平日のキハ

いすみ鉄道の車両オーナー、サポーターの皆様方へは直接お知らせさせていただきましたが、9月に入ってからというもの、このところ平日にもキハ52、キハ28が運転されています。
これは、乗務員のハンドル訓練としての運転で、つまりは回送列車なので、お客様はご乗車いただけませんが、土休日がお休みじゃない方々にとっては、またとない撮影のチャンスかもしれません。
さて、このハンドル訓練でキハに乗務しているのは、いすみ鉄道自社養成運転士の第1期生4名のうちの2名。武石運転士と高崎運転士です。
彼らは2010年5月に第1期生としていすみ鉄道に入社し、鉄道マンとしての心構えを学ぶための研修期間、学科研修、実技研修を経て、2011年の年末に免許を取得。その後、実際の乗務に向けての研修を8か月間続け、2012年の夏前に一人前の運転士として乗務を開始いたしました。
それから1年以上が経過し、列車の運転も板についてきたことから、この秋からキハのハンドル訓練に入ることになりました。
いすみ鉄道にはいすみ200型、300・350形(運転操作はほぼ同じ)、そしてキハ52・28(こちらも操作はほぼ同等)の3種類の車両があり、運転の方法や機器配置などが違いますので、私もそうですし、運輸課も慎重になってきましたが、いつまでも「お前にはまだ早い。」では、地域活性化の足かせになっているどこかの爺さんと同じですから、思い切って乗務開始したのです。
とはいえ、まだまだ一人前への道のりは遠く、一人でデビューするのは当分先ですが、本人たちは「ついにキハのハンドルを握ることができた。」と、顔には出しませんが、内心は大喜びのはずです。
というのも、2010年3月に訓練生の説明会の席上で、私の口から、当時はまだ未発表であった「キハ52を導入する。」という言葉を聞いて、いすみ鉄道に応募する決心をした二人ですから、私も社長としてコミットメントを実現することができてホッとしているところです。
さて、いすみ鉄道で走っているキハ52・28は観光用の列車です。
もちろん、地元のお客様もご乗車されますが、キハに乗られるお客様のほとんどが観光目的でいすみ鉄道にいらっしゃる、そういう性質の列車ですから、時刻通りに安全正確に走らせることはもちろんですが、観光列車の乗務員としてはそれだけではダメなわけで、お客様の期待に沿えるようなプラスアルファ―の仕事が求められています。
例えば、写真に一緒に写ったり、小さな子供に話しかけたり、列車の窓から手を振ったり、沿線で待っているカメラマンに対してサービスの汽笛を鳴らしたり、ふだんの運転とは違うプラスアルファ―な何かをできる人でないと観光列車の運転士は務まらないわけです。
だから、何十年列車の運転をしているからと言って、「ではお願いします。」と言うわけにはいかないわけで、そういうことを理解している人でなければ、いくら運転技術が上手でも、私は観光列車の運転士としては不適格だと考えていますが、不思議なことに、運転技術がうまい運転士さんというのは、仕事に余裕があるからでしょうか、サービス精神も旺盛で、いすみ鉄道でキハをやらせたら一番のこの道40年以上のベテラン、恋塚運転士さんが、一番サービス精神が旺盛で、その愛弟子が武石さんで、高崎さんなのです。
本当は1度に1期生4名を全員キハの訓練に入れたいのですが、訓練枠と本人の希望などを考慮して、今回の2名となったわけであります。
まだまだハンドル訓練の段階ですが、春ごろには一人立ちできると思います。
皆さん、見かけたら応援してあげてくださいね。
もちろん黄色い列車に乗務している訓練生4名も頑張っていますので、よろしくお願いします。

[:up:] 大原一往復を終えて大多喜に戻ってきたキハ52。本日は1両でした。


[:up:] 大多喜駅構内で入換をする武石運転士。慎重なブレーキ操作ですが、車両がなかなか言うことをきいてくれないようです。影山運転士と麻生運転士が付きっきりで指導してくれています。
さてさて、来春入社の自社養成乗務員訓練生ですが、現時点で2名募集枠ができました。
募集人数が少ないので大々的に宣伝は致しませんが、ご希望の方がいらっしゃいましたらいすみ鉄道まで履歴書をご送付ください。
エントリー形式を採用していますので、枠ができ次第のご案内となります。
訓練費用700万円は自己負担です。
現在この制度を利用して7名が正式に免許を取得し、年内取得に向けて2名、来年に向けて4名ががんばっています。
だんだん残りの募集人数にも限りが見えてきました。いすみ鉄道は免許取得のための養成学校ではありませんので、必要な運転士の数が確保できれば終了となります。
この制度で鉄道の運転士になりたいという方がいらっしゃいましたら、できるだけお早めに行動されることをお勧めいたします。
履歴書をお送りいただく場合は、封筒表面に「自社養成訓練生応募」とお書きください。
いすみ鉄道で先輩たちと一緒に職業を通じて自己実現しませんか。