だんだん深刻化してきました。

新型コロナウイルスの話です。

毎日毎日数字が増えてきています。

200人乗った飛行機が到着したら10人が症状を訴えている。
真正かどうかは別問題ですが、すごい数字だと思います。

去年、おととしと私はBCPについて日本の会社への浸透を訴えてきています。
BCPとは Business Contiunity Plan
つまり、業務継続計画。

予期せぬ事態が発生した時に、どうやって業務を継続していくかということ。
台風や大雪が予想される場合、あらかじめ列車の運行を減らしたり運休したりという手順を計画しておくことで、社内外の混乱をできるだけ防ぐということです。

JRはまったくこのBCPについての認識がありませんでしたので、台風や大雪の予報が出ている時に「〇〇時から運休します。」と一方的に宣言して社会に大きな混乱をもたらしたのをご記憶の方も多いと思います。

もう10年以上も前の話ですが、私は航空会社勤務時代にこのBCPの担当者でしたので、世界的なスタンダードになって来ているBCPについて、ある程度の知識を持ち合わせていると考えていますが、そのBCPの中に、台風や大雪以外に業務が継続ができなくなる可能性がある事象として「Pandemic Flu」というのがあります。

急激に拡散するインフルエンザのような病原体が発生した場合ということですが、今回の新型コロナウイルスはまさしくこの「Pandemic Flu」に当たります。

そう思って私は先週各職場にBCPについて手順を考えるようにという指示を出しました。

ところが、JR出身者も県の出身者も「BCPって何?」というところから始まっていますので、まずは理解するところから始めなければなりませんから、一般的な日本の会社では今回の急速な拡散には付いていけない状況だと思います。

鉄道会社はEP(緊急事態対応)はきちんと訓練されていますが、BCPというのはその言葉さえ聞いたことがない状況というのが正直なところです。
それはそれで、日本人にはなじみのないことですから仕方ないこととはいえ、やはり、これからはきちんと対応していかなければならないと考えています。

ただ、私が気になるのは「中国人を見たら新型コロナと思え」的な思想が日本全国ですでに見られるようになって来ていること。
報道の影響もあると思いますが、中国人ばかりでなく、中国から帰国した日本人に対しても、そういう風評が発生しかねないこと。
なぜそういうことが起こるのかというと、日本人にはまだまだBCPという考え方が根付いていないからだと私は考えています。

救援機の飛行機代8万円を本人に払わせるか、それとも国が負担するかなどということが国会で議論されること自体、この国の緊急事態に対するお寒い状況が見えてきます。

中国のことは対岸の火事では済まされないことが今回のことでよくわかったと思いますが、想定外では済まされないということを、国の対応の責任にするのではなく、私たち皆がきちんと考えなければならないということが、すなわちBCPなのであります。

日本人はもっともっと成長しなければならないのではないかと私は考えています。

今後この事態がどうなっていくかはわかりませんが、風評に踊らされないようにすることも私たちにとって大事なことではないでしょうか。

皆様、安寧な週末をお過ごしください。