魂を入れる

昔から「仏作って、魂入れず」という言葉があります。

 

形は立派だけど内容が伴わない、というような意味で使われます。

立派な仏像を作っても、心がこもってなければ、何にもならないということでしょう。

 

大きな会社はお金がありますからいろいろなものを作れるかもしれません。

でも、いすみ鉄道はお金がありませんから、いろいろなものを作ることができません。

だったらどうするか?

 

お金がないならないなりに、工夫をするのです。

 

ということで、現在運行中のキハ52が変わりました。

 

先週までのキハ52。

 

今週のキハ52。

 

違いが分かりますか?

 

拡大してみましょうか。

 

▲先週まで。

▲今週です。

 

わかるかなあ。

 

 

わかりますよね。

 

運転席のすぐ後ろの窓が白くなっているんです。

 

実はこの場所は昔トイレだったところ。国鉄時代にはトイレ付で運用していたのですが、JRになってからワンマン化改造などの工事を行った際にトイレが撤去されて、素通しのガラスになっていたんです。

それを、トイレがあった時代の「白ガラス」を入れてみたのです。

 

たったこれだけのことで、印象が全く違います。

 

どうですか?

魂が入ったでしょう。

 

いすみ鉄道のスタッフが考えて、自分たちでこういう細工をしてくれました。

冬の間、キハ52が単行運転しているこの期間だけのサービスです。

内側から白い紙を貼っただけですから、いつまでもあるわけではありません。

今だけですよ。

 

 

キハ52の単行シーンをお目当てに、こんなにたくさんの人たちが集まっています。

皆さん気付いてくれたかな。

 

 

今、キハ28は検査に入っていますが、52の単行はそれなりに絵になるでしょう。

 

こういう景色は「魂が込められている」。

 

いすみ鉄道は受入れキャパの小さいところですから、そう思う人だけいらしていただければ、それはそれで良いと私は思います。

 

ムーミン列車で代走の日もありますから、いらっしゃる方は、よく確認してからお越しくださいね。

 

20日からは朝食サービスも始まります。

 

(写真撮影:渡辺新悟さん、吉田智和さん)