今回の地震の影響でしょうか。
成田空港の一部の便の発着が乱れています。
私が以前に勤めていたBAでは成田―ロンドンを香港経由で運航しています。
エールフランスでは成田―パリをソウル仁川経由で、
フィンランド航空では成田―ヘルシンキを名古屋経由で、
カンタス航空では成田―シドニーを香港経由で、
エアカナダでは成田―トロントを大阪関西経由で、
スイス航空は成田―チューリッヒを香港経由で、
それぞれ経由した運航措置がとられています。
飛行機の航続距離は直行するのに全く問題はありませんが、いったいなぜこのような措置が取られているのでしょうか。
それは、クルーイング(乗務員の運用)のためと思われます。
つまり、余震や計画停電が続く成田にはクルーを宿泊させることは適当ではないと会社が判断し、クルーの滞在先を他へ移しているからです。
エールフランスを例にとって考えると、パリからの飛行機を一旦ソウルに着陸させて、ここでクルーを交代させます。
ソウルからのクルーは成田まで乗務した後、そのまま折り返し便のパリ行に継続乗務します。
成田を出たパリ行は、再びソウルに着陸し、クルーを交代させてパリへ向かうのです。
つまり、クルーは3パターン。
パリ→ソウル
ソウル→成田→ソウル
ソウル→パリ
となるわけで、経由する分だけ4~5時間飛行機が遅れます。
当然、パリから先に乗り継ぎがある人たちは予定が大幅に狂うことになりますが、自然災害ですから、ホテルの手配や余分にかかる費用負担については航空会社としてはお客様に何もしてあげることができません。
それでも文句をいう人たちには、「ではご旅行をお止めください。手数料なしで航空券を払い戻しいたします。」と、こうなるわけです。
私たちのように日本に住んでいる人、東京近辺に住んでいる人たちは想像だにしませんが、外人から見ると、今の成田は「危ないところ」なのです。
「ああ、外国から見ると、日本はこのような場所に見られているんだなあ」、と思うあなたは、国際感覚を持った人ですね。
ただし、このクルーの宿泊地変更は、あくまでも余震と計画停電などに伴う滞在中のクルーの不安や不便さを解消するためのもので、原発とは全く関係ありません。
もし、本当に原発が危険な状態だったり、これから危険が予測されるならば、彼らは飛行機を日本に飛ばしてきませんからね。
だから原発は大丈夫なのです。
そういうことを観察するのも客観的に原発の状況を判断する一助になると思います。
よく、いろいろな方から私の着眼点を質問されますが、これが私の物の見方です。
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