くまもん電車

今回の熊本地震では南阿蘇鉄道が大きな被害を受けましたが、もう一つの地方鉄道である熊本電鉄も被害を受けています。
南阿蘇鉄道を訪ねた翌2日に熊本電鉄の車両基地がある北熊本駅を訪問しました。
今回の熊本地震は、震度7という大きな揺れが2回も続いた大地震ですが、震源の深さが10kmと浅いため、被害が出た地域が狭い範囲に限られています。それが、熊本大震災ではなくて熊本地震と命名された理由のようですが、熊本電鉄の沿線でも所々で線路に被害が出たり、ホームが崩れたりしたそうです。
ただ、南阿蘇鉄道のような致命的な損傷は発生しなかったことが不幸中の幸いで、数日で電車が運転再開しています。
震災直後は熊本市内は道路がマヒし、避難所から買い物へも出られない状況が続いていたようですが、いち早く熊本電鉄が運転再開したことで、市民の皆様方の大きなお役に立てたようです。
熊本電鉄は鉄道とバスを運行していますが、バスが道路渋滞でまったく機能しなかったときに、バスの定期を持っている人は電車にも乗れますから、バスから流れてきたお客様で電車が大混雑となったようです。これもBCPが見事に機能したといえるのではないでしょうか。
また、車両基地がある北熊本駅付近には震災直後から車で避難する人たちがたくさん集まり始めたそうで、その理由は駅のトイレ。駅のトイレは地下水を使用していたため、きちんと機能していたそうで、たくさんの被災者のお役に立つことができました。
駅のトイレといったって、きれいなシャワートイレですから、さぞ喜ばれたことだろうと思います。
地方鉄道が地域の中でしっかり役に立っているというお話をお聞きして、うれしく思いました。
実は熊本電鉄さんとは以前から仲良くお付き合いさせていただいていて、熊本電鉄の職員の方がいすみ鉄道を見習おうということで、視察にいらしていただいたりもしています。
今回久しぶりに北熊本駅にお邪魔しましたが、駅舎の中にしっかりショップができていました。

▲くまでんSHOPです。
中にはたくさんのオリジナルグッズが。
キハカレーならぬくまでんカレーもありました。
「参考にした」と言われていましたが、まあ、パクリですね。(笑)
でも、立派なのは、そのカレーが熊本の赤牛を使っていて、とてもおいしかったこと。
1箱650円近くする高級品でしたが、本家「キハ・カレー」をパクッてさらにおいしいものができているのですから、脱帽です。



▲私が熊本電鉄を好きな理由はこのくまもん電車。
40年前に私が高校生だった時に毎日乗っていた旧都営三田線の6000形です。
皆さんがいすみ鉄道にいらしてキハに乗車されて、「懐かしい」と言われるのと同じように、私はこの電車が故郷の思い出の電車なのです。

▲懐かしいといえばこの東急5000系も懐かしいですね。
すでに引退していますが、この1両は動態保存したいという意向がおありのようです。


▲南海電車も銀座線の01も、まるで電車の博物館のようですね。
この01は新しいくまもん電車に生まれ変わるようです。
そうそう、くまもん電車は中国、台湾など東南アジア方面で人気のようで、昨年は外国人が1万人乗車されたそうです。
1万人とはすごい数です。
株式会社としての収益を考えると、例えば運賃一人300円として、1万人にご乗車いただいても300万円ですが、観光客が1万人来るということは熊本県や熊本市にとってみたら大きな集客ツールなのは誰だって理解できることで、最近では県や市も、熊本電鉄に対しては単なる地域交通としてだけではなく、観光資源として考え方を変えてきているようですね。
熊本電鉄の幹部の方によると、南阿蘇鉄道同様、梅雨が終わってみないと本格的な復旧工事に取り掛かれない部分があるそうで、それまでは徐行運転などで通常よりも所要時間がかかるとのことですが、数日で運転再開したということは輸送事業者としての使命感に満ち溢れている会社ということですから、今後も期待できそうですね。
皆さん、熊本電鉄さんにもぜひご声援をお願いいたします。
ということで、とりあえず 「くまでんSHOP」 よろしくお願いします。