ローカル線の可能性は無限大です。

昨日は台湾鉄路管理局(台湾国鉄)の鉄路節(鉄道記念日)の式典にお招きいただきまして、127周年を迎えた台湾国鉄の行事に参加してまいりました。
台湾の国交大臣(葉交通部長)のお話に始まり、鉄路局長(国鉄総裁)のお話、そして優秀職員の表彰など、ミュージカルや寸劇を交えて和やかに式典が行われました。
台湾の国鉄は日本時代に建設が始まったことに端を発していますが、日本の鉄道ができてから今年で142年ですから、日本が台湾に鉄道の建設を始めたのは、明治5年に新橋―横浜間に岡蒸気が走り始めてからわずか15年後。まだ、国内に幹線鉄道網が整備される以前から、台湾に設備投資を行っていたということです。
詳細な事情はいろいろあったと思いますが、国と国との歴史はさておいて、今、その台湾国鉄が、おそらく日本のJR各社よりも活況を呈していて、ただでさえ旺盛な輸送需要があるところに、日本時代に建設された路線や駅舎を観光資源として活用し、鉄道を使った観光需要を喚起して、それが形になってきているということは、私は素直に勉強させていただくべきだと考えています。
ということで、昨日は、由利高原鉄道の春田社長さん、JR四国の矢田部長さん、江ノ電の山田部長さんその他大勢の日本からの参加者と一緒に、式典の後にも祝賀会にお招きいただき、懇親を深めさせていただきました。
台湾国鉄の皆様方、ありがとうございました。
誰とは気づかずに「乾杯!」などとやってしまいましたが、きっととても偉い人たちだったんでしょうね。

式典で演説される葉交通部長(日本の国交大臣に当たる役職)です。

式典の合間には寸劇を上演。台湾国鉄の現業部門の職員の制服は黄色いポロシャツです。いすみ鉄道と同じですね。

祝賀会出席の方々の記念撮影です。歴代の幹部の方々も出席されていました。

台湾鉄路管理局の周局長さんと友好の記念撮影。
台湾国鉄伝統のお弁当箱を記念品としてプレゼントされました。
この方も雲の上ほどの偉い方なんですが、とてもフレンドリーな方で、親近感を覚えました。大物なのに、見習うべき人です。


でもって、こちらは単なる呑兵衛親父と化した公募社長2人組。
(見習ってはいけない人たちです。)
こういうところでいろいろなアイデアを交換して具現化するのです。
つまり、ここがビジネスのスタートラインなんです。
呑兵衛親父2人組ですが、実は、この写真はまだお酒が入る前に、今のうちに撮りましょうと言って写したものなんです。
飲む前も、飲んだ後も一緒か。
日台友好の名の下に、気が付いたら午前様という、しこたま飲んだのでありました。


そして一夜明けた今日は列車で七堵機務段(車両基地)へ。
この列車は台湾国鉄が私のために用意してくれた専用列車で・・・
というわけではありません。
始発駅からでガラガラのところを写してもらったものです。
(それにしても、どの写真も台湾の湿気のために私の髪の毛は爆発状態。何とかならんかねえ。まだ髪の毛があるだけマシか。)

七堵機務段の何段長さんは昨日、周局長さんから勤続40周年の表彰を受けた方ですが、今月で退職されますので、在職中最後のごあいさつにお伺いいたしました。
(この写真は、ブログにUPした昨日の表彰式を段長さんにご覧いただいているところです。)
現場たたき上げの方で、まだまだお若いのにもったいない感じがしますが、退職後も後輩の指導に当たられるようですので、今後もお付き合いできると安心しました。

今回もいろいろお世話していただいた七堵機務段の劉さんと奥様。
基隆で最高級のステーキをごちそうになりました。
劉さんは七堵の指導機関士で、昨夜は牽引定数を超えた貨物列車に急きょ補機乗務して深夜勤務をこなされての夜勤明けにもかかわらず、いろいろご案内いただきました。
「鳥塚社長さん、今度、補機にカメラもって乗りますか? 深夜ですが。」
とおっしゃっていただきましたので、また目標ができました。
劉さん、今回もありがとうございました。
いすみ鉄道は現在、台湾国鉄のローカル線で観光鉄道化に成功した集集線という路線と姉妹鉄道化に向けて準備を進めています。
集集線と言ってもお分かりにならないかもしれませんが、おとといの日曜日に貴婦人と呼ばれるC57型SL(台湾での形式はCT273)が台湾で復活し、運転されたニュースをNHKが日本でも放映してくれたようですが、そのC57が復活運転したのが集集線の始発駅二水です。
ただ、姉妹鉄道提携といっても、私の場合は社交儀式ではなくて、本当に友達として仲良くなって、お互いを尊敬するところからスタートですから、「友好」というのは深いものだと思っているのです。
たとえ国が違っても、線路はつながっているんです。
これが、ローカル線の持つ可能性であって、ローカル線というのは、あくまでも地域鉄道として地域の輸送が第一義的使命なんですが、それ以外にも様々な使い方があるということを示していくことが私たち公募社長の使命なんです。
そういう意味では、ローカル線の可能性は無限大なんですね。
軽い気持ちで「公募社長を募集すれば何とかなる。」と思っていた地域鉄道を取り巻く行政の皆様方、いかがですか?
ローカル線の計り知れない可能性を、そろそろ認めていただいてもよろしいんじゃないでしょうか。
でも、私は皆様方を批判しているわけではありませんよ。
その公募社長に応募した私は、もっと軽い気持ちで「何とかなるさ。」と思っていたのですから。
要は、明るく楽しくやりましょうよ、それが、「世のため人のため地域のためになる。」ということなんだと思います。
楽しいところに人は集まる。
それが活性化です。
お金がなくても、ど田舎でも、いくらだって勝負ができるんですね。
それがローカル線が持つ可能性です。
そしてその可能性は無限大なんです。