極楽から地獄へ

昨日は名古屋市内に宿泊して、本日は帰り道。せっかくだからと明知鉄道を回ってみることにしました。

明知鉄道は同じ第3セクター鉄道の仲間ですが、昭和60年に国鉄の赤字廃止対象路線を地元が引き継いだ路線で、第3セクターでは老舗です。
ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、列車の中で宴会を始めたり、食堂列車を始めたのも明知鉄道が最初で、時刻表に食堂車のマークを復活させたのももう20年以上も前のこと。
私もしばらく乗っていませんでしたので、いろいろと勉強になるということで立ち寄ってみました。


名古屋から1時間。
恵那駅で下車して明智鉄道に乗り換えです。
小さな待合室と切符売り場なんですが、スペースを上手に使った売店がありました。
少年が熱心にカメラを構えています。


明知鉄道の今年の新商品は夏限定のうちわ型の1日フリー乗車券ということで、購入して乗車しました。
明知鉄道は急こう配が連続する路線で恵那-明智間全長25kmの路線を50分かけて走ります。


終点の明智駅です。

明知鉄道という名前なのに駅名は明智というのはちょっとややこしいですが、もともと明知町だったのが昭和の町村合併で明智町となったとのことで、国鉄から地元に転換されるときに路線名はそのままにして、駅名は町の名前に合わせて明智となったとのことです。

同じ岐阜県には名鉄に明智駅という名前がありますので、検索されるときは間違えないようにしてください。ナビに間違えて入れると、とんでもないところに連れていかれます。

終点の明智は大正ロマンの町。
今日は時間がありませんでしたが、本当なら2~3時間滞在して街歩きをしたい雰囲気です。


帰り道。
明知鉄道には極楽という名前の駅がありまして、一つの名所になっています。
駅のホームや待合室の屋根には孫悟空に出てくる筋斗雲(きんとうん)のようなオブジェがあって、おめでたい気分になれる駅ですね。

と、思っていたら、向こうの空が急に怪しくなってきました。
筋斗雲じゃなくて積乱雲です。

そして、いきなりザザザ~ッと激しい雨が降り始めました。


雨雲レーダーを見るとこんな感じ。
たたきつける雨がかなりの区間降り続きました。
よく見ると、中津川から木曾路にかけてもマッカッカです。

なんだかやな予感。

帰りの行程はこうです。
恵那から中津川へ出て、中津川から特急「しなの」。
そして長野から上越妙高です。

恵那の駅で「しなのは動いてますか?」と確認しようとしたら窓口に駅員さんがいない。
呼ぶと奥から出てきました。
指令からの連絡を受けていたようです。そして、「今止まりました。」

横を見ると同行の池田さんが「ほうら、やっぱり。」
彼女は明日休みなので、今日中に帰れるかどうかが心配の様子。
お休みの日にはプライベートでいろいろ用事があるはずですし、私も明日は午前中に新潟県庁へ行かなければなりません。

2日前に名古屋に向かうときにも「しなの」がアウトで松本に宿泊を余儀なくさせられたばかりですから、「しなの」を信用しろと言われても無理ですよね。

こういう時は時間の勝負です。
何しろ、本来「しなの」に乗るはずだった人たちが迂回し始めますから。

駅員さんにその場で名古屋に戻って米原経由で「しらさぎ」、そして金沢から新幹線で上越妙高へと変更していただきました。

本来とは逆コースの中央線の電車に乗って、名古屋へ向かいます。

その電車の中でモニターにはこう表示されていました。
時刻は14:47って、1本前の「しなの」に乗っていたら列車の中で缶詰めになるところでした。

中津川からは高速道路で恵那山トンネルを超えると飯田まで30~40分ぐらいなので、そのルートも考えましたが、飯田線もこんな感じ。

JRの友人から長野駅の案内表示が送られてきましたが、それには「特急『しなの号』は本日すべての列車が松本まで(長野-松本間)の運転となります。」と書かれています。

なんだかずいぶんあきらめるの早くないですか?

名古屋から「ひかり」で米原へ出て、「しらさぎ」に乗り換えて金沢です。

ところが、

今度は福井県内が豪雨らしい。
「しらさぎ」が米原を出た瞬間に車内アナウンスで「遅れが見込まれます。」

雷雲に囲まれてしまった感じです。

敦賀駅で抑止中の「しらさぎ」。
北陸トンネルを出たところからノロノロ運転が始まりまして、金沢には約20分遅れで到着。

でも、車掌さんの車内アナウンスがとても丁寧で、途中駅からの接続の案内も痒い所に手が届く様な感じでしたので、不安を感じることなく接続予定の「はくたか」に間に合ったのであります。

ということで、ぐるりと遠回りをしましたが、本日中にお家へ帰ることができました。

いつも偉そうにイレギュラーに巻き込まれた時の対処法などを講釈している私ですが、帰ってこられなかったら恥ずかしいですからね。

今回は行きも帰りも「しなの」の運休にやられてしまいましたが、それでも仕事をすべてこなして、予定通りに帰宅できました。

もしかしたら運休列車の取り扱いで何か便宜を図ってもらうことができたかもしれませんが、相手に期待して腹を立てるのもバカバカしいので、さっさと行動して帰宅できたと思います。

おかげさまで今夜は自宅のベッドで寝ることができますから、極楽から一瞬地獄の入り口を見ましたが、また極楽に戻ってきた感じでございます。

では、おやすみなさい。