さてさて、どうなることやら 日韓航空路線の話

日本政府が韓国をホワイト国から除外。

これはあくまでも日本が便宜を図ってあげていただけで、その理由は、貿易の輸出管理を韓国がしっかりやっているからという前提があったからで、日本が韓国へ輸出したものを韓国が北朝鮮へ再輸出しているということであれば、日本の国防上重大な問題ですから、そういう国には便宜を図ることはしないというただそれだけの話。

韓国としては、日本が証拠を突きつけているんですから、そこを反省し、韓国からの輸出品の管理体制をしっかり整えますよと言えばよいだけの話です。
それを、「喧嘩を売ってきたのは日本だ」的な言い方を大統領がするのですから、日本人の常識では全く理解できない国ということになりますね。

まあ、かの国では国のトップが謙遜したりすると「そんな弱気でどうするんだ」といったことになりますから、国内向けには常に虚勢を張っていなければならないのはつらいところですが、じゃあどうなるかというと、国民感情的には「日本への旅行なんか行かない」ということになるようで、韓国人の日本への旅行者は激減。航空路線も減便や運休が次々と発表されているというのが、昨日書きましたブログです。

では、そういうことは長く続くとどうなるかというお話ですが、LCCの話をしましょう。

大手航空会社は日本にも韓国にも2つ。
LCCは日本はスカイマークも入れるとピーチ、バニラ、エアアジア、ジェットスターの5社
これに対して韓国のLCCはtway、チェジュ航空、ジンエアー、エアプサン、エアソウル、イースター航空と大きなところでは6社。

韓国のLCCのアジアの就航路線の内訳はこんな感じ

・tway
全53路線:アジア路線45、うち日本路線25
・チェジュ航空
全62路線:アジア路線55、うち日本路線23
・ジンエアー
全36路線:アジア路線29、うち日本路線10
・エアプサン
全38路線:アジア路線29、うち日本路線12
・エアソウル
全17路線:アジア路線16、うち日本路線11
・イースター航空
全31路線:アジア路線30、うち日本路線12

日本路線が占める割合が高くなっています。

これに対して日本のLCCは
・ピーチ
全36路線:アジア路線17 うち韓国路線5
・バニラ
韓国路線0
・エアアジア
韓国路線0
・スカイマーク
韓国路線0
・Jetstar
韓国路線0

こういう割合になっています。

で、こういう業界で「日本は嫌いだ! 日本への旅行など行くもんか!」というムードが韓国国内で起こるとどうなると思いますか。

韓国のLCC各社が日本路線の減便や運休を余儀なくされる。
そして韓国の航空会社は日本路線が占める割合がとても多い。

ということは、仕事がなくなるということになりますね。

韓国は小さな国ですから国内線は限られます。
でも、外国路線は相手の国との協定がありますからいきなり新規路線も増便もできません。

つまり、飛行機と乗務員を抱えたまま仕事がなくなるのです。

ただでさえ格安商売ですから可能な限り回転を上げる必要があるのがLCCですが、そういう体質の会社が、飛行機と乗務員を持て余してしまうとどうなるか。

弱いところから淘汰が始まりますね。

これに対して日本のLCCは韓国路線のウエイトが小さい。
そして国内でまだまだ航空機を就航させる路線の開拓の余地があります。

つまり、韓国が日本をバッシングするということは、自分で自分の首を絞めることになるというのはこういうことなのです。

そしてそれを大統領が率先して国民に呼びかける。

つまりメンツの国なんでしょうね。

もちろん、営業ができない分を国が支援するんでしょうが、もともと経済力が弱く、通貨の価値が低い国ですから、とても厳しい未来が待ち受けている。

これが韓国の悲しいところだと私は考えます。

でも、「振り上げた拳(こぶし)は下すのが難しい」という言葉があるように、最初に大騒ぎしてしまうと引っ込みがつかなくなる。

半年後に大統領選挙があります。そのためには弱気なところは見せられないという国内事情がありますから、与党も野党もどちらも見方に付けるには日本を悪者にするのは好都合なんです。
日本は与党にとっても野党にとっても共通の敵ですからね。

経済がダメになっても、再び通貨危機が来ようとも、日本だけは許せないという「恨(ハン)」に命を掛けることになるのではないか。

そんな気がする今夜でございます。