本当なのかなあ

YAHOOのニュースにこんな記事が出ていました。
「もう来ないで下さい」栃木・真岡鉄道が「撮り鉄」に断絶宣言!
もともとは地元の 下野新聞のこの記事 ですね。
真岡鉄道のFACEBOOKページに書かれている心無い鉄道ファンに対するメッセージの一部分を引用して見出しを付けたもの。
タイトルだけを見るとずいぶん過激に見えますが、私は「本当なのかなあ」と思いました。
そこで、いろいろと見てみたのです。
もともとの真岡鉄道のFACEBOOKの文章はこうなっています。
【転載】

おはようございます。
土日は桜も満開となり、こちら北真岡 第二駒塚踏み切り付近はかなりの撮影者でした。
写真は先週、鎖で三脚、脚立が結ばれていた所です。


どう感じますか?

踏みつけられた菜の花。

何を撮影したいのですか?

たかが菜の花?

綺麗に咲いている菜の花を踏みにじって何も感じないのでしょうか?

地元の方たちが手をかけて咲かせていることをわからないのでしょうか?

昨日は久下田駅付近で路上駐車が酷すぎるとクレームの電話が有りました。

真岡鐵道は少ない人数で運営しており、警備などに人手はかけられません。

正直、線路のそばで撮影されている方はほとんどが真岡鐵道の敷地に侵入しております。はっきり言って違法だと思いますが、ここまでは、とグレーゾーンで対応してましたが、今後は地元警察に協力頂いて対応せざるを得ないと思います。

全国的に見ても、北真岡のような撮影スポットはそんなに無いと思いますし、こちらもたくさんの方にお越し頂き、実際に素晴らしさを感じて頂きたいのです。

この投稿を見て、もしも該当するような事をされてしまった方がいらっしゃいましたら今後はそのような事を絶対にしないでください。関係無い、今迄通り好き勝手やる、そう思った方はもう来ないで下さい。
【転載ここまで】
私の考えとしては、FACEBOOKの文章を読んだ地元の新聞記者が記事として取り上げる際に、できるだけ読者の目を引く記事にするために、一番最後の1文をタイトルにして、「真岡鉄道が撮り鉄にもう来るなと言っている。」としたのは明らかですね。
真岡鉄道の真意が、「撮り鉄は来るな」と言っているわけではないんですね。
でも、この栃木の田舎の新聞が、全国ネットに取り上げられて、瞬く間に拡散したのでしょうから、この記事を書いた記者や編集者にとってみたら「してやったり」の心境でしょう。
マスコミ。つまりマスコミュニケーション・メディアというのは、マス(大衆)に訴えるためのメディアですから、その大衆が喜ぶような書き方をするわけです。そして、その記事を読んで「ああでもない、こうでもない」と言っている皆様方が、その大衆なのです。
いすみ鉄道でも私がさんざん言ってきていますが、春のシーズンになるとたくさんの人がやってきます。そして、人が多くなればなるほど、トラブルが増えます。その理由は分母が大きくなる分、阿呆連中が増えるからです。
人間の集団というのはだいたい2-6-2に分けられます。
2割の優秀なグループと、6割の普通の人たち、そして2割の阿呆です。
別に人を差別しているわけではないですよ。
人間が動物である以上、そういうものなのです。
これは何も勉強ができるできないだけじゃなくて、運動が上手なグループと下手なグループであったり、歌がうまいとか、工作が得意だとか、そういう得手不得手も含めて、だいたいの比率でグループ分けできるのが人間ですから、自己中心的な人や、物事を人並みに理解できない人、人の話を理解しない人も、ある一定の比率でいるわけで、春の観光シーズンになって、やってくる人が増えれば、それだけそういう人たちも増えるということです。
でもって、そういう人たちは、もともと自己中心的であったり、物事を人並みに理解できなかったり、人の話を理解する能力に欠けているわけですから、阿呆な行動に出るわけで、それが目立つようになり、これが撮り鉄が嫌われる原因になるわけです。
でも、私はいつも思うんですよ。
ニュースになるということは、めったにないことが起きているということですから、別に撮り鉄全員が悪者であるわけはないし、問題行動をするようなのは100人いればせいぜい2~3人ぐらいでしょう。ただ、その100人中の2~3人が、1000人やってくれば20~30人になるし、1万人やってくれば200~300人になるというだけの話です。
こういうのは「歩留まり率」の一種で、コンビニが商品を仕入れるときに売れ残って廃棄する商品をあらかじめ何パーセントと見込んでおくのと一緒で、そういう連中は廃棄対象物と同じようなものですから、私は取るに足らないことだと考えています。
1個も廃棄したくないのであれば、商売などやらない方がよいのと同じで、やってくる人全員にマナーを守らせようと思うのなら、SLなど走らせなければよいし、菜の花など植えなければよいのです。
ただし、こういうことを堂々と言うのはいすみ鉄道の社長ぐらいなもので、そういう点では私も阿呆の割合の中の一人なのでありまして、菜の花を踏みつけようが、線路を横断しようが、ある一定の比率でそういう阿呆はいるという前提で、「事故だけは起こさないように」と考えておりますが、真岡鉄道さんの職員の方々は、きっと真面目な方なんでしょうね。こういうことが許せなくなってきているんでしょう。何しろ、菜の花の季節は数週間続いていましたし、その最後の時期に桜と重なりましたから、目に余る行為として見えたんでしょうね。


自分の場所取りをしている連中の撮影道具。
こんな状況を毎週のように見かけるようになって、本当に腹が立ってきたのかもしれません。
私なら、こういうのを見かけたら、猫の雲古を水で溶いたものをバケツに入れて持って行ってぶっかけておきますけどね。
真面目な人はそういうことはできませんね。
でも、彼らも、たくさんの人が沿線に来てくれるというのはうれしいはずですよ。
なぜなら、赤字の会社が地域に人を呼ぶツールになっているわけですから。
いすみ鉄道もそうですが、沿線地域自体も疲弊している中で、赤字ローカル線が地域の広告塔になって、地域に人が来る存在として認められるということは、地域に必要な存在になるということで、地域に必要な存在になれれば、廃止の議論など出なくなるし、そうすれば地域の足も守られるし、雇用だって守られるわけです。
そういう時に、地域住民から、カメラマンがマナーが悪いとか、違法駐車ばかりだと言われると、地域の役に立ってることの意義が問われているように感じるわけですから、鉄道会社の職員だってがっかりするし腹も立つわけです。
私はね、うちの運転士さんたちにも言ってるんです。
非常ブレーキを引くような事態になるのは自分にも原因がある。
そういう危険な場所は運転士なら十分に理解しているはずだから、汽笛を鳴らしながら徐行して走るべきで、会社としてはその分の遅れを見込んで観光鉄道としてのダイヤ設定をしてあるわけです。それを何も考えずにいつもと同じ速度で入っていくから非常を引くことになる。いったん非常を引けば徐行して走るよりも遅れるわけで、いくらダイヤを寝かしてあると言ったって列車は遅れる。もちろん危険を感じたら躊躇せずに非常ブレーキをかけるスキルは持っていなければなりませんが、乗務員の性向として、徐行標識がないところでは自ら徐行するようなことは基本的にしませんから、その部分であらかじめ自分で考えて運転しろというのです。
つまり、シーズンになって混雑してくれば、その分阿呆が増えるのはわかっているから、いちいちそういう阿呆に腹を立てているようでは、同じレベルになるということなのです。
これが私の考え方です。
このブログの頭にも書いてありますが、「社長が何を考え、どういう方向性やポリシーで進んでいるのかを皆様方にご理解いただいたうえで、観光にお越しいただく。」ということが、観光鉄道としてのローカル鉄道の基本であります。
なぜならば、観光というのはファンビジネスであり、ファンの皆様方にいらしていただくことで成り立つからで、そのファンになっていただくためのメッセージがブログやFACEBOOKであるからです。
「京都なんか古いお寺ばかりで俺は嫌いだ。」という人は京都のファンではありませんから、そういう人は京都には行きません。
そして、観光というのは、「京都なんか嫌いだ。」という人たちに、「お願いしますから、一度いらしてください。」というビジネスでもありません。
そういう点では、真岡鉄道さんの今回の情報発信は、とてもわかりやすくはっきりしているわけです。
「そういうやつらは来るな。」と言っているわけですからね。
ローカル鉄道のリーダーシップを発揮している素晴らしい情報発信だと私は思います。
「昭和のオンボロのキハなんて乗りたくない。もっときれいな車両でレストランをやれ。」
そういう人は、いすみ鉄道のお客様にはなれない人ですから、いらっしゃらなくて結構です、ということなのです。
真岡鉄道の皆さん、一緒にがんばりましょう。
「2-6-2」の上位8割の皆さん、いすみ鉄道も真岡鉄道も皆様の味方ですよ。
写真撮りに来るだけでも良いからいらしてくださいね。
そして地域にお金を落として行ってください。
「2-6-2」の下の2割の皆さん、「来ないでください。」と言われないように頑張ってくださいね。
「来るなと言った真岡鉄道」にネット上で批判的なことを書き込んでいる連中は、「来るなと言われたことに腹を立てている」ということで、そういう人たちはだいたいこのカテゴリーに入るということを、皆さん知っておいてください。
それでは、今度の週末も、ファンの皆様方のお越しを、真岡鉄道、いすみ鉄道ともども、お待ちいたしております。