銀座のホコ天

銀座の歩行者天国にマクドナルドの第一号店ができてから50年ということのようです。

50年ってすごいですよね。
何がすごいって、おぎゃーと生まれた赤ん坊が50歳になるわけですからね。
当時小学生だった私が61歳ですよ。

それよりも驚くのが、日本にハンバーガーというものが入って来てからたった50年しかたっていないということです。
なんだかハンバーガーって昔からふつうにあった食べ物のような気がするんですが、50年なんですね。

私の父と母は昭和一桁ですから戦争経験者です。
戦争が終わって仕事を求めて米軍基地で働きました。
今の練馬区光が丘にあったグラントハイツという所です。

私が子供だった頃は、父と母は子供に聞かれたくないような話は英語でしていましたから、我が家ではふつうに英語が飛び交っていたわけで、それが私に英語に興味を持たせたのでありますが、その当時ポパイというアメリカの漫画をテレビでやっていて、ウインピーという太っちょのオヤジがハンバーガーを食べているんです。
その音がムシャムシャ・シャキシャキ。

ハンバーグというものは知っていましたが、ハンバーガーって何だろう。
そう思って母親に聞いたんです。
すると、母は「ハンバークをパンで挟んだものだ。」と言います。
でも、それじゃあハンバーグサンドでしょう。
私がそういうと母は「違う! パンが丸い。」と言うわけで、でも、当時はハンバーガー用の丸いパンなんて売っていませんでしたから、まったく想像できず、理解できなかったのです。

そんな時に銀座にマックの第一号店ができました。

真っ先に買ってきたのは父親で、「おい、ハンバーガー売ってきたから買ってきた。」と袋から紙に包まれたハンバーガーを取り出して、父と母でムシャムシャ食べ始めたのです。

その時の二人にとっては、若いころ米軍基地で食べたハンバーガーの味を思い出していたのでしょうね。

「こんなまずいもの、よく売るよなあ。」

それが父の口癖でした。

アメリカ人にとってハンバーガーはうまくもなんともない食べ物で、だから、毎日食べても飽きないんだ。毎日食べても飽きないものが商売になるんだ。
父は良くハンバーガーを買ってきてはまずいまずいと言いながら「ほら食べろ!」。
でも、私たち子供にとっては実にうまい食べ物だったのであります。

そのマック50周年のCMが宮崎美子さん出演だそうで、思わず見入ってしまいました。

宮崎美子、50年前の”少女”を熱演 マクドナルド銀座1号店がCMで再現 新テレビCM 「僕がここにいる理由」篇

50年前か。

50年前って、こんな電車が走っていた時代なんですよね。

やっぱ、懐かしいか。

戻ってみたいようで、戻りたくないような。

会津若松に夜行で行ったら汽車が走っているってのは良い時代だったのかなあ。

と、CMを見て思いました。