台湾国鉄の旅 その2

台湾の南部を走る南廻り線と呼ばれる区間は、台湾で一番のローカル区間のため、日本と同じように一番古い車両が使われている。
私が乗った列車も、走行中にドアが開いてしまうようなオンボロ客車を10両近くひきつれて、亜熱帯の町中を走ります。

良く見ると、中継信号機(3つの電気が横に並んでいる)も日本と全く同じ。
本当に懐かしい鉄道シーンなのです。

ところで私はというと、なぜかいつも運転席にお邪魔してカメラを構えているのですが、運転する運転士さんの手元を見ると、運転時刻表まで日本のJRが使っているのとまったく同じ。駅名もすべて漢字だから、言葉が通じなくても全く違和感がないというか、自然体でいられるのです。
ちなみに機関車列車ですから、発車後に運転士は窓から顔を出して後ろを向いて、ちゃんと客車が付いてきているか、異常がないかを確認しますが、その時の喚呼は 「後部オーライ!」
日本語と全く同じなのには驚きました。
出発信号が青になって、発車できるようになると、日本では「出発進行!」ですが、台湾では「開通オーライ!」
発音は日本語です。

運転席の上の方に書かれている文字がこれ。
なむあみだぶつと赤字で書かれているのを見つけた時にはこの車両は事故の経歴があるのかと思いドキッとしましたが、お守り代わりに全部の車両に書かれているのだそうで、やはり仏教の国なのだと感心しました。

しばらく走って見えてきたのがこの鉄橋。
台風で崩壊して使われなくなったのか、使われなくなった後で崩壊したのかは定かではありませんが、こういうワイルドなところも、台湾のおおらかな一面なのかもしれません。
そうやって列車は果樹園とウナギの養殖池の中を、ゆっくりと坊寮(ファンリャオ)に向かって進んでいきます。