本日のお客様

本日は、遠く、北海道の網走市からお客様がお見えになられました。

 

網走市議会議員の皆様方です。

 

網走市議の皆様方です。

左から近藤憲治さん、井戸達也さん、立崎聡一さん、永本浩子さん、佐々木れいこさんです。

 

網走市は例のJR北海道問題で、釧網本線と石北本線を何とかしなければならないという危機感を市民の皆様方が感じているようで、いすみ鉄道沿線の取り組みを視察にお見えになられたということです。

 

今回、JR北海道は「上下分離」という考え方を持ち出して、沿線地域の皆様方に「鉄道存続のためにお金を出してください。」とお話していますが、地方の自治体の現状を考えると、それはなかなか無理な話ですよね。でも、「お金を出せないのであれば、仕方ありませんね。廃止にします。」という話は、私はあまりにも短絡的な暴論だと思いますが、では沿線の人たちは何もしなくてもよいかというと、そうではありません。

 

「お金を出すのが難しければ、汗をかきなさい。」

と、私は申し上げました。

いすみ鉄道沿線は、お金も出してくれていますし、汗もかいてくれています。

それは、もちろん、国鉄が廃止にするといった鉄道を、国の意に反して自分たちで残したというスタートがあるからですが、JR北海道の場合はちょっと違いますから、そのまま「お金を出せ」ということは無理があります。でも、お金を出さないまでも沿線住民は汗をかくべきだと私は考えています。

汗とは、何とか鉄道を守る努力をすることです。

「JRなんて関係ない。」というのではなくて、自分たちで鉄道にもっとかかわって、自分たちで鉄道を盛り上げる努力をすること。

例えば駅の構内にお花を植えるとか、無人駅を自分たちで有人駅にするとか、乗って利用する以外にも鉄道にかかわって、鉄道を盛り上げることはできるはずです。

それが「汗をかく」ということで、どうせ汗をかくのであれば、つらい汗ではなくて、楽しい汗、充実感や達成感のある汗のかき方をしましょう、というのが私が本日お話をさせていただいたことです。

 

お金も出したくない、汗もかきたくないでは、そういう地域に鉄道は残りません。鉄道どころか、これからの時代は町自体が残れないと言われています。今がきっと、分かれ道に来ているのでしょう。好むと好まざるとにかかわらず、そういう時代になってきたのです。

 

網走というところは、オホーツク海で流氷が来るところです。

流氷が着岸したというニュースは、毎年、全国のトップニュースになります。

それはどうしてでしょうか。

別に東京や大阪の人々にとって、網走に流氷が着岸してもしなくても、生活には何の影響もありません。

でも、それが全国のトップニュースになる。

その理由は、全国の皆さんがあこがれている場所だからです。

 

「ああ、オホーツク海の流氷だ。いいなあ、きれいだなあ、一度行ってみたいなあ。」

 

みんながそう思っているから、全国ニュースに毎年なるのです。

 

つまり、網走はそういう場所なのです。

 

そういう場所で、市民の皆様方が、「鉄道を元気にする活動を一生懸命やっている。」となれば、全国のみなさんが網走を応援しようという気持ちになります。北海道の皆さんが、北海道各地で一生懸命頑張って鉄道を守る努力をしているという話を聞けば、全国の皆さんが北海道を応援しようという気持ちになるというものです。

お金がないのはどこも同じ。もちろんいすみ鉄道も同じです。

でも、カケス団長をはじめ、地元の人たちが一生懸命鉄道を守るために汗をかいている。その姿を見て、東京からみんなお手伝いに来てくれて、活動してくれている。そういうシーンが大きなムーブメントを引き起こしているんです。

 

北海道は私たちみんなの憧れの土地です。

その北海道で、地域の人たちが笑顔で頑張っていい汗をかいている姿、鉄道を何とか盛り上げようと、みんなで楽しみながら汗をかいている姿を見ることができれば、そこから、大きなムーブメントが始まるはずです。

 

「お金が出せないのはわかっています。だったらその代わりに汗をかきましょう。」

 

若輩者ながら、本日は生意気にもそのようなことを申し上げてしまいました。

でも、本心ですから。

なぜなら、石北線も釧網線も、私にとっては大切な憧れの路線だからです。

 

4月の下旬に網走駅で近藤さんとお会いした時の写真です。

何気ないカットですが、ここは私にとっては大切な場所なんです。

40年以上も前に、リュックサックを背負って夜行列車でやってきた場所だからです。

 

これが、私にとっての網走駅の価値なんです。

 

今、網走から旭川へ行く特急「大雪」はお客様が少ないです。

地元の人は皆さんバスに乗られています。

4月に私が乗った時もグリーン車は2人だけでした。

 

では、どうしましょうか。

 

グリーン車は国際線のファーストやビジネスクラスのようにフルフラットになるシートで、完全に寝ていかれるようにすればよいじゃないですか。

普通座席は3列シートのグリーン車の座席にすればよいじゃないですか。

車内販売なんか売ろうと思うから売れないのですから、配っちゃえば良いじゃないですか。

飛行機なら無料で飲み物も食事も出てくるんですから。

普通車にはコーヒーの無料サービス。グリーン車にはお茶とお菓子、あるいはサンドイッチ。

運賃の他に特急料金やグリーン料金をもらっているのですから、その中から数百円をお客様にサービスすればよいのです。

そうすれば、普通車のお客様はコーヒーサービスのついでにお菓子やサンドイッチ、あるいは弁当を買うでしょう。

車内販売が売れるようになるのです。

40席の定員のグリーン車を20席の定員にしちゃえば良いんですよ。どうせ誰も乗らないのなら。

普通車でもグリーン車の座席でゆったりとくつろげれば、別に30分ぐらい余計に時間がかかっても、お客様は「もう着いちゃった。」って気分になるというもの。

そうすれば、料金値下げしなくても、すぐに満席になりますよ。

 

これが商売というものです。

 

とまあ、このようなお話を差し上げたところ・・・・

 

 

視察終了後、5名様ともたっぷりとお土産を買っていただきました。

 

ねっ、商売でしょ。(笑)

 

平日でお客様が少ない中、売り上げに貢献いただきましてありがとうございました。

 

 

私の憧れの網走、思い出の網走を、ぜひよろしくお願いいたします。

 

本日はありがとうございました。