おととい、東武博物館で開催された地域鉄道フォーラムの席上で、某鉄道会社の関係者の方から声を掛けられました。
その方とは以前にもお会いしたことがありまして、実は上越の新井のご出身なのです。
で、私の顔を見るなり、こう言われました。
「社長が変わって、455が塗色変更されてとても残念です。社長が変わっちゃうと仕方ないのでしょうか。」
まぁ、そういうことだと思いますが、ではなぜ電車の色を塗り替えるのかということですが、それはお客様に乗りに来ていただくためです。
平井社長は私のことが大嫌いで、鳥塚がやってきたことは全部やめてやる!
そんなことを考えているわけないじゃないですか。
会社ですから事業計画というのがあって、その事業計画は何かというと、お金を稼いで赤字を減らし、第3セクターの場合は補助金をどうやって減らしていくか。
株式会社を名乗る以上はこれが最大の目的です。
そうしないと会社が維持できなくなります。
でも、赤字を減らすことに夢中になっていると人件費を上げることができません。
そうなると優秀な社員が皆辞めてしまいます。
それじゃあ会社が維持できませんから、社員の待遇改善もしなければなりません。
そのためには売上を上げる。つまり業績を伸ばさなければなりません。
その数値目標として、2024年の春の段階で向こう10年間の計画ができました。
これが経営計画です。
5年ごとに中期経営計画。
10年単位だと長期経営計画。
この年に何両の電車が検査に入る。
そのためにどれだけの資金が必要になる。
そのためにはいくら稼がなければならない。
これが事業計画です。
こういうことを考えて計画を作り、それを達成するのが社長の仕事です。
ということは、電車の色を塗り替えるということは、当然ですが経営計画で定められた数字を達成するための事業計画の一つでありますから、電車の色を塗り替えたのはそういう目論見があってのことなのです。
ただ何となく新しい色の方がいいから、というような話ではありません。
ということはどういうことかというと、国鉄の交直両用急行色で5年近く走らせてきましたので、おそらくその需要は終了したのではないか。
そういう判断があったと思います。
いつまでも国鉄ではないということかもしれません。
何しろJRになってから40年ですからね。
10年ひと昔と言われますが、それが4回もめぐってきているのですから、国鉄は大昔の話で、いつまでも国鉄じゃないよという経営判断があっての色の塗り替えだと私は考えます。
なぜならば、かく言う私も「いつまでも国鉄じゃないだろうな」と考えている張本人で、何しろ黒い蒸気機関車を緑色に塗ってしまったのですから、455が白くなったぐらいで驚いてはいけないのです。
国鉄を愛する皆様方から散々に言われましたが、ではなぜ緑色に塗り替えたのかというと、より多くのお客様に乗っていただいてお金を払っていただき、会社の経営状態を改善して会社を維持し、職員の雇用と生活を守るためであって、そうすることで株主に利益を提供するのが私の仕事ですから、そういう事業計画を作ったのです。

今日の午後の新金谷駅ホームです。
向こう側のホームにパーシーの列車が到着し、手前側のホームからトーマスが発車していきます。
ホームにいるお客様は、今パーシーから降りてきた方々です。

トーマスが発車していった後のホームです。
6月中旬のシーズンオフ。しかも平日。
にもかかわらず、これだけたくさんのお客様にご乗車いただきました。
黒いSLではこれだけの集客力はありません。
これが事実であり現実なのです。
そして、経営というのは現実を見極めなければできないのです。
ではこれからどうするか。
この事業計画を成功させて会社の業績が良くなれば、できるだけ早い時期に今整備中のC56を復活できるようになります。
そうすれば昭和の黒いSLの復活になります。
こういう中期計画が私の頭の中にはあるわけでして、そのためにはまずはきちんとお客様を増やして会社に入るお金を増やさなければ、黒いSLどころか、会社そのものを存続させることが困難になるのです。
これが経営者としての考えですから、私は国鉄大好きの昭和の鉄道少年のなれの果てのお爺さんたちから莫迦だのなんだのと言われても、「はいそうですか。では黒いSLを続けます。」とは言えないのであります。
そして、このことは井川線も全く同じなのです。
赤字の垂れ流しを放置することは健全な経営とは言えませんし、それではいずれ立ちいかなくなるのは目に見えています。
それよりも、収益構造を見直してきちんと利益が出る体質に改善して、職員の待遇改善をして会社を維持存続し、株主に投資に見合う利益を還元することが私の仕事ですから、そのための事業計画を立てて、1つずつ実行していくことが社長の役割なのです。

今日の午後、今シーズン最後のパーシーが発車していきました。
これでパーシーはしばらくソドー島に帰ります。
戻ってくるのは10月の中旬ごろになると思います。
皆さんどうぞお楽しみに。
ということで、トキ鉄の455・413も新しい時代に入りましたが、お弁当の予約サービスや直江津駅ホームでのビアガーデンなども始まっています。
私の時にはやりたくてもできなかったことを、平井社長さんが次々と実現してくれているようですので、昭和の国鉄少年だった皆様も、北陸色の国鉄形電車にぜひ乗りに行ってくださいね。
時代とともにいろいろと商品を変えていくというのが商売の原則ですから、大井川鐵道もトキめき鉄道も、一生懸命に頑張っているのであります。
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