コロナの自粛で売り上げが減少。
会社やお店が存続できないことが全世界で社会問題になっています。
観光客が来なくなって、春の観光シーズンやゴールデンウィーク向けに仕入れたお菓子が在庫になって、そのうち賞味期限が来ちゃうから何とかしなければならない。
ということで4月に入った頃銚子電鉄が悲鳴を上げていましたので、皆に声をかけて購入しましたが、結構な販売額だったそうで、ひと息はつけませんが何とか廃棄だけは避けられたらしい。
なにしろトキ鉄の数か月分の通販売り上げを2~3週間で達成しちゃったんですから、これって尊敬ものです。
「すごいですね。」
と申し上げたら、「いえいえ、何しろ仕入れがありますから大変なんです。」と竹本社長。
まあ、そりゃそうだ。
商売というものは、まずは売るものを仕入れて、それに適正な利潤を乗せてお客様にお届けするものですから、まずタネ銭が必要で、その貴重なタネ銭を使って商品を揃えても、今回のようにお客様が来なかったら無駄になってしまうのです。
だから難しい。
そしてその難しさがいわゆるリスクというやつですから、そのリスクの代金として利潤を乗せています。
ということは、リスクが大きい商品ほど利潤が大きいともいえるわけで、じゃあ、リスクが大きい商品とは何かと言うと、あまり売れない商品ということになります。
その反対でよく売れる商品というのは利潤が低いという原則がありまして、スーパーマーケットなどはたくさんのお客様がいらっしゃいますが、売り上げは大きい割には仕入れも大きいですから、その道のプロは良いとして、鉄道会社のような商売の素人が増収のために手を出すものではありません。
そんなことが私は商売の原則の一つだと思っているものですから、銚子電鉄さんが困っているのを見て、「仕入れが要らない商品を作ればよいんですよ。」とアドバイスしました。
竹本社長さんをはじめ銚子電鉄の皆様方は多分「?????」だったと思います。
何しろ、商売というのは商品を仕入れて初めて売ることができるわけで、仕入れがないということは売るものがないということなのです。
じゃあ、どうするんだ?
う~ん。
仕入れが要らないものでしょ?
だったら、そこら辺の石ころでも拾って売るしかないでしょう。
「線路の石ころを送ってください。こちらで商品にしますよ。」
竹本社長さんはピン!と来たんでしょうね。
数日後にトキ鉄にたくさんの線路の石が届きました。
驚いたのはうちのスタッフ。
「社長。何か重いものがたくさん届いていますが。」
そりゃそうですよね。
私はひと言。
「缶詰作るの!」
「えっ? 缶詰ですか?」
私が考えている商品は万人受けするものではありませんから、スタッフにいちいち細かな説明はしません。石ころが届いて「缶詰にする」と言い出したら、理解不能を通り越して「気でも狂ったか?」と思われるのがオチですからね。
さっそく社長室のデスクの上でこんなことをやって、石を選別して商品化決定!
なにしろ仕入れのためのタネ銭が要りません。
賞味期限も関係ありませんから。
「おい、石を拾いに行くぞ。」
もちろん私もスタッフに声をかけて。
「何か知らないけど、社長が石を拾うって言うから・・・」
スタッフも半信半疑ですが、一応本線の使用している線路ですから社長一人で行かせるわけにもいかず、スキルのある専門スタッフが同行。
石を拾っている最中にもこうやって電車が来たりして。
(実はここはスイッチバックの引き上げ線。電車はあの位置で停車して戻って行くので危険ではありませんが、立ち入り禁止区域ですから社長といえども勝手には行けないのであります。)
でもって証拠写真。
「はい、私が拾いました。」
でもって、さっそく作業開始。
作業に付き合わされたのは幹部職員です。
何しろ幹部職員ならば本来の仕事は夕方5時以降にやればよいわけで、残業手当も払いませんから、つまりは人件費も計算外。
当たり前でしょう。
幹部なんだから時間で帰れるなんてサラリーマン根性はあってはならないこと。
つまり、ブラック社長の指示による汗と涙の缶詰作業なのであります。
でも、本人たちは楽しそうでしたね。
もちろん私もやりますよ。
私はすべて自分でやる前提で物事を考えていますから。
「俺は社長だ。手を動かすのはお前たちだ!」的な人はローカル線のような小さな会社の社長には向きません。
(食品加工場をお借りしての作業なので帽子をかぶって作業しています。)
はい、できました!
トキ鉄、銚子電鉄、天竜浜名湖鉄道の3社の線路の石の缶詰です。
銚子電鉄と天竜浜名湖鉄道の採取地証拠写真。
仲良しの天竜浜名湖鉄道の長谷川社長さんです。
銚子電鉄の竹本社長さんだけじゃないんですよね。
この時期に必死な社長さんは。
何しろ仕入れ原価ゼロですから。
銚子電鉄、天竜浜名湖鉄道、えちごトキめき鉄道の3社コラボ商品。
3個セットで1500円。
6月5日販売開始。(オンラインのみの商品です。)
どうやって売るんですか?
誰が買うんですか?
そういう戦略についてのご質問はトキ鉄社長室まで取材をお申し込みください。
マスコミの皆様方のみお受けいたしますが、記者会見は開きません。
特別なプレスリリースも致しません。
「石ころ売ってどうするんだ?」
どうせバカだと思われるのがオチですからね。
なぜなら、この商品は夢を買う商品だからです。
わからない人にはわからないのです。
でも、良いんです。
限定250セットだけですから。
とにかくなりふり構わずモノを売る!
売るものがなければ夢を売れ!
ただし、念のためにお断りいたしておきますが、この商品は食べられません。
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