素直にきちんと評価したい。

今日は御巣鷹山の日ですね。

1985年の今日、日本航空のジャンボ機が墜落し、520名の命が失われた日です。
あれから36年ということですが、36年という歳月はどういうことかというと、大学を出て会社に入った人がもうじき定年を迎えるという、そういう歳月です。

つまり、日本航空という会社には御巣鷹山の事故当時に勤務していた人はもうほとんどいなくて、事故以降に入社した人ばかりになっているわけで、それでもきちんと事故の慰霊祭が行われているということは、事故の教訓がしっかりと会社の中に受け継がれているということだと思います。

その証拠に、36年前のあの事故以降、日本の航空会社は墜落事故などを起こしていません。これは実に素晴らしいことで、なぜなら1960年代から1970年代にかけては、日本では毎年のように事故が起きていて、多いときにはひと月に2回も飛行機が墜落するなんてことが複数回発生しているからです。

ちなみに8月12日という日は御巣鷹山だけじゃなくて全日空機が下田沖で墜落したのも1958年(昭和33年)のこの日。
人の命ということであれば、どの事故も尊い人命が失われているわけですから、日本の航空輸送というのは、そういう教訓が活かされているわけで、36年もの間、日本の航空会社に墜落事故のような悲惨な事故が発生していないのは、関係者の皆様方のたゆまぬ努力の結果であると私は確信しています。

この私も航空業界に20年以上籍を置かせていただいておりましたから、安全というものを徹底的に叩き込まれた一人で、私のいた会社はジェット機の黎明期に例えば金属疲労や山岳派など、当時としては未知の原因で飛行機を墜落させたことが数回あり、それを教訓として航空輸送の安全性が確立された経緯がありますから、ヒヤリハットを含め、航空業界がどのような努力を重ねてきているかを身をもって経験している一人であります。

そう考えると日本航空も全日空も会社の経営陣はもちろんですが、一人一人の職員の方々が、日々安全輸送の確保に努力されてきていることは並大抵ではありません。

私はそういう皆様方に対して、素直に称賛の言葉を贈りたいと思います。

素晴らしいお仕事の継続、ありがとうございます。

話変わって東京オリンピック。

無事終了しましたね。

もちろん賛否両論はあるのを承知の上で、この困難な状況の中、大きなトラブルもなく、当たり前のように淡々と粛々と大会運営にご尽力された皆様方に対しても、称賛と感謝の意を表したいと思います。

何しろ数か月前にTOPが突然交代したり、直前まで開催できるかどうかわからない状況の中で、開会式をはじめ、すべての競技が滞りなくほぼ順調に達成できたということは、関係者の皆様方のご努力のたまものであり、現場力と一言では語れないご苦労があったと思います。

もし、自分が大会関係者の立場であったら、果たしてモチベーションをキープできたのだろうか。
そう考えるとなかなか自信を持てませんが、とにかくこれだけの大会を滞りなく実施することができたのは、関係者の皆様方のご尽力の結果ということは間違いありません。

あらためて称賛したいと思います。

本当に立派でした。
ありがとうございました。
そして、お疲れさまでした。

もちろん選手の皆様方も、モチベーションを維持しながら素晴らしい結果を出せたと思っています。

人々に夢と感動を与えることはこういうことなんだと、お手本を見せていただいたような気がします。
ありがとうございました。

昨今はインターネットの時代ですから、いろいろ好き勝手なことが言える時代です。

それぞれの皆様方が個人個人の意見を言うことができるのは、良い国であり良い時代であると思いますが、ネットの匿名性を考えるとどうしても罵倒するような言葉が目立つようです。

それはそれとして、そういう一般の人たちもいるということですが、私は、外野ではなく自分がオペレーションを行う立場として、無事故で現場で頑張っていらっしゃる航空関係者の皆様にも、逆風の中、オリンピックという大事業を成功裏に実行された関係者の皆様方に対しても、心から感謝申し上げたいと、そんなことを考える今夜でございます。

ありがとうございます。

そして、これからも頑張ってください。

いや、一緒に頑張りましょう。
ですね。