だとしたらローカル鉄道を立て直そうとか考えなかったかもしれませんし、D51もおいらんもこうして出会うこともなく、日本のローカル鉄道は当時蒸気機関車が消えて行ったように、順番に粛々と整理されていったのではないか、と。
だとすれば、若いころ、思うようにいかずにくすぶる時期があったとしても、それをバネにすることができれば、人生はまんざらではないのではないか。
今、きっとこの時間も、電車に乗りに行きたいのに行けないとかで、悶々としてくすぶっている若い人たちはいるでしょうけど、そういう人たちは、それはそれでよい人生が待っているだろうということは、私は可能性としては確かだと思いますよ。
いい年こいたおっさんになって、「俺にはチャンスが来ない」とか「あいつは恵まれている」とか言ってくすぶってるのはどうかとは思いますが。
少年よ、明るい未来を信じて、夢と希望を持って前を向いて行きましょう。
悩んだらレールパークにおいで。
Boys, be ambitious
今日はトキ鉄開業8周年記念日。
明るい未来を信じて進むのだ!
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