一雨千両

 雨の日が多くなってきました。
昔の人はいろいろなことを考えていたようで、「一雨千両」などという言葉があります。
ひと雨降ると山の木々が成長して大きくなりますから、その分資産価値が上がるというような意味合いだと思いますが、紀州の方では「一雨三千両」などとも言われ、林業が基幹産業だった時代は、雨が降ると三千両も儲かったというようなことでしょう。
「一雨潤千山(いちうせんざんをうるおす)」という言葉もあるようで、これは、天からの恵みである雨は、平等に皆さんを潤してくれるという意味だそうです。
金持ちにも貧乏人にも平等に雨は恵みをもたらしてくれるという昔の人の考えですが、今は、雨というといきなり大雨が降るゲリラ雨だったり、鉄砲水だったりと、マイナスのイメージしか思い浮かびませんが、昔も今も、農家の皆さんにはもちろんのこと、私たちの生活にも、「ある程度の」雨は必要なんですよね。
ということで、このところ、一雨降るごとに山の緑が濃くなって、季節の移り変わりを感じます。


今日のいすみ鉄道です。
とても緑がきれいだったので、ジオラマモードで撮ってみました。
いいところでしょう。
東京から1時間で来られるローカル線としては絶好のロケーション。
それがいすみ鉄道です。
でも、この季節は先ほど申し上げましたように、雨が降ると草が伸びて、線路を覆います。
これは車輪が滑走してブレーキ距離が延びる危険性がありますから、除草剤をまいたり、草刈りをしたりで、実は今の季節は結構忙しいんですね。
特に、いすみ鉄道沿線に多いのは「竹」。
そりゃそうですよね。タケノコの里ですから。
この竹が一雨ごとにグングン伸びて、伸びた若竹が雨の重さでしなって線路に覆いかぶさります。
そこに列車が通りかかると、危険というわけではないのですが、やはり車体に細い若竹が当たるとムーミン列車の塗装に傷がつく可能性がありますから、運転している運転士さんたちは気が気ではありません。
そこで運転士さんたちは、乗務以外の日勤日に自分たちで当番を決めて、ふだん乗務中に気になる箇所の竹狩りに出動するのです。

こんなうっそうとした切り通しを抜けると・・・・


久島運転士と佐渡運転士が一生懸命作業中です。
彼らは自社養成乗務員ですが、いすみ鉄道では運転だけをしていればよいというのではありません。
だいたい3日乗務して2日日勤という形ですが、乗務中に気付いたところをこうして作業してくれているのです。
もちろん、専門の機械が必要な高所作業などは列車終了後の夜間作業となりますが、ローカル線で地域貢献したいという強い意志を持って働いている人たちですから、できることは自分たちで率先してやっているのです。
簡単そうに見えますが、50のおじさんにこの作業は結構つらいですよ。
私などは線路の上を歩くだけで足がつってしまい、肉離れ状態ですから。
今年は工務課の職員が1名マイナスですので、こういう作業も分担制になるのです。
お二人ともお疲れ様でした。


それにしてもすごい山の中でしょう。
東京育ちの私の目には、この景色はたまりません。
私はいすみ鉄道沿線がとても気に入っているのです。
でも、良い子は線路に入ってはいけませんよ。
あと、沿線で撮影の際はアブ、ハチ、ヒルにご注意ください。(特に大多喜より山側)
さあ、来週はホタル列車です。