気分はいつもクリスマス

コンビニへ行ったら「恵方巻」の宣伝が出ていました。

えっ???

早すぎませんか?

毎年思うのですが、クリスマスが過ぎるとすぐに飾り付けを撤去してお正月の支度。
スーパーへ行ってもお正月用品がずらっと並んでいます。

かまぼこが食べたいなあ。
そう思って100円ぐらいの「夕月」を探しても、そんなものはありませんよ。

お総菜コーナーへ行ったらいつも買っている2個58円のコロッケもない。
100円のチキンカツもない。

いやいや、困りましたね。

年末年始商品で売り場のスペースを広げるために、お総菜コーナーが狭くなっていて、私のお好みの安~いものがないんです。

だいたいね、私はお正月は嫌いなんです。

一年間お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。
は、良い。

でも、除夜の鐘を聞いたとたん、
昨年中はお世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いします。
と、なる。

なんか白々しくていけません。

いろいろなことを「なかったことにする」のが得意技の私としては、世間全体が「なかったことにして、新しく始める」正月というのは、専売特許を横取りされたようで、頭がくらくらするのです。

まして、その正月をさらに通り越して恵方巻ですから、もう、なんだかわかりません。
世の中実に節操がなくなっている。

私はクリスマスが好きなんです。
なんか、いいなあ。

サンタさんは来ないけど、冬の楽しみ。
だから、我が家はクリスマスツリーはなかなかしまわない。

「片付けちゃダメ」

と私が言うので、たいていは正月明けまでクリスマスツリーを出してジングルベル。

「お父さん、おかしいよ、いつまでもクリスマスツリーなんか出して。」

家族は口を揃えてそう言ってきましたが、「えっ? どうして?」

25日を過ぎたら世の中がお正月モードに入るのが許せない私は、断固として譲れません。

「どうして25日を過ぎたらクリスマスツリーを片付けるの?」

そういう素朴な疑問に家族は誰も答えられない。

なぜならば、25日過ぎたらクリスマスツリーを片付けるのは日本の悪しき習慣であって、もともとあとからクリスマスという行事が割り込んできたのですから、25日過ぎたらさっさと片付けないと具合が悪いところから来ているのです。

そう、ヨーロッパではクリスマスツリーは年明け過ぎても平気で出しているんです。

「お前ら知らないだろうけど・・・」
と、オヤジの蘊蓄。

これ、オヤジの得意技ですけど、嫌われる元凶でもあるわけで、直江津にやってきたD51を前にして、「お前ら知らないだろうけど、D51というのは本当は『デコイチ』であって『デゴイチ』じゃないんだ。」などというのと同じ。
まあ、そういうことを言うと嫌われるわけですが、「ヨーロッパではクリスマスツリーは正月を過ぎても出しておくんだ。」ということが事実であるということをオヤジとしては何とか証明したい。

てなことを考えて、今から2年前の2019年1月の正月に、一番下の4男坊を連れてはるばるスペインくんだりまで出かけました。

2019年1月3日、ロンドンで飛行機を乗り換えて、マドリードで乗り換えて、やっとの思いで到着したビルバオ空港で出迎えてくれたクリスマスツリーです。

ほら、言った通りだろう。


出発ロビーにも。


免税店にも


ホテルにも


江ノ島ではありません。
サン・セバスチャンの夕暮れ。


街中のイルミネーションだってこのとおり。

4男坊もこれには納得したのでありまして、帰ってから「お母さん、確かに正月過ぎてもクリスマスだったよ。」と報告したのでありました。

で、結果としてどうなったか。

我が家はこの時以来、クリスマスツリーというものをしまうことがなくなりまして、すでに2年が経過して、まもなく3年目に入ろうとしているのであります。

そう、ず~っと出している。
今では猫も見向きもしなくなりました。

まもなくお正月。
オヤジの頭の中は常にジングルベルが鳴っている今日この頃でございます。