東武東上線の脱線事故

今日、東武東上線で脱線事故が発生しました。
場所は中板橋駅を出て大山に向かうところ。
私のかつての庭みたいなところですから、線路の構造がよくわかります。
中板橋駅は急行電車を通過させるために各駅停車が側線で退避する構造になっています。
事故発生の時刻から考えて事故列車は成増発池袋行の750列車ではないかと思いますが、中板橋駅で通過列車を退避して、側線から発車し、分岐器を通過して本線に合流ところで脱線しているようです。
側線から本線に合流した電車は、通常ならば勾配を上り、右にカーブして病院の横を通って水平直線になって大山へ向かうはずですが、速度が出ていない側線から本線に合流する部分で脱線が起きています。
最近、気になる脱線がいくつも発生しています。
たとえば、2013年9月に中央線の相模湖駅構内で発生した普通列車の脱線事故。
カーブの駅で、低速で停車直前の電車が脱線しています。それも10両編成の一番後ろの車両です。
2014年6月には小田急線の相模大野構内で、回送電車が脱線しています。
これも分岐器を低速で通過しているときに発生しているようで、編成中の中間から後ろが脱線しています。
今回の東上線もそうですが、どれも同じなのは、低速で運転中にカーブや分岐器で脱線していること。
そして、お客さんが少なくて車両が軽い時に発生していること。
昔は、事故が発生するとすれば、速度超過していたり、積載重量がオーバーしていたりと、規定を超える状況が原因ということが多かったと思いますが、回送電車も含めて、車体が軽い状態で、速度が遅い時に、脱線事故が相次いで発生しているというのは、事故調査の目的である再発防止という観点から考えると、対策の立て方がとても難しいのではないかと思います。
そして少なくとも昔はこのような事故はなかったと思います。
線路の状態で言うならば昔より今の方がはるかに良くなっている。
線路がよくなっているのに、昔発生していなかったタイプの事故が、低速で、車体が軽い時に発生している。
いったい何なのだろうか。
「可能性が考えられる。」というような調査報告では再発防止には役立たないわけで、昔発生しなかったようなタイプの事故が、近年立て続けに発生しているのはどうしてなのか。
何か、大きな見落としがあるか、考え方を変えなければならない部分があるのか、とにかく交通事業者としては、考えられる安全対策を取っていても、未知の部分で事故が起きるという点で、油断はできないと考えるのであります。
現場でお客様の対応にあたっている職員の皆様。
本当にご苦労様です。
復旧まで頑張ってください。

▲1975年 東武東上線 大山
40年前です。
当時はあまり考えられなかった事故が発生しているというところが、再発防止にとって原因究明のスタートになると思います。