週末のお客様

この土日もいすみ鉄道はたくさんのお客様でにぎわいました。
ゴールデンウィークが終わって、本来ならば観光が下火になる時期ですが、それでもたくさんのお客様にいらしていただいてありがたい気持ちです。
うちの運転士さんたちもそうですし、応援団の団長さんも最近感じていること。
それは、「去年までと全然違ってきている。」ということです。
いらしていただくお客様のタイプもそうですが、シーズンオフが無くなってきているというのも実感しています。
そんな中、この土日にいすみ鉄道の視察にお見えになられた方がいらっしゃいます。


▲島根県の一畑電車から加藤営業課長代理と山崎運輸部次長さんです。
2日間、レストラン列車、スイーツ列車、ムーミン列車とお乗りいただき、体験していただきました。
とても熱心に研究されていました。
私が興味深かったのは、彼らが視察のために乗車している伊勢海老特急「レストラン・キハ」に、有名な観光列車を運転しているJRの幹部の方、ご担当の方が3名乗車されていたこと。
ご自身でネットでお申し込みをされて、わざわざいらしていただいていたんですね。
さては、お忍びで視察か・・・
いやいや、彼らの方がよっぽど立派な観光列車を走らせているわけですから、いすみ鉄道からパクるものは何もないはずです。
ご自身で予約して、ご自身でお金を払ってご乗車されると、意外とお客様の気持ちがわかりますから、きっとそういう意味での視察だったのでしょう。
一畑電車のお二人も、視察とはいえちゃんと運賃、料金をお支払いいただいてご乗車いただきましたので、きっとこの写真の和菓子列車のお値ごろ感もご理解いただいたのではないでしょうか。
お越しいただきましてありがとうございました。
さて、先日こんな声をかけられました。
「社長、こんなに全国で観光列車が走り始めて、いすみ鉄道は大丈夫ですか?」
観光列車が乱立して、お客の奪い合いになると、いすみ鉄道のキハのようなオンボロの観光列車は淘汰されてしまうのではないか。
そう心配してくれるのはありがたいのですが、昨日までの「観光戦略」でお話させていただいたように、私がやっている限り、いすみ鉄道の観光列車は大丈夫ですよ。
それよりも、観光列車乱立で私は逆にニコニコです。
なぜなら、これだけ全国で観光列車が走り始めている現状は、ローカル鉄道としてはとてもうれしいことなんです。
日本中で、ローカル線が脚光を浴びて、地域がどんどん盛り上がっていくのですから、数年前までは考えられなかったことなんですよ。
これは、公募社長効果と言っても良いと思います。
私たちががんばってきたことで、関係ない地域まで、それに気づいたところは今盛り上がりを見せ始めているのですから。
日本全体で見たら、私たち公募社長がかなり日本の国に貢献していることは間違いないですし、今まで地域のお荷物とされていたローカル鉄道が、地域に貢献できているということは、とてもうれしいことで、一人の日本人として、自分の国に貢献できるということは、大変名誉なことなのです。
ただし、心配なことがあります。
それは、どんな観光列車も運営していく中で必ず営業的な壁にぶつかるということです。
初期需要が一巡したときに、どうやって集客するか。
どうやったらお客様に飽きられないようなサービスを継続して提供していくか。
シーズンオフの集客も含めて、これはとても大きなテーマで、観光列車を始めたばかりの鉄道会社に簡単に結果が出せるものではありません。
つまり、近い将来、「どうしてよいかわからなくなってしまう」ようなローカル鉄道が必ず出てくるんです。
そうなったときに、「やっぱり駄目だったか。」ではせっかく盛り上がった気運が消えてしまいます。
でも、いすみ鉄道にはいろいろな蓄積があります。
他でも公募社長が奮闘して、身を削るようにしてがんばってきた結果がノウハウとして蓄積しています。
だから、今、私たち公募社長に求められることは、全国いろいろなところで頑張っているローカル線の、いろいろな企画や商品が、どうやったら末永く販売していくことができて、どうやったら持続可能なシステムになるか。
そういうことのお手伝いもさせていただくことも、使命ではないかと考えているのです。
だから、一畑電車のお二人に申しあげたんです。
「お手伝いしますよ。われわれにはノウハウがありますから。」と。
こういうことも一つのビジネスとして、求められるところにサービスを提供していくこと。
そこに需要が埋もれているのであれば、当然、掘り起こしていくことも大事な仕事なんですね。
全国の鉄道会社の皆様。
私たちがお手伝いさせていただきますよ。
ただし、お値段は相当いただきますので、そこのところ、よろしくお願いいたします。(笑)




▲昨日はこんな列車も走りました。
ある団体の皆様の貸切列車です。
特製のヘッドマークを取り付けて、列車の中で演奏会が行われました。
貸切列車にすれば、お好きなヘッドマークも取り付けられます。
ヘッドマークの製作も含めて10万円もあればご自身の企画した列車が走ります。
平日なら国鉄形車両でもできますし、土休日でも新型のキハ20で可能です。
いかがですか?
いすみ鉄道で過ごすあなただけの休日を企画してみてください。