台湾国鉄「普悠瑪」(プユマ)の脱線事故につきまして

この度の台湾国鉄特急列車「プユマ号」の脱線事故につきまして、お亡くなりになられました方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、お怪我をされた皆様方の一日も早い回復を心よりお見舞い申し上げます。

 

また、台湾国鉄関係者の皆様方の事故復旧の取り組みに於かれましては、心身ともに大変厳しい状況にあると思われますが、一日も早い復旧に向けて頑張っていただきたいと願っております。

 

さて、今回脱線事故を起こしました「プユマ号」は台湾国鉄の最新型特急車両で、製造したメーカーは日本の超一流車両メーカーである日本車両です。また、台湾の国鉄は開発途上国とは違い、かなりハイレベルでハイスペックな設備や運行方式が行なわれております。

こういう中で、このような大事故が発生したということは、何らかの未知の部分、つまり、本来ヒューマンエラーをカバーするべきフェールセーフ機能が何らかの理由で働かなかったことによるのではないでしょうか。

 

ただし、現段階で外部の人間が事故原因を推測するようなことは控えるべきだと考えますので、いずれ正式な調査結果が出るであろうその結果を待ちたいと思います。

 

こういう悲惨な事故が発生するたびにいつも思いますのは、日本では「誰が悪かったのか?」という犯人探しに直接結び付ける議論が主流を占めるということで、本来の事故調査の目的である「再発防止」という観点が、日本の場合は感情論に押し流されてどこかへ行ってしまう傾向があります。賢明なる台湾国民の皆様方は、これだけの最新鋭の特急電車がなぜ事故に至ったのか、そのバックグラウンドを含めて、再発防止という観点から事故の原因究明にあたっていただきたいと考えます。

同じように、こういう事故が発生すると、すぐに責任者の処分というような話が出るのも日本の特徴ですが、それでは何も解決いたしません。責任あるお立場の方々は、二度とこのような事故が発生しないためにしっかりとリーダーシップを発揮して、事故調査を行い、再発防止策を完結させていただきたいと考えます。

 

プユマ号は私も台湾に行くたびに利用する実に快適で性能の良い台湾国鉄ナンバーワンの看板列車です。

製造したのは日本の超一流車両メーカーです。

そして台湾国鉄には日本の国鉄をルーツに持つ優秀な鉄道マンが揃っています。

 

なぜ、このような事故が発生してしまったのか。

感情論に流されることなく、再発防止のための原因究明にご尽力いただきたいと切に願っております。

 

関係者の皆様、親愛なる友人の皆様、日本サイドでお力になれることがございましたら何なりとお申し出ください。

日本のチーム全員で協力させていただきます。

 

 

▲台東駅で発車を待つ樹林行「プユマ号」。

 

快適なプユマの車内はいつも満席状態の人気列車です。

 

プユマを細かく観察していた時に、連結部分の妻面にアンチクライマーのようなものを見つけました。

日本の鉄道車両ではほとんど見られなくなったアンチクライマー。

車両同士がぶつかった時に、一方に乗り上げて大事故になるのを防ぐための装置です。

 

今回の事故で、このアンチクライマーがどのように作用したのかが気になります。

これが無かったら、福知山線事故の時のように車両がお互いに乗り上げてもっと犠牲者が出ていたかもしれないからです。

 

台湾の皆さん、頑張ってください。