PAX NN MAAS

さすがに今日は疲れが出たと見えて朝から熱っぽくぐったり。

 

でも午後からは元気で持ち直し、そろそろ燃料補給のお時間でございます。

 

もし昨日がぐったりなら、飛行機に乗って帰って来るときに大変だったろうなあ。

そう考えたら思い出したことがありました。

 

昨日桃園空港でチェックインをした時、荷物を預けて搭乗券をもらって、ゲートへ向かおうとしたのですが、カウンターのお姉さんが「ゲートまでご案内いたしましょうか?」と声をかけてくれたんです。

LCCなら「勝手に行け!」でしょうけど、一応フルサービスの香港航空。ましてビジネスクラスのお客様ですから、丁寧なんでしょうね。余程おじいさんにでも見えたのでしょうか。

「俺も年取ったんだなあ?」 

それとも訳の分からない日本人だと思われたのか。

 

「大丈夫ですよ。自分で行かれますから。」

そう言って出国手続きに向かいました。

 

 

台北からの飛行機が香港に到着した時に、飛行機を降りたところで「MR TORIZUKA」と書かれた紙を持ったお姉さんが待ち構えていました。

 

「私です。」と返事をすると、「乗継のラウンジまでご案内いたします。」との言葉。

「大丈夫ですよ、自分で行きますから。転機と書かれたセキュリティーへ行けばいいんでしょう。」

彼女は不思議そうな顔をしていましたが、よぼよぼでもフラフラでもない私の姿を見ると、

「はい、ではこちらで失礼します。」

 

乗継のラウンジで時間をつぶしていると、お姉さんが近づいてきて、

「あなたはMR.TORIZUKAですか?」

「はい、そうですけど、どうして私のことを知ってるんですか?」

「それはお客様ですから。」

「ふ~ん。」

「では、何かございましたらご遠慮なくお声をおかけください。」

 

 

そして香港から成田行の機内に入りました。

ビジネスクラスですから、クルーは基本的に一人一人のお客様を名前で呼びます。

「MR TORIZUKA。私は本日担当する○○と申します。何かお手伝いできることがございましたら、何でもおっしゃってください。」

「ありがとう。大丈夫ですよ。」

「成田へ到着したらゲートにご案内のフタッフを待機させましょうか?」

「えっ、いらないですよ。成田のことはわかっていますから。」

 

台北といい香港といい機内といい、ずいぶん丁寧な接客だなあ。

と、思ったんですが、待てよと思いまして、さっきのクルーを呼び止めて尋ねました。

 

「もしかして皆さんが持っている乗客リストの私の名前のところにMAASって書かれてる?」

 

すると彼女は「はい」と答えました。

 

MAAS とはすなわちMeet and Assistの略。

航空会社はすべてこういう略号で情報をやり取りしています。

 

出発カウンター、機内、乗継とすべてに転送された私のデータに「PAX NN MAAS」と書かれていたのです。

 

PAX NN MAAS とは Passenger need meet and assist のこと。

もしかしたら4日前の出発の時に会った成田のケンちゃん(私の後輩)が気を利かせてコメントを入れていたのかもしれません。

 

成田に到着した時にケンちゃんが迎えてくれましたが、うれしいですね。

10年も前に辞めた人間を今でも大切にしてくれるんですから。

 

航空会社ってそういう所があるんですが、鉄道会社はどうかなあ。

10年経っておじいさんになった私に「お手伝いしましょうか?」って言ってくれるかな。

それとも「あんた誰?」かなあ。

 

10年後私が生きているかわかりませんが、その時会社は残っていてほしいな。

今度の新社長さんは立派な人のようだから、会社の方はきっと大丈夫でしょう。

問題は私の方ですね。

そんなことを考えたMAASでした。

 

航空会社乗客リストのメッセージには最近ではSSSS(最大の警戒を要する人物)ってのもあるみたいですから。そして、それはお客様の知らないところで情報がやりとりされていますので皆様どうぞお気を付け下さい。