今夜は大分に滞在しています。
家から離れて一人でいると時間的余裕ができますからいろいろなことが頭をよぎります。
自分がどういう人生を歩んできて、どういう考え方をしてきたのか。
そんな気持ちでかつてのブログを読みかえしてみると、こんなことを考えていたんですね。
日本の会社の管理職の人が陥り易いところ。
それは上の人間は偉いと思っていること。
自分が上になったんだから、偉いんだと威張るやつがいるんです。
特に体育会系の人間。
学生時代から上下関係がすべての人生を送ってきて、それがすべての人間が部長とかになると、まあひどいことになる。
なにしろ体育会系だから自分は上の人間に意見できない。
上の人間が言うことは絶対なんですからね。
ということは、今度は下の人間に対して自分が絶対になる。
「どうして俺の言うことがきけないのか。」
という感じです。
馬鹿だと思いますよ。
なぜなら、「どうして俺の言うことがきけないのか。」ではなくて、
「どうして自分が言うことを聞いてもらえないのか。」なのですから。
でも、それが理解できない。
なぜなら、体育会系ですから、上の人間が偉いんです。
絶対なんです。
うちの息子も2人が体育会系ですから、部下を持つようになったら「要注意」だと、今度教えてあげないといけませんね。
なぜなら、チームで結果を出せなければ、その責任はすべて「長」の責任ですからね。
ということで、今から8年前。2011年7月27日に書いたブログです。
どうぞお付き合いください。
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日本の会社では、幹部候補生と呼ばれるグループに属する人たちがいて、大して仕事ができなくても次々と出世していくという話を聞いたことがあります。
そういう幹部候補生じゃない人たちが日本の会社で出世するために求められるのは、仕事ができることはもちろんですが、上から可愛がられることも大事なようですね。
外資系では、どんなにボスと個人的付き合いがあっても、出世にはあまり関係ありません。
私が不思議に感じるのは、日本ではあまり時間管理能力は求められないように見えること。
遅くまで会社に残って残業しているのが当たり前というか、そうしなければ仕事をしていないように思われることもあるように感じます。
欧米人は、この点、全く逆で、5時になったらサッサと帰ります。
特に週末になると、木曜日の午後ぐらいからそわそわしてきて、とにかく仕事のペースを上げていきます。
日本の会社を知らないという前提で申し上げるのですが、外資系はとにかく仕事量が多い。
半端じゃない。
まして書類やメールは基本的には英語。
それをテキパキと片付けていかないと、帰れなくなる。
英語の書類を作るときに、三単現とか、疑問文の最初には助動詞が来るとか、そんなことで考え込んでいる人間は、仕事が進まない。
英語が母国語の社会では、日本の学校教育で求められるような文法などの英語力は全く必要ないから、学生時代勉強ができた人間ほど、こだわって先に進まなくなる。
だから、遅くまで残っている人間は、どんなにいい学校を出ていても、仕事ができない人間と思われてしまう。
学歴は関係ないというのはこういうこと。
レポートを出したり、企画を書いたり、とにかく考え込んでいるような人間はドンドンおいて行かれるから、仕事ができる奴とできない奴が、事務所の中で一目瞭然状態になるのです。
以前の職場では、私は、自分の部下であるスタッフに向かって、いつも、
「早く帰らないと、生活をエンジョイできないよ。」
「こんなところでいつまでも仕事していると、人生終わっちゃうよ。」と口癖のように言っていたし、自ら率先して先に帰っていた。
皆が「あれ、鳥さんは?」と気づくころには、車に乗って高速道路を走っているか、ともすればローカル線に乗りに行く飛行機の中、何て状態でした。
高校、大学時代に習得した授業を抜け出して学校をフケるテクニックが、非常に役立っていたのです。
特に、1週間とか10日とかの休暇を取る場合は、その休暇の前はとにかく時間との戦いで、自分で自分が休めるようにするのが、特に管理職者に求められる基本的能力なのです。
そういう業務遂行能力や時間管理能力、判断力などの他に、外資系の会社では、だいたいどこでもそうだと思いますが、ボスになるための条件というものがあります。
それは、
1:フェアであること。
2:オープンであること。
3:オネスト(正直)であること。
4:アプローチャブル(話しかけやすい)であること。
5:よき理解者であること。
6:コミュニケーションができること。
会社から受けるマネージメント(管理職)トレーニングでいつも言われるのは、こういうこと。
前回お話しした「内部顧客」という考え方に通じる点でもあります。
外資系の会社では、ボスは絶対の存在で、逆らうことは許されないのが通常ですが、上の1~6の点で部下から疑問を持たれるようなボスだったら、「あなた、それはおかしい」とどんどん言っても構わないし、ボスが、部下からこれらの点で能力を疑われることは恥とされていますから、皆、一生懸命に、「まともな上司」になろうと努力します。
だから、人事の評価もフェアに行われますし、部下から見て課長さんや部長さんから近寄りがたいオーラが出ているようなら、それだけでその人はマネージメントとしての能力を疑われることになってしまうのです。
皆様には信じられないかもしれませんが、アメリカには「世界ボスの日」と言うのがあります。
その日には、部下たちはこぞってボスにプレゼントを贈り、日ごろ自分たちの面倒を見てくれていることに感謝をする日。
でも、皆、だいたい、プレゼントをもらう時のボスの反応を見る。
そうすることで、自分のボスが何を考えているのかを探り、その人間についていくべきか、それともさっさと辞めて他へ行くべきかを考える日でもあるのです。
ボスによっては、カードしか受け取らない人もいるし、プレゼントを期待する人もいる。
すごいプレゼントを贈るような部下を、点数稼ぎで信用できないと判断するボスもいるし、自分からプレゼントを求めるボスを、「こいつはダメだ」と評価する部下もいるのです。
どうです?
日本の会社の課長さんや部長さん、外資系に来たら勤まりますか?
でも大丈夫。
外資系の管理職の人たちも、休みが少ないとか言って、おそらく日本の会社では勤まらないと思いますから。(笑)
オープン&オネスト。
日本の社会では根回しだとか、いろいろ必要なようですから、この当たり前のことが、当たり前じゃないような気がします。
ところが、最近、いろいろな方々に接する機会が増えて思うことは、
真ん中辺でくすぶっている人たちはともかくとして、組織の上に立ってリーダーシップを発揮している人は、その組織の大きさに関係なく、また、民であるとか官であるとかに関係なく、日本でも皆さんボスの条件として上にあげた1~6について、基本的にそのスキルを持ち合わせていらっしゃるということ。
できる人間は洋の東西を問わず、皆さん同じようなタイプだと感じる今日この頃であります。
私も笑われないようにしなくては。
2011年7月27日記
▲2008年 友人の機長と私。
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