台湾新幹線のドラマ

先週から見ています。
私の友達も皆見ていると思います。

ドラマの内容(特にラブストーリーの部分など)はあまり関心はありませんが、日本のドラマで台湾の日常生活がこれだけでてくるのはうれしいですし、ちょうど新幹線ができるかどうかの時期ですから、懐かしいなあと。

というのも私が初めて台湾へ行ったのは2000年代初頭で、すでに40になっていましたから、それほど早いデビューではありませんでした。
韓国には20代のころから行ってましたが、台湾は仕事で出かけて、その後、御縁をいただいて鉄道に係わらせていただくようになってからまだ20年経たないのです。
ちょうどそのころ、台湾新幹線の工事中で、あちらこちらに「今度新幹線ができます。」的な掲示があったのを覚えていますから、今回のドラマの時代ですね。

今回のドラマでも登場人物のお爺さんが台湾生まれで台北高校(台湾で一番秀才が集まっていた旧制高校)を卒業されたという設定ですが、私たちの世代は、親の年代には台湾出身の方は結構いらっしゃいました。

私の小学校の先生も台湾の高雄市生まれだと言っていましたが、当時30代以上の世の中の大人には台湾出身の方がたくさんいらっしゃいました。
50年も前の話ですから、当時の30代と言っても皆さんすでに80代以上でしょう。だんだんと少数派になって来ていて、ちょっとさみしい気がしますが、私の母の仲良しのおばさんも台湾出身で、子供のころ水餃子なるものを作って食べさせてもらった記憶がありますが、すでに鬼籍に入られていらっしゃいます。

このドラマの主人公のお爺さんも、20年近く前の設定で台北高校御出身という設定ですから、今の時代でしたらもうお話をお伺いすることもできないと思いますが、ちょうど私が台湾に通い始めた頃というのは、思えばそういう方々と出会うことができた最後の時代だったということになります。

そういえば、長距離列車に乗っている時に、当時70~80ぐらいのお爺さんに良く話しかけられました。
「あんた、日本人か?」
「そうです。」と答えると、
「懐かしいな。私は陸軍の第〇〇連隊に居て、△△に駐屯していたんだ。B29に高射砲を打ってたんだぞ。」
なんて話を突然始められることが何度もありました。

まだ、今のように日本人が台湾各地を列車に乗って旅をして歩く前の時代でしたから、日本人を見かけると懐かしくなって話しかけていたんだと思います。
中には演歌を日本語でいきなり歌いだす人もいて驚くことがありましたが、最近ではそういう方々もめっきり見かけなくなりました。

1975年に日本で蒸気機関車が廃止されて、高校に入った私は喪失感というか放心状態で何も手につかなくなった時期があったのを記憶していますが、同じように喪失感があった皆様方の中には、すぐに台湾に目を向けて、足しげく台湾に通い始めた方々もいらっしゃったことが昨今の交流でわかり始めました。
台湾では1978年か79年ごろまで日本製のC57やD51などの蒸気機関車が走っていて、サッと頭を切り替えて台湾に目を向けられた皆様方は、日本で汽車が消えた後、3~4年も充実した時間が過ごせたんだなあと、うらやましい思いを今更ながらに感じている自分がいます。

まぁ、そういう不完全燃焼状態があるからこそ、今でもこんなに鉄道に夢中になっていられるし、パスポートに判子を押すスペースが無くなるほど台湾にも通っていられるのだと思いますが、それでもやっぱり、あのころ台湾に通い始めていたら面白かっただろうなあと思わずにはいられないですね。

台湾の鉄道に御縁をいただくようになってからというもの、毎年6月には鉄路節という鉄道記念日があって、鉄路局での式典などに参加させていただいたり、同時期にツアーを組んだりしていたのですが、今年は残念ながら中止。
そろそろ台湾へ行きたい病が発症し、悶々としている皆様方も多いのではないでしょうか。

その台湾では日本の国交省に当たる交通部からこんな情報が出ているようです。

6月1日から台湾国鉄(在来線)と高速鉄道(新幹線)の両方で、車内での飲食が許可されるようです。でも、食べ終わったらマスクをするように。

だんだんと規制が緩くなっていって、10月1日からは海外旅行もできるようになる。ということは外国からの台湾旅行もOKになるようですね。

大切なことは、こういうわかりやすいメッセージを国民に対して出せるようになること。
日本でも人口十万人当たりの新規感染者の数字などで緊急事態宣言が解除できるかどうかの目安とするメッセージが出はじめているようですので、そろそろ向こう半年程度のスケジュールが組めるようなメッセージも欲しいところです。

ドラマの中では日本が統治していた時代には台湾人は二等国民だと言われていたという話が出てきますが、確かにそういうことがあったようです。でも、今回のコロナの件で見る限り、台湾政府のリーダーシップは世界的にも高く評価できるほど立派ですから、私たちは考え方として台湾を見習わなければならないと切に感じています。

ぐずぐずの判断力などは、むしろ日本人の方が二等と言われそうですね。

でも、大丈夫ですよ。台湾の人たちは相手に向かってそういうことを言う人たちではありませんから。
だから私たちは台湾から学ぶものがたくさんあるのだと思います。

ああ、台湾へ帰りたい・・・

今夜は徒然なるままに・・・台湾のお話でした。