今日はふらりと真岡鉄道に出かけてみました。
何もすることがない日曜日。
ちょっと早起きしてお出かけです。
お天気も良くないし、まだ夏休み前。
真岡鉄道のSLも自由席だし、どうせ空いているだろう。
そうタカをくくって出かけてみたのですが、実はとんでもない世界が待っていました。
そのとんでもない世界とは、今日のSL列車には1000人を超える団体客が乗っていたのです。
1000人ですよ、1000人。
真岡鉄道のSL列車に使用している客車は1両だいたい80席程度。
3両編成ですが3号車はトイレや車掌室がついているので座席定員が少なめ。
ということは3両編成で約220人しか乗れません。
往復で440人。
どう考えても無理ですよね。
なにしろ、それに一般のお客様もいるのですから。
では、どうやって1000人の団体をさばいたのでしょうか。
まず、SL列車の運転時刻は次の通り。
下り列車は下館を10:35に発車して、終点の茂木には12:06の到着です。
実はこの列車を4つの区間に区切って、団体さんを4グループに分けて乗車させていました。
各車両にバス1台、約40名を乗せる手配です。
下館―久下田
久下田―真岡
真岡―益子
益子―市塙
これで各区間にバス3台分約120人、4区間で合計約500人。
帰りの列車は同じように4つの区間に区切って、
茂木―市塙
益子―真岡
真岡―久下田
久下田―下館
これで各区間にバス3台分約120名、合計約500人。
この他に学生さんの団体が往路にバス2台分いましたので、合計でバス26台、1100人ですか。
もちろん特別ダイヤではありません。
途中の停車駅は2~3分程度。
添乗員さんはお客様に、「乗る時は後ろのドアから。降りる時は前のドアから。」
途中駅でわずかな停車時間中に団体が交代するわけですが、前のドアから降ろしながら、同時に後ろのドアから乗せている。
まあ、その様子はこんな感じです。
車内は一部に立ち客が出るこんな感じ。
下車駅に到着すると、団体さんは一列に並んで前のドアから順序良く下車。
同時に後ろのドアから次の団体が乗り込んできます。
まったくなんの混乱もなく、実にスムーズ。
列車は定時運行です。
しばらく走るとまた下車駅。
団体さんが順序良く下車していきます。
すると後ろのドアから次の団体さんが乗ってきます。
この繰り返しです。
実は、この1000名、バス24台は読売旅行さん1社の団体。
添乗員さんも統率がとれていて皆さん実に見事でした。
そして何より驚いたのが駅での職員さんの対応と車内での対応。
3両編成の車内には通常通り車掌さんが1名。
車内検札をして乗車記念券をさしあげて、車内アナウンス、ドア扱いと全部1人でやっている。
もちろん団体さんの分は検札はしていませんでしたが。
その他に、今日は特別だと思いますが、乗降確認や全体を取り仕切るスタッフが2名乗車して、ホーム対応。その他に団体の乗車駅下車駅に係員を派遣して、列車到着前のお客様の誘導、乗降時の誘導、そして安全確認と、実にテキパキとスムーズに対応されていらっしゃる。
そして、SLの運転士さんと、客車の乗務員、駅で対応するスタッフなど、コミュニケーションがばっちりで、本当にお見事でした。
この団体取り扱いをしながら、後ろに機関車を連結したり、切り離したりという作業もこなしていて、往復とも定時運転でした。
いくらSL観光列車だから運転時分に余裕を持たせているとはいえ、立派でしたよ。
ふつうなら、運転士が威張って、ホームの係員に向かって、「おい、もたもたするな。」ぐらい言うと思いますけど、対向列車もありますから、そんな文句言ってるヒマがあるなら自分で安全確認しろと言いたくなりますよね。
だから、そんな職員同士の文句の言い合いもまったくなく、途中駅で対向列車がやってくる際の安全確認、お客様の誘導もすべてこなして、定時運転。
まるでいつもやっているような感じでしたが、このようなことはSL運転開始以来初めてとのこと。
本当にプロフェッショナルなお仕事を見せていただきました。
ふつうなら、こういう話をいただいたら、営業部は恐れ多くて鉄道部の顔色をうかがって、「断れ!」と言われるのが関の山だと思いますが、真岡鉄道の社内体制はそうじゃないというのが立派です。
観光列車というのは、お客様を「回転」させることが大事だというのが私の持論です。
1日に2往復でも3往復でもして、それぞれのお客様から運賃や特別料金をいただいて、車内販売を買ってもらうことで売り上げを積み上げていく。
そうしないと、1往復で下手すりゃ同じお客なら車内販売も弁当も1回しか売れませんからね。
真岡鉄道では1往復のSL列車で客回転8回ですから。
恐るべし真岡鉄道です。
真岡鉄道は全区間乗ると1030円+SL料金500円
団体さんはほぼ300円程度の区間の乗車でしたが、SL料金は同じ1人500円入ります。
ということは、1000人で80万円。
それにプラスして100人以上一般のお客様がいましたからね。
もちろん私もその一人でしたが。
最後、下館に戻ってきて、皆さん下車して「はい、おしまい。」
真岡鉄道の皆様、見事なパッセンジャー・ハンドリングを拝見させていただきましてありがとうございました。
そして、おつかれさまでした。
皆様方のチームワークに天晴れでした。
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