こまった時にはいすみ鉄道

最近では本当にたくさんのテレビ局やラジオ局の皆様方がいすみ鉄道に取材にいらしていただいています。
ちょうど菜の花が見ごろを迎えているので、話題としては時期的にピッタリだからですが、そうやっていろいろな局の方々や雑誌の方々がいらした時に、私は「こまった時はいすみ鉄道へご相談ください。」と伝えています。
例えば、列車の中で喫煙シーンを撮影したいとか、犬を連れて乗れるシーンを撮影したいとか、他の鉄道会社ではまずOKにならないようなことも、いすみ鉄道でなら可能ですよ、と言うことで、マスコミの皆様方に「便利だ」「重宝する」と認識していただき、ご用命にあずかることも、ローカル線としては大事なことだと考えているからです。
もちろん、ご要望にお応えするためには、いろいろ対策を考えなければなりませんし、1本臨時を走らせるなど、そのためのコストもかかります。
でも、私は最初から「できない理由を探す」ような時間の使い方はしたくありませんので、いただいたお話はすべて前向きに検討することにしています。
自分もカメラを回す人間ですから、ディレクターさんに「何が撮りたいのか」「どういうシーンが撮りたいのか」を聞いて、「それだったらこうすれば可能です。」「それは無理ですが、こういう方法ではどうでしょうか。」というように提案して、実現できる方法を探していきます。
何でもそうですが、餅は餅屋ですから、向こうは映像のプロで、こちらは鉄道のプロなわけです。知恵を合わせれば必ず前に進みます。
そういうことをしているから、これだけいすみ鉄道を取り上げていただいているわけです。
こういうことも立派なすきまビジネスだと思います。
大手ができないことや、アホらしくて付き合ってくれないようなことも、いすみ鉄道なら真剣に話を聞いて、もちろんお金はいただきますが、どうやったらご希望に添えるかを考え、期待に応えることが、需要を開拓することだと考えています。
ということで、実は昨日も車庫の中の車両を使って深夜まで撮影が行われました。
誰も乗っていない回送電車の中で、鉄道会社の職員が犯罪を犯したという事件があったようで、その事件の再現フィルムの撮影。
「絶対にいすみ鉄道さんだとわからないようにしますから」ということでしたが、キハ52の車内で撮影してれば、見る人が見ればすぐにわかっちゃいますけどね。
業界って狭いですから、各種ご要望にお応えすることで、マスコミの皆様方に「こまった時にはいすみ鉄道に相談しろ。」という口コミができれば、再現フィルムのみならず、CMやイメージビデオなどなど、いろいろなところにいすみ鉄道が登場するようになると思うのです。
そう思いませんか?
だいたいCMやドラマに出てくる鉄道っていつも同じでしょう。
現状に危機感を感じて新しいことを一生懸命やっている鉄道と、余計なことをしなくても十分だと思っている鉄道があるわけですが、いすみ鉄道はそのどちらでもなく、日々、生きていかなければならない鉄道だ、ということなのです。
「おい、その首の上についているのは何なのか? 生きてるうちに使うところだろ!」
そう言われないように、一生懸命次のことを考える毎日です。