今日は秋田県鹿角(かづの)市です

昨日は小坂鉄道レールパークを訪ねたとお伝えいたしましたが、今日は秋田県鹿角市です。

昨年の夏に水害で線路が被害を受けて一部区間で運転を休止していたJR花輪線が、昨日全線で運転再開ということで、運転再開日の昨日、花輪線を盛岡から大館まで乗り通しました。

東北のローカル各線は私の好きな路線で、特に花輪線は見所豊富で乗車時間も長く、お気に入りの路線ですので、運転再開の報を聞いて「乗り鉄」しました。

花輪線というと、私の場合は龍が森のハチロク三重連には間に合いませんでしたが、中学生の時に大山東映で見た山田洋次監督の映画「同胞(はらから)」の舞台として登場する岩手県の農村が印象的で、岩手松尾駅(今の松尾八幡平)に主人公の倍賞千恵子が降り立つシーンなどが今でも頭に浮かびます。

駅舎は小さくなってしまいましたが、この駅前に発着する岩手県北自動車のボンネットバスがなんともまあいい雰囲気を出していました。

線路と並行する道路は主人公が町を離れる時に地元の青年団の連中が車で並走して追いかけたところ。

こんな見方ができると、何の変哲もない草生した線路も引き立って見えてくるから不思議です。

松尾八幡平を出ると平野が尽きて山登りが始まります。
ここから次の安比高原までの区間は千分の33.3の急勾配区間。
私の世代では間に合わなかった花輪線のハチロク三重連が息を切らせながら登った区間です。
当時訪ねた皆様方は、もう一度思い出に浸るのもよいかもしれませんよ。

安比高原駅は今ではホーム一面のこんな小さな駅。
ここがかつての龍が森です。
でも、JRではこんな小さな駅になっていますが、安比自体は中国資本で開発が進んでいるようで、大館能代空港から直行バスが出ているというから驚きですね。

荒屋新町の駅には今でもこんなものが残っています。
使えそうでしょう。

沿線の新緑を見ながら鹿角花輪駅に到着。
鹿角花輪はかつての駅名が陸中花輪。
秋田県なのに陸中なんて不思議ですが、旧南部藩なので陸中なのです。

5月13日まではここから大館の区間が運休でバス代行していましたが、昨日14日から運転再開されましたので、引き続き列車に乗車です。

十和田南駅でスイッチバックすると水害の被害から復旧した区間。
この川の水流にえぐられて線路が流されたのですが、復旧して良かったですね。

終点の大館まで約3時間の旅を楽しみました。
このあと私は小坂へ向かったのですが、今日は鹿角市役所を訪ねて市長さんにお話しをお伺いいたしました。

鹿角市の関市長さんです。
農水省のご出身で全国の地域を見て来られた方ですから、鉄道が持つ役割というのを熟知されていて、花輪線の大切さを力説されていらっしゃいました。

手に持っているのは雪月花のパンフレット。
「来年は雪月花を花輪線で走らせませんか?」
と、強力に営業プッシュさせていただきました。(うっそ~)

その後、ちょこっとだけお仕事をさせていただきましたが(実はこのために来ているのであって、遊んでいるわけではありません)、花輪線沿線で感じたのは秋田県と岩手県がしっかりとタッグを組んでいるということ。
鉄道は地域を結ぶものですから、お互いに自分事として取り組んでいる姿勢が未来を作っていくんだということが、はっきり見えたのであります。

関係者の皆様、本日はありがとうございました。

▼昭和50年の映画「同胞」はこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=qxnFqq5KIXQ