ドイツの高性能戦車をウクライナへ供出する話が出てきていますね。
ロシアが相手ですから、かなりの数の戦車を運ぶことになると思います。
では、いったいドイツから、あるいは西側諸国からウクライナへ戦車をどうやって運ぶのでしょうか?
答えは鉄道です。
戦車は基本的には台車に載せて列車で移動します。
こうすれば1列車で20台、30台、あるいはそれ以上の戦車を運ぶことができます。
ということは戦争中の日本もそうでしたが、鉄道というのは軍事施設ということになりますね。
つい最近まで、そうですね、20年ぐらい前までは台湾の鉄道も軍事施設でした。
私が台湾に通い始めたころは、台湾の鉄道はかなりオープンになってきていましたが、地域によってはまだホームでカメラを構えていると駅員が近寄って来て「何してるんだ。撮影禁止だぞ。」と怒られることがありました。
私たちの先輩の世代の皆様方には警察に連れていかれてカメラを取り上げられた上で、中のフィルムを没収された方も多くいらっしゃいます。
昔の人から聞いた話ですが、戦争中は横須賀線の電車が港の近くを通るときはブラインドを全部降ろさなければいけなかったようで、呉線など軍港の近くを走る路線はみんな同じような扱いを受けていたようです。
私が韓国の会社に勤めていたのはなんだかんだで35年近く前のことですが、ソウルの金浦空港もプサンの金海空港も写真撮影は禁止でした。
プサン空港などは港も近かったことから、最終の着陸態勢に入ると機内では窓のブラインドを全部閉めるように言われました。
おそらく最新鋭の軍艦や潜水艦が寄港している時だったのでしょう。
大好きなボーイング727—200でしたが、飛行機の写真も撮ることはできませんでした。
今、ヨーロッパでは鉄道が軍事施設として機能することを求められてきているようですが、日本も海を挟んだ隣国が戦争をやっている国だし、虎視眈々と領土を増やそうとしている中国がその隣にいるわけですから、いつ何時鉄道が国家の生命線になるかわからないと私は思います。
人の動きは抑制されることになるかもしれませんが、そうなると物の動きが活発になりますからね。
人流は新幹線でいいかもしれませんが、物流は在来線の仕事です。
何しろ戦車は北海道に一番多く配備されていますが、現時点で戦争が起きる可能性は日本の西の方が高いのですから。
戦争のために戦車を鉄道で運ぶような事態にならないように願うばかりですが、「大丈夫でしょう。」というのはこういう時代では根拠が乏しいと言わざるを得ません。
心構えだけはしておかなければならないと、戦車の供与のニュースを見て改めて考えました。
▲前にも出したと思いますが、いつだったか韓国の東大邱(トンテグ)駅で見た戦車を運ぶ列車。
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