昨日はBS-TBS

昨日はBS-TBSのニュース番組「サンデーニュース Biz スクエア」 にお呼びいただきまして、えちごトキめき鉄道のお話を取り上げていただきました。

こちらは日本経済新聞のビジネストレンドに取り上げていただいた記事です。

トキ鉄の鳥塚亮社長 観光列車で地方に活気取り戻す
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ありがたいことです。
田舎の赤字鉄道会社の社長が就任からわずか数カ月で全国版にいくつも取り上げていただいているんですから。

それも、ビジネスや経済に関しての部分にローカル線が取り上げられる。

会社自体は大赤字なんですけど。(笑)

経済をマクロに見ていらっしゃる皆様方の目で見ると、地方鉄道が一株式会社として赤字だとか、そういう話題はどうでも良くて、いかにローカル鉄道を上手に使って地域が良くなっていくかということが着目点なのでしょう。
ところが、田舎の人たちは偉い人であってもなかなかこのところに気づかない。
自分たちの赤字を棚に上げておきながら赤字はけしからんと言うわけで、それが田舎が廃れているゆえんなのでありますが、昭和の時代から長年地域のお荷物になって来ていたローカル鉄道が再生の試金石となっていることが、きっと都会でマクロ経済をお仕事にされていらっしゃる方々から見ると新鮮な驚きなのだと思います。

今回TBSでお声をかけていただきました播磨キャスター(スタジオの写真で向かって私の左側にいらっしゃる方)は今から5年程前に同じ番組でいすみ鉄道を取り上げていただいた方。
久しぶりにお会いできて、御挨拶申し上げたところ、「鳥塚さんと私は同い年なんです。同年代が一生懸命頑張っていらっしゃるのはうれしいですね。私も鉄道ファンですからこれからも応援しますよ。」とおっしゃっていただきました。

不思議ですよね。
一度も黒字を出したことがない株式会社が。

どうしてなんだろうと振り返って考えてみると、今思えば7年前の2013年にさかのぼります。

「財界」2013年1月号です。
この雑誌の取材を受けた時に、「どうして赤字会社を取材するんですか?」と申し上げましたところ、「いや、そういうことではないんです。鳥塚さんがやられていることは、もっと大きな意味で捉えなければいけないことなんです。」
と言われました。

「財界」って、航空会社のラウンジに置いてあるような、そんな雑誌ですよね。
庶民はなかなか手に取らない。
だったら気にしなくて済みそうだと取材を受けて好き勝手を言って・・・

そうしたら次から次にいろいろな雑誌やテレビがやって来て、ガイアの夜明けやカンブリア宮殿まで来ましたから。

これは2013年の6月号のエコノミスト。

2009年に就任して最初の頃は観光鉄道、観光列車としての取材が来ていましたが、この財界をきっかけに経済雑誌や経済番組がたくさんいらしていただけるようになったのです。

正直申し上げて私はよくわかりません。
何しろ国家予算やGDPなどを論じるマクロ経済など専門外ですから。
だから、田舎の偉い人たちがわからないのも無理はないと思いますが、一つだけ言えることは自分たちが理解できる、できないにかかわらず、世の中は進んでいくということであります。
そして、その流れに乗っからなければ置いてけぼりになる。
流れに乗らずに、置いてきぼりにならないためには、一生懸命自分で漕いで、あるいは泳いで、流れを作らなければなりません。でも、それは小さな田舎の町や田舎の会社の体力では無理ですから、だったら流れに乗っかった方が良いはずですし、それならできるのではないか。

私はそういう流れに上手に乗っかることで、お金がなくても、人がいなくても何とかやってきましたが、こうして新しいお仕事を任されてから数カ月でいろいろとご注目いただいているということは、今でも世の中の流れに乗っているのではないかと思うことにしています。

なにしろ昔も今も、いろいろ文句を言うだけで全く動かない連中や、自分でできもしないのに経営者としてけしからんとか、私がやることにブレーキを掛けるのが生きがいだと思っている人種もいますから、流れに乗ると言ってもそうたやすいことではありませんが、こうしてマクロ経済界の皆様が応援していただいているということは、実に頼もしく感じる今日この頃でございます。

いずれにしても、一つだけ言えることは、今までのやり方でやって来て良くなっていればよいのですが、良くなっていなければ今までのやり方は変えなければならないということ。
やり方を変えるためには考え方を変えなければなりませんから、そのためには人を変えなければならないでしょうし、組織も変えなければなりません。あるいは世の中の構造を変えなければならないかもしれません。

ところが皆さんぬるま湯が好きですから、世間には現状から動かない、動きたくない人間ばかり。
こういうところを何とかしなければ、やはりどうにもならんのであります。

それは何も田舎ばかりではありません。
今回の新型コロナウイルスの蔓延も、ちょっと考えればわかりそうなことを何も考えず、公務員が自分たちのやり方に固執した結果のような気がしますよ。
「規定に沿って、マニュアル通りに行った結果である。」と堂々と言ってるんですからね。

こういうのをバカというのです。

自分たちの仕事とはいったい何なのか。
規定に沿ってマニュアル通りにやりました。
それは仕事ではありませんよね。
仕事というのはウイルスを蔓延させないことであって、規定やマニュアルはそのための手段として準備されていたことで、それが不十分だったらやり方を変えなければならない。
そこがプロの判断で、それができず、あるいはやらずに病気を蔓延させたら、責任が問われるのではありませんか。
今回はそれが外国のマスコミから問われ始めているのですから、まあ、こういうことでもなければ公務員は変わらないでしょう。

私がなぜこんなことを言うのかというと、実は田舎の鉄道会社も規定に従ってマニュアル通りにきちんと仕事をしているのです。何十年にもわたってきちんと規定を順守して列車を走らせている。そして、その結果として会社が無くなっているのです。
だから、「私は規定に沿ってきちんと仕事をしてきました」では済まされないのです。

もちろん規則通りに仕事をするのは大切なことです。
でも、それだけじゃあだめなんです。
そこん所を皆さんもっとちゃんと考えましょうね。

なぜならば、それがプロフェッショナルだからであります。