アホの酒田じゃないけれど。阿呆列車で綱渡り。

昨日山形県の酒田に泊まったアホオヤジが帰宅しました。

正直申し上げてもう1泊ぐらいしたかったのですが、それほどお酒がおいしいところでした。

でもって、酒田から帰るには、ふつうなら庄内空港から羽田便でしょう。
来月だったらジェットスターで成田へ一直線という手もあります。
でも、ほら、私、一応赤組なもので、庄内空港へは行かず。
ネットで検索すると、酒田から高速バスで仙台へ出てはやぶさで帰るルートが出てくる。
あ~あ。東北横断バスの旅か。
やめておこう。
羽越線の上りの特急は9時の次が昼までない。

だいたいホテルに泊まるときは8時から朝ドラを見て、その後に朝食会場へ行くものですから9時の電車は無理。12時じゃあ時間を持て余す。

となると下りしかない。
羽越本線を下るって、なかなか旅情があるので、それに決定。

ということで指定券ゲット。

酒田から東京へ帰るのに、なぜか青森。

そして私の阿呆列車の旅のスタートです。

「阿呆列車」とは、ご存じ内田百閒先生のあの阿呆列車。
何もすることがないので汽車にでも乗るか。
という目的もない汽車旅ですから、つまり阿呆列車でございます。

7両編成の「いなほ」
伝統の特急列車ですが悲しくなるほど見事にガラガラ。

お客として乗っている分にはガラガラでも良いのですけどね。

1時間半で秋田に到着。
そういえばおととい来た。

ちょうど昼時なので駅弁を仕入れましょう。
ホームでおじさんがワゴンを出して駅弁を売ってます。

でもおじさん、駅弁しか売ってない。

ビールとかワンカップとかつまみとか、腐るものでもありませんから一緒に売ればよいのに。

だから、おじさん無視して改札を出てビールと竹輪と芋焼酎をゲット。
そこでも駅弁売ってたんですけど、ホームのおじさんがかわいそうな気がしたので、売店で駅弁は買わずに列車に戻ってホームのおじさんから駅弁を買いました。

乗り継ぎ時間30分って、ちょうどよい感じかも。

もっとも「いなほ」が着いた時に、すでに「つがる」がホームに停めてあったから、荷物を車内に置いて買い物に出られたから良かったです。
だったら駅ビルへ行って寿司でも買ってくればよかったなあと、駅弁を買って車内に戻ってから気がついた。

「つがる2号」は12:39発なので、家訓を破ることなく、心おきなく一杯開始。

私、コップに注がないとビールが飲めないたちなのですが、プラのカップが売ってないので氷のカップを買ってきて、それにビールを注いで飲む。
ビールが無くなったら焼酎。

牛肉弁当1000円。

やっぱり駅弁は割高感ありますよね。
今どき1000円の牛肉弁当はデパ地下でももう少しボリュームがある気がするけど。
車内を見渡すと、駅弁は少数派。
皆さんコンビニのおにぎりやサンドイッチにペットボトル。

自分自身でビジネスをデストロイしているとは言いたくないけど、駅弁というのも百貨店で群がっている団塊の世代の人たちが消えたら潮時になるかもしれません。

関根さんの名誉のために申しあげるとすれば、お味はおいしかったです。
それは間違いありません。

八郎潟で寝落ちして気がついたら大館。
なんとか矢立峠には間に合った。
といっても新線区間ですから、兵どもが夢の後。

ガラガラだった「つがる2号」にたくさんお客さんが乗ってきたのが弘前。
そして皆さん新青森で下車。

新幹線連絡列車ですね。

ということで青森到着は2分延。
青森駅の手前はいつも徐行してますから2分延は当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、本日の私にとっては死活問題。
というのも「つがる2号」が青森に着くのが15:20。
青森空港へ行くバスが出るのが15:30。
もともと10分しかありません。

とはいえ勝手知ったる青森駅ですから8分で空港バスに乗車。
片道700円。
約20名様の乗車でしたので40分の走行で売り上げは14000円というところでしょうか。
悪くないですね。

でも、そのバスが空港に近づくにつれ嫌な予感が。

青森空港は山の上にあるのですが、その山を見ると雲の中。
ということは霧か。

「青森駅は雪の中」
ならぬ、青森空港は霧の中。

飛行機が飛ぶとか飛ばないとか。
とりあえず、何があるかわかりませんから、そういう時は腹ごしらえ。

2か月ちょっと前に来た時に比べると空港ビルがきれいになっていてフードコートができています。
そこでホタテフライカレー。1200円。

さすが青森。
冷凍じゃないから旨かった。

すると、館内アナウンスで「東京羽田空港からの日本航空147便はただいま到着しました。」

よし、これで出発できる。

セキュリティーを通って搭乗待合室へ。
工事中で狭くて座るところもありません。
でも、いくら狭いと言ったってB737なんだからせいぜい乗っても160人程度でしょう。
つーことは、なんだかんだで満席なのです。

新幹線も走ってるけど飛行機も満席。

恐るべし、青森。

そんなことを思っていたら、プロペラ機の爆音が「ブ~ン」。
すかさず館内アナウンスが。

「大阪行の1856便は使用いたします飛行機が青森空港に着陸できなかったため、本日は欠航となります。」

ああ、お気の毒に。
さっきの爆音は目の前まで来た飛行機が逃げて行ってしまった音でした。

この飛行機は札幌から飛んできて青森に着くと、次は青森発大阪行になる運用のようで、札幌からの便が着陸できなかったので自動的に欠航。
飛行機は仙台へと飛んで行ってしまいました。

乗るはずだったお客さんは係員に連れられてセキュリティーを逆行してどこかへ行きました。
予約の取り直しと払い戻しでしょうか。

そんなの航空会社に頼らないで自分でさっさとやってさっさと行動しないと、席もホテルもすぐになくなっちゃいますよ。
と言いたかったけど、皆さん静かに淡々と出発ロビーを後にしていかれました。

今、ネットを見たら、それに恐れをなしたのか、今夜の大阪発青森行も欠航になっちゃった。
ということは、明日の朝の青森発大阪行も自動的に欠航。
今日の最終の大阪行と、明日の始発の大阪行。両方欠航じゃあ厳しいなあ。

やはり、恐るべし青森だ。

私の乗った飛行機は順調に飛行して18:27に羽田の34Rに着陸。

ところがゲートじゃなくて沖止め。
それも遠い遠い40番スポットに18:33着。

気が気じゃないのが津田沼行のバスが18:50出発。

わざわざ酒田から青森に回るほど遠回りしてきたんだから、バスなんか1本2本遅れても大勢に影響はないと言われるかもしれませんが、そこはそれ。
目の前にある目標はクリアしたくなるのが人情。
次のバスは30分後ですからね。

沖止め40番スポットで降ろされて連絡バスに乗ってターミナルに到着したのが18:42。
歩いて到着階に出てバス乗り場に着いたのが18:46。
発車しそうなバスに飛び乗って18:50発。

本日に限って首都高速は順調で、京成津田沼駅に到着したのが19:29。
19:32分の快特は無理かなあと思っていたら、快特が3分遅れていてJust in time!

気付いてみたら後半はすべてが綱渡りのような阿呆列車の旅となりました。

津田沼から乗った快特は5300。

あうまでも私の個人的な好みですが、可愛い車掌さんの乗務列車でした。

せっかく酒田へ行くのですからと、秋田イン、青森アウトという壮大な阿呆列車の旅。

でも、羽越本線は新津-酒田間を乗り残してしまいましたし、陸羽西線も乗っていませんので、近いうちにもう一度阿呆列車に乗りに行こうと、帰ってきて一杯飲みながら考えている阿呆オヤジでございます。

酒田でお世話になりました皆様、ありがとうございました。