しばらく前からうわさされてはいましたが、大韓航空とアシアナ航空が統合されるというニュースが飛び込んできました。
驚く半面、やっぱりなあという感じです。
私が大韓航空にお世話になっていたのは20代後半の時ですからかれこれ30年以上も前ですが、その時にアシアナ航空が誕生しました。
韓国に新しい航空会社ができるということで、社内は浮足立っていました。
というのも、当時の大韓航空は給与面などの待遇があまりよくありませんでしたから、新しい会社ができるならそちらへ横滑りしようという話が社内で持ちきりになっていたのです。
会社も、辞められては困るからと、待遇改善に乗り出します。
東京支店の韓国人幹部がソウル本社から帰ってきて、「私は皆さんに良い話を持ってきました。」と胸を張って言うものですから、何かと思ったら「来月から給料を20パーセントUPします。」ということ。
今ならそんな話は逆立ちしてもありませんが、当時はバブルの真っ最中ですから、別に珍しい話ではありません。
そのぐらい給料をUPしなければ、皆会社を辞めてアシアナ航空に行ってしまうだろうという会社の危機感のあらわれです。
それを聞いて会社の中堅社員の先輩たちは皆色めき立ちました。
ウエルカムではありません。
ふざけるな!です。
当時の30代40代の人たちは、まだ学生運動の香りが残っている人たちが多くいましたから、「いきなり20%もUPできるなんて、今までどれだけ安い給料で使われてきたんだ!」という会社に対する怒りです。
確かにそうですね。
でも、ふざけるな!と腹を立てたのは30代以上の中堅社員だけじゃなくて、私たちもそうでした。
なぜなら、給料を20%UPするという話は経験10年以上の、いわば、会社を支えている先輩たちだけの話で、20代の私たちは対象外ということでしたから。
会社という所はそういうもんだ、ということを学んだ瞬間でした。
結局、引き抜かれた人もいれば自分から移った人もいて、アシアナ航空という会社は大韓航空を辞めた職員の寄せ集めのような所帯でスタートしました。
しばらくすると、引き抜かれてアシアナ航空に移った人たちと、自分から大韓航空を辞めてアシアナへ行った人たちとで、処遇が全然違っているのに気が付きましたが、まぁ、会社という所はそういう所だと、またまたお勉強させていただきました。
ということで、あれから30数年が経過してアシアナ航空が大韓航空に統合されることになるようですが、当時の先輩たちはすでに皆様退職されている年齢になっていますから、問題ないでしょうかね。
もし10年程度で統合なんて話になったら、戻ってこれたのかなあ、などと考えてしまうのは老婆心というやつですかね。
実際のところは、現場同士は仲良くて、いろいろヘルプしあっていましたし、その後数年で同じように大韓航空を辞めて他の会社へ転籍した私に対しても、どちらの会社の皆さんも仲良くお付き合いしていただきましたので、ありがたい思い出ばかりです。
さてさて、この統合劇、ソフトランディングとなりますでしょうか。
落花生のお姉さんが出てこないことを祈ります。
おっとっと・・・
はい、お上手!
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