どこかへ行きたい症候群

せっかくGO to Travel キャンペーンをやってくれているのに東京の人は対象外。
まして7月からコロナの再発で入っていた予約も皆キャンセル。

田舎の観光業が大打撃です。

観光業だけではありませんよ。
交通機関もみんなダメ。
新幹線も飛行機も、このままで行ったら遅かれ早かれみんな立ちいかなくなる。

そんなことも視野に入ってきました。

きょうJRから発表があったのは、来年3月のダイヤ改正での首都圏の最終電車の繰り上げ。

4月から旅客の急減が始まっているのに、なんでそんなこと来年の3月にならないとできないの?
8月からでも10月からでもできるでしょう。

飛行機業界出身の私にとっては不思議でしょうがありませんが、これは図体がでかくて身動きとれないとかいうことではなくて、コロナが続いていようが消えていようが、そんなことは関係なく、この際だから今までやりたかったけどできなかったことをやっちゃいましょう的な業務縮小計画。

つまり、採算が合わなかったり、面倒くさかったり、やりたくないなあと思っていたことは、この際だからコロナを理由にやっちゃいましょうということに私は思えますが。残念なことに我々のような地域鉄道にはそんなにドライにスパッ!ということはなかなかできません。
ていうか、発想がありません。

でも、もう、背に腹は代えられないのでしょうね。

そういう厳しい状況にあるのが交通業界でありますが、そんな中、どこにも行かない飛行機が飛んだんです。

成田発、成田行。

成田空港を離陸して3~4時間飛行して成田空港に戻ってくる飛行機。

全日空のA380を使ったローカルフライトです。

そう、ローカル線ならぬローカルフライト。

訓練の時なんかみんなそうなんですが、離陸した後、しばらく飛んで出発空港に戻ってくるフライトをローカルフライトと呼びますが、全日空が訓練でもないのに超大型機を使用したローカルフライト。
それもお客様を乗せて。

機内ではきちんとお食事などのサービスを提供して、気分も高まります。

実施したのが8月22日。
実は面白そうなので私も申し込んだのですが、なんと倍率150倍ということで抽選に漏れました。あたりまえか。

でもって、好評なので今度は9月20日にもう一度飛ぶそうです。

ANA Honu チャーターフライト

すでに申し込みは終わっているようですが、おひとり様3万円とか5万円の料金をいただいて抽選ですから、なかなか良い商売でしょう。
どうせ飛行機も乗務員も暇で仕事がないわけだし。

私は今回は申し込みませんでしたよ。

でも、同じようなことを日本航空でもやるようです。

つまりどういうことか。

どこかに行きたいという人がたくさんいるということでしょう。

飛行機に乗ってどこかへ行きたい。
でも、行きたい旅行先からは「東京の人間は来るな!」と言われるわけですから、こんなに失礼なことはありませんよね。

その隙間を埋めるような旅行商品がこれです。

チャーター扱いで、ぐるっと回って帰ってくれば、入国で隔離されることもなく、嫌われてるところに頭を下げていくこともなく、とりあえず離陸して、機内食食べて、帰ってくるだけでも、どこかへ行きたい症候群はなんとなく収まるのではないでしょうか。

実は私の友人が抽選に当たってこの飛行機に乗ったようです。
お客様同士の距離を開けるために通路側しか配置しなかったようですが。

こんな感じで飛んだようです。

でも、良いじゃないですか。

飛行機乗って、機内サービスを受けて。

日本航空も計画しているようですが、もっとやれ!どんどんやれ!

以前運転したトキ鉄の夜行列車なんかも発想は全くこれと同じ。
つまりどこにも行かないわけ。

夜、直江津を出て、朝、直江津に戻ってくる列車ですから。

JRはもうこういうこともできなくなっているんですよ。
いや、やらないだけかもしれませんが、航空会社はすでにやってるんです。
「困ったなあ。」と言うからには、何かやらないとね。

頑張ってるんだって評価されるようにならないと。

そうだ。
また、夜行列車やろうかな。
新潟県民限定の列車と、東京の方いらっしゃい列車。

東京から新幹線で来て、トキ鉄の夜行列車で一晩過ごして、朝になったら新幹線で東京に帰っていく。
ローカルフライトならぬローカルトレイン。

とにかくどこかへ行きたい皆様方に向けて、この秋から冬にかけては、そんな旅行商品もよいかもしれませんね。

ちなみに、新潟県は都会の人は来るな! などと失礼なことは申し上げておりません。

ご自身でご配慮いただき、ご判断いただければよいと思います。

大人なんですからね。