身も凍る瞬間を体験。

先日、ある会議の席上で私は声をかけられました。

「鳥塚さん、この間の日曜日、いすみ鉄道さんにお邪魔しましたよ。いやあ、良かったですねえ。ビールとハイボール買って、おつまみセットもいただきました。車内販売もされているんですね。」

私は身も凍る思いがしました。

「失礼な乗務員は居ませんでしたか?」

恐る恐るそう尋ねると、「いや、皆さん頑張ってますねえ。」と答えていただいてホッと一安心。

実は、その方、私が前から知っている国交省のお偉いさんだったんです。

 

一緒にいたその方の後輩にあたる方も結構な地位の方で、彼は後輩に向かって、

「我々の仕事は、どちらかというといつも机に向かっている仕事だからね。でも、やっぱり、自分の足で歩いて乗りにいかないとわからないこともあるからね。」とおっしゃられていました。

 

そうなんですよ。

結構いろいろな方が実際に乗りに来ていただいているんです。

この間もレストラン列車に運輸局の方がご家族でご乗車されていましたし。

私は皆様方の顔を存じ上げていますので、「こんにちは。ようこそ。」とご挨拶できるんですが、恐ろしいのが、いすみ鉄道のアテンダントや運転士や駅務スタッフが、そういう偉い人たちが乗車しているのに気づくわけありませんから、ふつうに接しているだろうということです。

ナイスな対応なら良いんですが、中にはそうじゃない人もいるかもしれません。

いや、いますから。

そう思うと、私の背筋は凍りつくのです。

これは、なかなか、味わえない体験ですよ。

特に夏の時期には涼しくなれる貴重な体験です。

 

観光鉄道とか、観光客とか、長年地域鉄道としてやってきた鉄道会社の職員が、本当の意味で私のやり方に納得できていない人だっているわけで、ましてお爺さんの年齢になっていればなおさらです。

「観光客にサービスするなんて、やなこった。」

たとえそう思っていたとしても仕事だからちゃんとやろうよ。

大人だからね。

雇用延長や短期職で勤めているんだったら、気分で仕事されても困るから、観光鉄道がいやだったら辞めればいいだけのこと。

私ももう8年目に入っているわけだし、そのあたりをそろそろはっきりさせないと。

 

と、背筋が凍りついた私は考えるわけです。

 

さあ、明日から3連休。そして夏休みが始まります。

 

うちの職員は観光鉄道の職員としてお客様にナイスな接客ができるでしょうか。

 

たぶん、都会人の目から見たら至らないところがたくさんあると思いますが、心を込めて一生懸命やっているようであれば、どうか優しい目で見てあげていただきたいと思います。

アテンダントや運転士は、自分たちができることをいろいろ考えて、お客様サービスに勤めてくれていますが、そういうことって、ときにはチャンレンジであり、チャレンジである以上、いきなりは満足していただける結果が出ないものでもあるからで、都会からいらっしゃる目が肥えたお客様は、そういう所をぜひご覧いただければと考えております。

 

他の観光鉄道から比べたら見劣りする部分もあるかとは思いますが、そこのところ、どうぞよろしくお願い申し上げます。