Perishable item

航空会社の仕事で、ロードコントロールという仕事があります。
飛行機の各部分に搭載する貨物や荷物、乗客などの重量をコントロールする仕事で、ライセンスを必要とする資格仕事ですが、かれこれ20年ぐらい前に、私はこのライセンスを取得するべく、ロンドンへ派遣されました。
2週間缶詰めになって勉強して試験を受ける。
その試験に受かるとさらに2週間缶詰めで勉強してまた試験を受ける。
そんな厳しいコースでしたが、そのコースで教官から搭載物品に関して注意しなければならないことを教わりました。
可燃性液体や可燃性のガス、放射性物質、ドライアイスなどの危険物は搭載する場所が限られていて、その量によっては旅客機で運ぶことができず、貨物専用便でなければ運べない。
生鮮野菜は呼吸をしているので火災感知器の下に搭載すると、感知器が誤作動する恐れがある、など、細かな規定を勉強するわけですが、その中にPERISHABLE ITEM(腐りやすい物品)という項目がありました。
航空貨物で運ぶ商品としては鮮魚(まぐろやスモークサーモンなど)や果物類などがあります。また、ワクチンなども範疇にはいります。
機長は自分の便のどこに何が搭載されているかを把握しなければなりませんが、そういうPERISHABLEな品物を積んているときは、機長にもそれなりの対応が求められるからです。
そんな授業の中で、教官が「新聞はPERISHABLEだから注意するように。」と言いました。
新聞紙は紙ですから温度管理も要りませんし、特別な手配を必要とするものではありません。
それなのにPERISHABLE(腐りやすい)というので、皆が????となったのですが、考えてみれば新聞は翌日になったら商品としての価値がないわけですから、「腐りやすい」商品の代表であるのです。
その時私は「へ~、外人はこう考えるんだなあ」と思いましたが、航空貨物として運ぶのですから、価値がなくならないうちに相手に届けなければならないのは当然のことなのです。

さて、本日の毎日新聞の朝刊の千葉版。
いすみ鉄道の取り組みを取材していただいたものが掲載されました。
とってもありがたいとこなので、できればいつまでも皆さまの目に停めていただきたいのですが、先ほどから申し上げているように新聞は「腐りやすいもの」。
明日になったらだれの目にも触れなくなってしまいます。
でも、その記事に載っている私の写真。
髪の毛が薄くなってるし、顔はむくんでいるし。
PERISHABLEな新聞だから、皆の目の前から早く消えてしまえばよいと思っている自分がいることも事実です。
これが週刊誌だったら1週間、月刊誌だったら1箇月の賞味期限があるわけですから、新聞がPRISHABLEで良かったなあと思います。
本日の英会話! PERISHABLE(ぺリッシャブル) 
覚えましたね。